ユリア・フィッシャー

ヴァイオリン
Julia Fischer, Violin
ユリア・フィッシャー

バイオグラフィー

 ドイツ人ヴァイオリニストのユリア・フィッシャーは、類稀な才能の持ち主であり、他に例を見ない天才アーティストとして世界的に知られている。このことは、彼女がこれまでに行ったライブ演奏や録音で獲得した、数多くの賞や惜しみない称賛に反映されている。彼女が受賞した主な賞としては、2007年の「グラモフォン賞」(年間最優秀アーティスト)や、2009年の「ミデム・クラシカル賞」(年間最優秀器楽奏者)などがある。
 ミュンヘンに生まれたユリア・フィッシャーは、3歳でヴァイオリンを習い始め、その後間もなくピアノも習い始めた。ミュンヘン音楽大学でアナ・チュマチェンコに師事し、わずか11歳にしてユーディ・メニューイン国際ヴァイオリン・コンクールで優勝を果たした。この快挙により、フィッシャーはソリストとして世界のひのき舞台に躍り出た。
 以来、ユリア・フィッシャーは、世界の一流オーケストラや指揮者たちと、定期的に共演を重ねている。最近のシーズンでは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、BBCフィルハーモニー管弦楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団などとの共演で協奏曲を演奏している。
指揮者では、ヘルベルト・ブロムシュテット、クリストフ・エッシェンバッハ、ウラディーミル・ユロフスキ、パーヴォ・ヤルヴィ、ロリン・マゼール、ネヴィル・マリナー、エサ=ペッカ・サロネン、ユーリ・テミルカーノフ、フランツ・ウェルザー=メスト、デイヴィッド・ジンマンといった巨匠たちと共演している。リサイタルや室内楽にも熱心に取り組んでおり、これまでにウィーン楽友協会、パレ・デ・ボザール、ベルリン・フィルハーモニー、ニューヨークのカーネギー・ホール、BBCプロムス、ザルツブルク・イースター音楽祭、ラインガウ音楽祭、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、メクレンブルク=フォアポンメルン音楽祭など、世界の一流コンサートホールやヨーロッパ各地の音楽祭に登場している。2012/2013シーズンにはベルリン・コンツェルトハウスの、2013/2014シーズンにはドレスデン・フィルハーモニーの、それぞれアーティスト・イン・レジデンスを務めた。また、ロンドンのウィグモア・ホールでは、2013/2014シーズンを通してフィッシャーが登場するコンサート・シリーズが企画された。
 フィッシャーの2014/2015シーズンは、メクレンブルク=フォアポンメルン音楽祭での、イゴール・レヴィットとの共演によるリサイタルと、ミヒャエル・ザンデルリンク指揮ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団との共演によるコンサートで幕を開ける。その後、バート・ウラッハ秋の音楽祭でのダニエル・ミュラー=ショットとの共演に続き、ユリアンナ・アヴデーエワとの共演によるフランス・ツアーを開始する。ウラディーミル・ユロフスキ指揮ロシア国立交響楽団とのドイツ・ツアーでは、あまり演奏される機会がないシューマンのヴァイオリン協奏曲を演奏する。また、フランクフルトのアルテ・オーパー(旧オペラ座)の「プロアルテ」コンサート・シリーズでは、同ホールのアーティスト・イン・レジデンスとして、3回にわたるシリーズの第1回目に登場する。スイス・ツアーでは、指揮者とソリストを兼任し、ピアニストのオリヴァー・シュニーダーおよびアカデミー室内管弦楽団と共演する。さらに、ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、ヨーロッパ各地の主要ホールに登場する予定である。この他、ソリストとしての主な活動としては、ヤクブ・フルシャ指揮フィルハーモニア管弦楽団、クリスティアン・ヤルヴィ指揮ライプツィヒMDR交響楽団、シャルル・デュトワ指揮ボストン交響楽団、デイヴィッド・ジンマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、リオネル・ブランギエ指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団などとの共演がある。2015年の夏には、グラーフェネック音楽祭、「キッシンゲンの夏」音楽祭(ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ウィーン交響楽団との共演)、ラインガウ音楽祭(フィリップ・ジョルダン指揮ウィーン交響楽団との共演)に出演する他、ミヒャエル・ザンデルリンク指揮シュトゥットガルト放送交響楽団との共演でヨーロッパ・ツアーを行い、ハチャトゥリアンの作品を演奏する。
 2014/2015シーズンには、ユリア・フィッシャー弦楽四重奏団とのヨーロッパ・ツアーも予定されている。この弦楽四重奏団は、2011/2012シーズンにフィッシャーによって創設され、以来、聴衆や批評家たちから大絶賛を博しているアンサンブルである。メンバーは、ユリア・フィッシャー(1stヴァイオリン)、アレクサンダー・シトコヴェツキー(2ndヴァイオリン)、ニルス・メンケマイヤー(ヴィオラ)、ベンヤミン・ニッフェネッガー(チェロ)である。これら4人のアーティストたちは、何年にもわたって様々な室内楽の舞台で共演を重ねてきたという背景があるが、このメンバーで弦楽四重奏を結成しようというアイディアは2010年に生まれた。この年、ユリア・フィッシャー自身の主宰するシュタルンベルク湖音楽祭に参加したメンバーたちが、音楽祭の期間中に幅広いレパートリーをマスターしたことをきっかけに弦楽四重奏団が結成された。デビュー公演が行われた主なホールは、ウィーン楽友協会、チューリッヒ・トーンハレ、ベルリン・コンツェルトハウス、フランクフルト・アルテ・オーパーなどである。また、これまでに、「プラハの春」音楽祭、ウィグモア・ホール、ルクセンブルク・フィルハーモニーなどに登場している。
 ユリア・フィッシャーはデッカ・クラシックス/ユニバーサル・ミュージック・グループと専属契約を結んでいる。最新の録音では、ブルッフとドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲(デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との共演)と、サラサーテのヴァイオリンとピアノのための作品集(フィッシャーが頻繁に共演を重ねているピアニストのミラナ・チェルニャフスカとの共演)がある。2011年にリリースされた「ポエム」には、ショーソン、レスピーギ、スーク、ヴォーン・ウィリアムズの作品が収録されているが、このCDは四半期ごとに発表される権威ある賞、「ドイツ・レコード批評家賞」を受賞したのをはじめ、批評家たちから極めて高い評価を獲得した。このアルバムでモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したヤコフ・クライツベルクは、長年にわたってフィッシャーと緊密に共演を重ねてきた指揮者であるが、大変残念なことに、これが彼にとっての最後の録音となった。これ以前の録音としては、2010年秋にリリースされた「パガニーニ:24のカプリース」、2009年にリリースされたアカデミー室内管弦楽団との共演によるバッハのヴァイオリン協奏曲集がある。このバッハの録音は、イギリスでリリースされて以来、i Tunesのクラシック音楽部門の中では、史上最速のスピードで売上を伸ばした。デッカ移籍前には、ペンタトーン・レーベルからのリリースがある。彼女のデビューCDは、ハチャトゥリアン、プロコフィエフ、グラズノフといったロシア人作曲家のヴァイオリン協奏曲を収録したもの(ヤコフ・クライツベルク指揮ロシア国立交響楽団との共演)だったが、このCDは、2005年、ドイツの権威ある「エコー・クラシック賞」を受賞した。2005年にはバッハのソナタとパルティータを収録したソロ・アルバムもリリースした。このアルバムは、世界中の批評家たちから絶賛されたが、中でも特筆に値するのは、フランスの最も権威ある賞を3つも受賞したことである。それらは、ディアパソン誌の「ディアパソン・ドール賞」、ル・モンド・ドゥ・ラ・ムジーク誌の「ショック賞」、クラシカ・レパトワ誌の「最優秀賞」である。さらにこのバッハのCDにより、ユリア・フィッシャーは、BBCミュージック・マガジン誌の「最優秀新人賞」(2006年)を受賞した。2007年には、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を収録したCDで、「エコー・クラシック賞」(年間最優秀器楽奏者)を受賞した。
 ユリア・フィッシャーは、その音楽キャリアを開始して以来、継続してピアノの研鑽も積んでいる。2008年元日には、フランクフルト・アルテ・オーパーで、マティアス・ピンチャー指揮ユンゲ・ドイチェ・フィルハーモニー管弦楽団との共演で、グリーグのピアノ協奏曲を演奏した。さらに、この演奏会では(ヴァイオリンのソリストとして)、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番も演奏した。ユニテル・クラシカによって収録されたこの演奏会は、2010年9月にデッカ・レーベルからDVDとしてリリースされた。

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