プロフィールProfile

クシシュトフ・ヤブウォンスキは、1985年ワルシャワにおけるショパン国際ピアノコンクールで入賞、アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノマスターコンクールでゴールド・メダルを受賞したほか、ミラノ、パーム・ビーチ、モンツァ、ダブリン、ニューヨーク、カルガリーにおける各国際ピアノコンクールで数々の賞を受賞している。

30年以上にわたってソロ、室内楽、およびオーケストラ共演など、活発に演奏活動を行い、ベルリン・フィルハーモニーの「マスター・コンサートシリーズ」を始め、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、イスラエルの主要ホールで演奏している。

オーケストラへの客演としては、ゲルギエフ、ボレイコ、ペンデレツキ、セムコフ、カスプシック、マクシミウク、ノヴァーク、ブリュッヘン、ボーテ、手塚、下野、ヴィット、ヤン・クレンツなどの指揮者のもと、18世紀オーケストラ、ベルン交響楽団、シュトゥットガルト放送響、デュッセルドルフ響、ハンブルク響、イェーナ・フィル、ヘルシンキ・フィル、ラハティ響、読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー管弦楽団、九州交響楽団、霧島祝祭管弦楽団、ワルシャワ・フィル、ポーランド国立放送カトヴィツェ響などと頻繁に共演。

室内楽奏者としても、堤剛、アルト・ノラス、コンスタンツィ・アンジェイ・クルカ、テン・リーなどのアーティストと共演しており、1962年にウワディスワフ・シュピルマンによって創設された「ワルシャワ・ピアノ五重奏団」のメンバーも務めている。

ヤブウォンスキのロマンティックな気質は、長年にわたって彼の音楽の嗜好と興味を形成し、フェルディナント・リース、アンリ・リトルフ、エルンスト・フォン・ドホナーニのピアノ協奏曲といった、コアな作品もレパートリーとしている。また、スクリャービン「プロメテウス」のような音の媒体に色光まで駆使する複合芸術プロジェクト(デュッセルドルフ響)、ワルシャワ国立歌劇場のバレエ「フォルテピアニッシモ」(ロルカ・マシーン振付)、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」(オリジナル・ピアノ版)などにも出演しているほか、ウィーン国立歌劇場舞踏会のオープニングにも招かれ、ジョルジョ・マディア振付作品で国立歌劇場バレエ団とも共演。シカゴ、ミレニアム・パークのジェイ・プリツカーパビリオンでは数千人の観客を前に、K.ウルバンスキ指揮グラント・パーク管弦楽団とも演奏した。

2013年には前年の霧島祝祭管弦楽団との共演の成功に続いて来日し、東京都交響楽団とベートーヴェンの協奏曲を演奏した。2014年には再び霧島音楽祭に出演、2015年にはデビュー30周年を記念し、1985年にショパン・コンクールのファイナルで演奏したショパンのピアノ協奏曲第1番を下野竜也指揮読売日本交響楽団と演奏した。そして2015年にもう一度ヤツェク・カスプシック指揮ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団とショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏。2016年2月には30周年のしめくくりとして、サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番ト長調をパトリック・フルニリエ指揮ワルシャワ・フィルと演奏した。

ヤブウォンスキは、これまでに多くの国のラジオやテレビでライブ収録を行った他、ドイツ、日本、およびポーランドで多数のCD録音も行っている。

最近では国立ショパン研究所により、現代ピアノとピリオド・ピアノ両方によるショパン作品全曲演奏の録音を任されている。最初の2枚のCD(エチュード)が2016年と2017年にリリースされ、近々さらにリリースされることになっている。ヤブウォンスキ自身がこれは一生に一度のプロジェクトであると言っており、数年以内に完成できることを願っている。

ヤニナ・ブートルとアンジェイ・ヤシンスキ教授に師事し、マスタークラスでは、ルドルフ・ケーラーとニキタ・マガロフの下で研鑚を積んだ。1987年にカトヴィツェ音楽院を優等で卒業し、さらに1996年には同音楽院で博士号を取得。2004年から2017年にかけてワルシャワのフレデリック・ショパン音楽大学の教授を務め、カルガリーの音楽学校であるマウント・ロイヤル大学とカルガリー大学のピアノ課で教鞭を取った。モーニングサイド・ミュージック・ブリッジ・プログラムの教授陣の一員を務めている。

2016年から2017年にはレスブリッジ大学の芸術学部教授としても活躍。大学の任務のほかにマスタークラスや講演を行っており、ワルシャワのショパン・コンクール、トロント/ミシソーガ(審査委員長)、マイアミ、東京、中国の仏山を含む国際的なピアノコンクールの審査員を務めている。

現在は香港中文大学のピアノ鍵盤楽器科の首席兼アカデミック・リーダー。2023年1月GBAフェスティバルのファイナル・コンサートで深圳交響楽団と共演した。

(2023年4月現在 2000字)

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