レイフ・オヴェ・アンスネス

ピアノ
Leif Ove Andsnes, Piano
レイフ・オヴェ・アンスネス

バイオグラフィー

 ニューヨーク・タイムズはレイフ・オヴェ・アンスネスを「威厳ある優美さ、力強さ、洞察力を有するピアニスト」と評した。このノルウェーの著名なピアニストはその圧倒的なテクニックと鋭い解釈で国際的な名声を獲得しており、ウォール・ストリート・ジャーナルをして「同世代で最も才能ある音楽家の一人」と言わしめた。彼は世界の主要なコンサート・ホールでリサイタルを行い、一流オーケストラと協奏曲を共演する傍ら、レコーディングにも精力的に取り組んでいる。また、室内楽奏者としても熱心に活動しており、20年近くにわたってノルウェーのリソール室内楽音楽祭に共同芸術監督として参加している。2012年にはカリフォルニアのオーハイ音楽祭の音楽監督に就任した。

 アンスネスは「ベートーヴェンへの旅」プロジェクトの第2弾への着手によって2013年の活動を開始した。このプロジェクトは複数シーズンにわたって、この偉大なる作曲家のピアノ協奏曲全5曲に集中的に取り組むというものである。これまでの18カ月間に、大規模なツアーや大好評を博したソニー・クラシカルでのデビュー作のレコーディングにおいて、彼が多大な時間を費やした第1番と第3番に続き、アンスネスは現在、第2番と第4番に取り組んでいる。このプロジェクトの新しい局面を迎え、アンスネスは重要なコラボレーションを世界の3大陸において行う。それらは、まず、1月のヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団との初共演に始まり、日本でのエサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管弦楽団との共演、そしてノルウェー室内管弦楽団とのスカンジナビア・ツアーと続く。
3月には、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団との初共演によるピアノ協奏曲第4番を、ヨーロッパの10都市(リスボン、バルセロナ、パリ、ブラティスラヴァ、ウィーン、ザグレブ、インターラーケン、バーミンガム、エクサン・プロヴァンス他)を巡るツアーで披露した。

 2013年11月には、レイフ・オヴェ・アンスネスは、マーラー室内管弦楽団との再共演で、ツアーとレコーディングを行う予定である。このレコーディングは、「ベートーヴェンへの旅」の全3巻のうちの第2巻となるピアノ協奏曲第2番と第4番を収録するもので、2014年の春にソニー・クラシカルからリリースされる予定である。このプロジェクトを支えているのは、まさにアンスネスとマーラー室内管弦楽団のパートナーシップであり、両者の音楽における緊密な信頼関係は、プロジェクトを進める中で発展し続けている。イギリスのテレグラフ紙は、コンサートでのライヴ演奏についての論評で、いかに「マーラー室内管弦楽団がアンスネス流の音楽創りに対し並はずれた協調性を示している」か、を述べている。この事実を踏まえれば、同プロジェクトの最初のレコーディングとなったピアノ協奏曲第1番と第3番のCDが、iTunesの2012年の最優秀器楽演奏アルバムとして好評を博し、ベルギーのセシリア賞を受賞したのも、もっともなことである。

 「ベートーヴェンへの旅」プロジェクトは、クリスチアン・ゲルハルド・イェブセン財団の支援を受けている。この財団はベルゲンを本拠地としており、クリスチアン・ゲルハルド・イェブセンと彼のノルウェーおよび国際的な海運業における貢献を記念して設立された。2014/2015シーズンには、同プロジェクトは最高潮を迎え、アンスネスとマーラー室内管弦楽団との再共演により、北アメリカ、ヨーロッパ、およびアジアにおいて、「全曲チクルス」演奏が達成される予定である。
  
 現在アンスネスはソニー・クラシカルと独占的にレコーディングを行っている。これまでにEMIクラシックスの30枚以上のディスクがあり、それらはバッハから現代作曲家のソロ、室内楽、協奏曲のレパートリーを網羅しているが、その多くがベストセラーとなっている。グラミー賞には8回ノミネートされ、グラモフォン賞6回を含む多くの国際的な賞を受賞している。アンスネスと同郷の作曲家、エドヴァルド・グリーグの作品を収録したCDは、特に好評を博している。2004年のマリス・ヤンソンス指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演によるグリーグのピアノ協奏曲のCDは、ニューヨーク・タイムズの「ベストCDオブ・ザ・イヤー」に選ばれ、垂涎の的であるペンギン・ガイドの「ロゼット」賞を受賞した。この協奏曲の録音と同様に好評を博したグリーグの抒情小曲集のCDはグラモフォン賞を受賞した。さらに、彼のモーツァルトのピアノ協奏曲第9番と第18番のCDも、ニューヨーク・タイムズの「ベストCDオブ・ザ・イヤー」に選ばれ、ペンギン・ガイドの「ロゼット」賞を受賞した。この他にも、アントニオ・パッパーノ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演によるラフマニノフのピアノ協奏曲第1番と第2番ではグラモフォン賞を受賞している。シューベルトの後期のソナタ集とイアン・ボストリッジが歌う歌曲選集のシリーズ録音にも、惜しみない賛辞が贈られた。シカゴ・トリビューン紙は、シリーズの1作品について「あらゆる点で最高のシューベルト演奏」と絶賛した。ニューヨーク・タイムズ紙は、アンスネスのCDのうち、彼のために書かれたマーク=アンドレ・ダルバヴィのピアノ協奏曲とベント・セレンセンの《沈黙の影》という作品の世界初録音(ルトスワフスキーのピアノ協奏曲、およびジェルジュ・クルターグのソロ作品と共に収録)についてのレビューで、彼を「現代音楽のダイナミックな演奏家」と評した。
 
 レイフ・オヴェ・アンスネスはノルウェー最高の名誉とされるノルウェー王国聖オラフ勲章コマンダーを受賞している。2007年には、政治、スポーツ、文化の分野で顕著な功績を収めたノルウェー人に、国会議員によって授与される名高いペール・ギュント賞を受賞した。また、英国のロイヤル・フィルハーモニー・ソサイエティの器楽奏者賞とギルモア・アーティスト賞も受賞している。彼の数々の業績をたたえ、ヴァニティ・フェア誌は2005年にアンスネスを「ベスト・オブ・ザ・ベスト」の一人に選出した。

 アンスネスは1970年にノルウェーのカルメイで生まれ、ベルゲン音楽院で高名なチェコ人の教授、イルジー・フリンカに師事した。また、過去10年間にわたり、ベルギー人のピアノ教師、ジャック・ドゥ・ティエージからも貴重なアドバイスを受けている。ティエージはフリンカと同様にアンスネスの演奏スタイルと理念に多大な影響を及ぼしている。アンスネスは、彼を非常に触発したピアニストとして、ディヌ・リパッティ、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、スヴャトスラフ・リヒテル、ゲザ・アンダの名を挙げている。アンスネスは、現在、コペンハーゲンとベルゲンに住んでいるが、ノルウェー西部のハルダンゲル地方にある彼の山荘で過ごす時間も多い。彼はオスロのノルウェー音楽院教授を務め、スウェーデン王立音楽院のメンバーでもある。また、ナショナル・パブリック・ラジオのブログ「ディセプティブ・ケイデンス(Deceptive Cadence)」に、時折、論評を寄稿している。

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