マリインスキー・オペラ

オペラ・バレエ
The Mariinsky Opera, Opera / Ballet
マリインスキー・オペラ

バイオグラフィー

 サンクトペテルブルグはロシア劇場音楽発祥の地であり、早くも1730年代にはこのロシアの首都で、宮廷オペラと宮廷バレエが上演されていた。そのため1783年ペテルブルグにボリショイ劇場が創設され、1860年からはマリインスキー劇場(劇場建築の第一人者アルベルト・カヴォスの設計で、アレクサンドル二世の皇后マリアにちなんで名付けられた)に会場が移った。その後1935年から92年まで、マリインスキー劇場はキーロフ劇場と呼ばれた。
 この舞台では、グリンカ《皇帝に捧げし命》《ルスランとリュドミラ》、ムソルグスキー《ボリス・ゴドゥノフ》《ホヴァーンシチナ》、ボロディン《イーゴリ公》、リムスキー=コルサコフ《プスコフの娘》《雪娘》《見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語》、チャイコフスキー《スペードの女王》《イオランタ》など、ロシアの古典オペラの多くが世界初演された。
 また、ロシア独自の声楽流派はこの劇場で形作られた。オペラの世界における最高のスターの中には、フョードル・シャリアピン、イワン・イエルショフ、フョードル・ストラヴィンスキー、ニコライ・フィグネル、レオニード・ソビノフ、フェリア・リトヴィンといった、同劇場で歌った歌手たちが含まれる。そのすぐれた伝統はニコライ・ペシコフスキー、ソフィア・プレオブラジェンスカヤ、マルク・ライゼン、ゲオルギー・ネレップらに受け継がれた。
 マリインスキー劇場は、いつの時代もヨーロッパの一流オペラ作曲家の作品を上演してきた。1862年にはヴェルディの《運命の力》が作曲家の同席のもとで初演され、ここで人気を誇っていたワーグナーのオペラは、19世紀から20世紀初頭まで、しばしば上演されている。《ニーベルングの指環》全曲、《トリスタンとイゾルデ》《ニュルンベルクのマイスタージンガー》《パルジファル》のロシア初演はマリインスキー劇場で行われており、《指環》全曲を指揮したのは、バイロイトで初めて全曲を指揮したハンス・リヒターであった。
 マリインスキー劇場は常に古典的な伝統に敬意を払ってきたが、20世紀には新機軸の舞台がたびたび上演された。アレクサンドル・ブノワ、コンスタンチン・コロヴィン、アレクサンドル・ゴロヴィン、ワレンティン・セロフが初めて革命的な舞台装置と衣装を世界に向けて発表したのも、フセヴォロド・メイエルホリドが傑作を上演したのも、この劇場である。

 マリインスキー劇場は過去においても現在においても、サンクトペテルブルグの文化の中心である。そしてロシア文化と西側文化の精神面の伝統を融合しており、レパートリーには古典オペラの名作が多く含まれている。またマリインスキー劇場は、英国ロイヤル・オペラ、メトロポリタン・オペラ、パリ・オペラ座バスティーユ、ミラノ・スカラ座、フェニーチェ歌劇場、ニュー・イスラエル・オペラ、サンフランシスコ・オペラといった世界の歌劇場と提携してオペラの制作を始めたロシアでは最初の劇場である。これらのプロジェクトにより、レパートリーは一段と豊かになり、《戦争と平和》《炎の天使》《カテリーナ・イズマイロヴァ》《賭博師》《オテロ》《ルスランとリュドミラ》《蝶々夫人》などの新プロダクションが共同制作によって生まれた。ロシア人以外の作曲家による作品を原語で上演するようにもなり、それはマリインスキー劇場が世界のオペラ界の流れを取り入れた活動をするにあたって、より有利な結果をもたらした。
 同様に重要なのが、世界的なアーティストたちに、サンクトペテルブルグでマリインスキー劇場と共演する機会を提供していることである。テノール歌手プラシド・ドミンゴがマリインスキー版の《オテロ》《パルジファル》《ワルキューレ》に出演。さらにエリコ・ヴィジエ(フランス)、トニー・パーマーとエライジャ・モシンスキー、ジャンカルロ・デル・モナコ、ジュリー・テイモア、デイヴィッド・フリーマン、マルタ・ドミンゴといった一流の演出家、ユストゥス・フランツ、エサ=ペッカ・サロネン、クリストフ・エッシェンバッハ、ジャナンドレア・ノセダら著名な指揮者が、マリインスキー劇場の舞台に加わっている。

 1988年に芸術監督に就任したゲルギエフは、1993年以来、サンクトペテルブルグで毎年開催される白夜の星音楽祭の主催者および芸術監督も務めている。この音楽祭の特徴のひとつは、その年に初演が予定されている演目をすべて上演するという伝統である。過去に同音楽祭で初演された作品には、ヴェルディ《アイーダ》とR.シュトラウス《サロメ》(1995)、チャイコフスキー《マゼッパ》、ビゼー《カルメン》、プロコフィエフ《賭博者》(1996)、そして2つのヴァージョンによるショスタコーヴィチ《カテリーナ・イズマイロヴァ》(1995)と《ムツェンスクのマクベス夫人》(1996)などがある。1997年にはマリインスキー劇場における新ワーグナー時代の幕開けを告げる《パルジファル》が上演され、またムソルグスキー《ボリス・ゴドゥノフ》がオリジナル版によって披露された。1998年にはさらに、ワーグナー《さまよえるオランダ人》、1999年には《ローエングリン》を上演。そしてヴェルディの《運命の力》が、オリジナルの舞台装置、衣装、そして演出によって再現された。
 1999年に初演されたプロコフィエフの《セミョーン・コトコ》は、ロシアの演劇界における最高の賞であるゴールデン・マスク賞を4つ受賞した。翌年のハイライトは、マリインスキー劇場とメトロポリタン・オペラの共同制作によるプロコフィエフの大作《戦争と平和》であった。世紀の変わり目に、前世紀のそれと同様、ワーグナーの《ニーベルングの指環》4部作の制作を企画したのも注目すべき出来事であり、2000年には《ラインの黄金》、2001年には《ワルキューレ》が披露された。またこの年は初演の舞台が充実しており、ヴェルディ《マクベス》《仮面舞踏会》《オテロ》も上演されている。そして2002年には《ジークフリート》《神々の黄昏》を上演。2003年には、演出を変えた《ラインの黄金》《ワルキューレ》と併せて、《指環》4部作の連続上演を行い、この舞台は、2006年1月に日本でも上演された。

 毎年、マリインスキー劇場は世界的な音楽祭(バーデン=バーデン、ザルツブルク、ロッテルダム、ローマ、ミッケリなど)に参加しており、2007年7月には、メトロポリタン・オペラで《ニーベルングの指環》チクルスを上演した。
 2006年夏には新しいコンサートホールが完成。2007/08年シーズンからは、同ホールでも多くの公演が行われるようになった。
 現在のマリインスキー劇場は、経験と伝統と若いエネルギーが自然に融合したオペラ・カンパニーとなっている。劇場に所属するソリストたちは、当劇場における公演のみならず、世界中の主要なオペラハウスで活躍している。世界初演からはしばらく遠ざかっていたマリインスキー劇場であったが、今日では、再び現代作曲家作品の世界初演の舞台となっており、最近では、シチェドリンの《魅せられた旅人》、スメルコフの《カラマーゾフの兄弟》、カレートニコフの《使徒パウロの神秘劇》などが世界初演されている。

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