ワレリー・ゲルギエフ(芸術総監督、首席指揮者)

指揮
Valery Gergiev, Conductor
ワレリー・ゲルギエフ(芸術総監督、首席指揮者)

バイオグラフィー

「ゲルギエフの真にインスピレーションに満ちた演奏は、万人の称賛に値するものである。このような演奏が、ゲルギエフの信じがたいエネルギーと音楽に対する情熱、そして素晴らしく博愛的な資質と相まって、彼を音楽界の檜舞台へと導いてきた」(2005年、ザ・ガーディアン紙)

 「ゲルギエフは、極めて優秀な歌手やダンサーを途切れることなく次々と育て上げ、数百年もの伝統を持つマリインスキー劇場を、世界で最もダイナミックなカンパニーに変身させた。彼がタイム誌の選ぶ『世界で最も影響力のある100人』にランクインしたのは、実に納得のいくことである」(2010年、ザ・タイムズ紙)

 レニングラード音楽院の管弦楽指揮科(イリヤ・ムーシン教授に師事)で学ぶ。在学中の23歳の時に、ベルリンのカラヤン指揮者コンクールで1位なしの2位に入賞。キーロフ劇場(現マリインスキー劇場)に指揮者として招かれた。そして35歳の若さでキーロフ劇場オペラ・カンパニーの芸術監督に就任。1996年からはマリインスキー劇場の芸術監督と総裁を兼任している。

 マリインスキー劇場において、ゲルギエフは数多くの世界的な名歌手を育成し、音楽界に送り出している。また彼の采配の下で、同劇場はレパートリーを大きく広げ、現在は18世紀から20世紀のクラシックの傑作から現代作品まで幅広く網羅している。

これまでの注目すべき演奏としては、プロコフィエフとショスタコーヴィチのオペラのほか、ワーグナーの「ローエングリン」「パルジファル」「さまよえるオランダ人」「トリスタンとイゾルデ」等の再上演が挙げられる。また彼は2003年、ロシア史上初となるドイツ語による新演出の「ニーベルングの指環」4部作を上演。そのヨーロッパ初演は、2004年ドイツのバーデン・バーデンで行われ、ドイツのメディアから「音楽史上に残る一大イベント」と高く評価された。さらに2005年のモスクワ上演、その後の韓国や日本での上演も絶賛を博し、2006/07年シーズンには、アメリカ、イギリス、スペインでも上演された。2009年には、ベルリオーズ「トロイアの人々」の世界規模─ロシア、イスラエル、アメリカ─の上演を手がけた。

 彼はまた、ロッテルダム・フィルハーモニー・ゲルギエフ音楽祭(オランダ)、モスクワ復活祭音楽祭、「白夜の星」音楽祭(サンクトペテルブルグ)など、数多くの国際音楽祭の創設者であり、また、それらの芸術監督、音楽監督を務めている。「白夜の星」音楽祭は、オーストリアの権威ある雑誌「フェストシュピール・マガジン」が選ぶ、「世界の主要音楽祭ベスト10」にランクインした。

 2006年には、ゲルギエフの尽力によって、マリインスキー・コンサート・ホールが完成。この新ホールは、卓越した音響を有することで注目を集め、劇場とオーケストラのプログラムを広げるのみならず、マリインスキー・レーベルの作品収録の場にもなっている。ゲルギエフのリーダーシップの下、2009年に創設された同レーベルは、これまでに16枚のディスクをリリースし、ファンや批評家の高い評価を獲得。2010年には、最初のプロジェクトとなったオペラ「鼻」が、ミデム・クラシック賞を受賞した。

 ゲルギエフは子供や若者のための企画にも熱心に取り組み、これらの世代を対象とした基金の提供や、学生向けの無料コンサートなどを行っている。

 さらにゲルギエフは、人道主義の理想を守るために、積極的な活動を展開することでも知られている。2004/05年シーズンには、彼が中心となり、「ベスラン・ミュージック・フォー・ライフ(北オセチアに捧げる)」と題した世界規模のチャリティー・コンサート・シリーズが、ニューヨーク、パリ、ロンドン、東京、ローマ、モスクワで開催された。また彼は、2008年8月にも、ツヒンヴァリ(南オセチア自治州の州都)の破壊された州議会議事堂前の広場で、グルジア紛争犠牲者追悼コンサートを指揮した。

 2007年からは、ロンドン交響楽団の首席指揮者を務めている。また、メトロポリタン・オペラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ミラノ・スカラ座管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団等と共演している。さらに、ロシア連邦大統領府文化芸術評議会の委員を務める傍ら、第14回チャイコフスキー国際コンクール組織委員会の委員長も務めた。

 2010年2月には、サンクトペテルブルグ大学の学術審議会が、彼を同大学芸術学部の学部長に選出した。

 ゲルギエフは、音楽や社会への功績により、数多くの賞や勲章(称号)を授与されている。それらは、ロシア人民芸術家(1996年)、ロシア国家賞(1994年と1999年)、ドイツ政府一等紅十字勲章、イタリア共和国功労勲章、フランス芸術文化勲章、オランダ獅子勲章、日本の旭日中綬章、ポーランド共和国文化勲章、UNESCO世界平和芸術家、スウェーデン王立音楽アカデミーの北極音楽賞など、枚挙にいとまがない。2008年12月には、ゲルギエフ指揮のマリインスキー歌劇場管が、グラモフォン誌で発表された世界最高アンサンブルのトップ20にランクインした。このリストにランクインしたロシアの3団体のうち、同楽団が最上位であった。2009年には、イギリスのロイヤル・フィルハーモニー協会より、「年間最優秀指揮者」に選出。最近では、才能ある若手音楽家の育成に貢献したことにより、ヨーロッパ・グラスヒュッテ・オリジナル賞(ドレスデン音楽祭賞)を受賞した。2011年には、エジンバラ国際フェスティバルの名誉総裁に就任し、同年11月、フランスの権威ある音楽雑誌「クラシカ」より「年間最優秀アーティスト」に選ばれた。

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