デビュー10周年記念 プロコフィエフ―作曲家の肖像
滝千春ヴァイオリン・リサイタル
- 弦楽器
- 日時
- 2018年3月8日(木) 19:00
- 会場
- 紀尾井ホール
ピックアップ
滝千春(Vn)&沼沢淑音(P) 公演に向けての演奏・メッセージ!
■ 曲目解説ノーカットでご覧いただけます。(2018年3月)
■ お食事を楽しみながら音楽を”サンデー・ブランチ・クラシック”に出演(2018年2月)
チケット詳細Ticket Information
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② 11月19日(日) 10:00a.m.~発売 夢倶楽部会員
③ 11月23日(木・祝) 10:00a.m.~発売 ジャパン・アーツぴあネット会員
④ 11月25日(土) 10:00a.m.~発売 一般
… ジャパン・アーツぴあコールセンター (03)5774-3040
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チケット購入にあたっての注意事項
曲目・演目Program
<オール・プロコフィエフ・プログラム>
- バレエ音楽≪シンデレラ≫からの5つの小品より’ワルツ'(編曲:M. フィフテンゴリッツ)
- バレエ音楽≪ロミオとジュリエット≫ Op. 64(編曲:L. バイチ/ M. フレッツベルガー)
- ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op. 80
- * * *
- 交響的物語≪ピーターと狼≫ Op. 67(編曲:根本雄伯)<世界初演版>
- ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調 Op. 94bis
- キュイ:「万華鏡」より Orientale Op. 50-9
- ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
― ピーターと狼、ヴァイオリンとピアノのために ― 根本雄伯(指揮者/作曲者/ホルン奏者)
滝千春さんからピーターと狼の新たな編曲をお願いされた際真っ先に頭に浮かんだのは「ヴァイオリニスティック、またはピアニスティックな編曲は可能か。」という疑問でした。オーケストレーション、編曲をライフワークの一環として行う様になって早20年以上経ちますが、依頼者に返答する前にまず最初に考えるのは「この編成でやる意義があるか。」「作曲者自身の編曲、またはオリジナルの作品に聞こえる様に書けるか。」ということです。
プロコフィエフはヴァイオリン、ピアノの名曲を数多く残していますし、単なる「原曲の音を全部拾うだけの編曲」に終わってしまうと「オーケストラを雇うお金がないので仕方なくこの小さな編成で演奏してます。ごめんなさい。」という風に聞こえてしまう危険性が大です。滝さんからの第一の希望は「ストーリー性を保ってほしい。」という事でしたので、それを踏まえたうえでヴァイオリンソナタ的な響きを作れるかを模索する作業から始まり、どうやってヴァイオリン独特のテクニック(重音、フラジオ、ポンティチェッロ、ピッチカート・・・)を効果的に取り入れながら編曲していくかということに重点を置きました。幸いなことに幼少時にヴァイオリンを10年間習っていたこと、ピアノも現在も演奏していることもあり、難しさはあるものの結果的に大変楽しい作業となりました。
原曲は各楽器に登場人物をあてはめて楽器紹介を兼ねた形で進んでいきますが、ヴァイオリン、ピアノのみのこの版では音色の違いや音域の違いでそれぞれのモチーフの差を明確に出せるように心がけました。
滝さんと沼沢さんお二人の素晴らしい演奏でこの版を初演して頂けることを大変光栄に思っております。
根本雄伯オフィシャル・ホームページ:http://www.takenorinemoto.com/#_.L
公演によせてMessage
ブロン門下の日本の若手も多くが中堅にさしかかり、それぞれが持ち味を活かしながら個別の道を歩んでいる。
そんな中の1人、滝千春がデビュー10周年を迎えるという。2008年の清水和音とのデュオ・リサイタル・デビューから早10年。月日の早さには、ただ驚くばかりだ。
難技巧を駆使し、「天才少年(少女)ヴァイオリニスト」の呼び名高く、颯爽と登場する世界中の若手ヴァイオリニストが、その後きちんと成長を遂げるのは、実はなかなか難しいことである。才能が真に開花するのには、いろんな経験と時間が必要。「ローマは一日にして成らず」なのだ。
若くして才能を開花させた滝千春も、その後すべてが順風満帆だったわけではないのだろう。だが、彼女の場合は、そうした経験や時間を、音楽を豊かに奏で、人としての魅力を増す力に変えてきたのではあるまいか。昨年(2016年)12月に都内で行われた倉澤杏菜とのデュオ・コンサートで聴かせてくれたジョン・アダムスのロードムービーはおもしろかった。聴衆にとっておそらく未知の曲であろうこの作品の魅力をきっちり過不足なく伝えようという滝と倉澤の真摯で熱いパッションがホール内の温度を高めてくれていた。
今回の記念リサイタルは、師ブロンに鍛えられ、得意としてきたロシア物の中にあっても、いま一番心惹かれ、肌に合うというプロコフィエフの作品だけでまとめられたプログラム。切れ味鋭い技巧、やや翳りを帯びた魅惑の音色、心の動きを映しだす美しい歌、それらの滝個有の持ち味が最大限に活かされるに違いない。いや、おそらく滝の狙いはそれだけではあるまい。千変万化するプロコフィエフのいくつもの顔を描き分け、さらにはそれが有機的に繋がり、ひとつの偉大な作曲家像を浮かび上がらせることを企図しているはずだ。
西巻 正史(コンサート・プロデューサー)
プロフィールProfile
滝 千春 Chiharu Taki (ヴァイオリン, Violin)
5才よりヴァイオリンをはじめる。桐朋女子高等学校音楽科を経て、チューリッヒ芸術大学卒業後、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンを卒業。上西玲子、辰巳明子、ザハール・ブロン、サシュコ・ガヴリーロフの各氏に師事。数々のコンクールに入賞。高校在学中より本格的音楽活動を開始し、ソロ・リサイタルをはじめ、オーケストラとの共演、チャリティ・コンサートへの出演、アウトリーチ活動など、国内外で積極的に活動を展開する若手実力派ヴァイオリニスト。優れた技術力と豊かな音楽性が高く評価されている。2015年よりピクテ投信投資顧問株式会社のピクテ・パトロネージュ・プロジェクトのアーティストとして活動。ベルリン在住。 オフィシャル・ホームページ http://www.chiharutaki.com/ instagram @chiharutaki
沼沢 淑音 Yoshito Numasawa (ピアノ, Piano)
ケルン国際音楽コンクール入賞、シュニトケ国際コンクール優勝、ヨーロッパで歴史と権威あるポッツォーリ国際ピアノコンクールで優勝。また浜松国際ピアノコンクールに参加し「ネルセシアン賞」「(公財)アルゲリッチ芸術振興財団賞 」を受賞しアルゲリッチ氏より別府アルゲリッチ音楽祭に招待され演奏する。ラ・フォル・ジュルネ音楽祭等、日本国内各地はじめスペインやイタリア、ドイツ、ロシア、ベラルーシ、中国等の音楽祭に出演。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマを経て公益財団法人ロームミュージックファンデーションの奨学生として2015年にモスクワ音楽院を卒業。これまでに杉安礼子、故ウラジーミル・竹の内、佐藤辰夫、辻井雅子、広瀬康、野島稔、ミハイル・カンディンスキー、エリソ・ヴィルサラーゼの各氏に師事。2017年4月より桐朋学園非常勤講師。
主催・協賛
主催:ジャパン・アーツ