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ラファウ・ブレハッチ インタビュー 第1回「近況を語る」

2017年10月、4年振りに日本ツアーを行うラファウ・ブレハッチのインタビューをご紹介します。
演奏家にとっての年齢を重ねることは・・・
演奏家にとって年齢の要素は大切なものです。しかし、いちばん大切なものではないと思うのです。最も大事なのは、センシビリティ、理解力そのもの、ではないでしょうか。なにを感じ取り、見抜き、演奏すべき曲に正しいヴィジョン見出すことができるか。曲によってそれはすべて違うはずです。
もちろん、同じ曲を繰り返しステージで演奏することにより理解が生じることもあります。例えば私の場合は、10年前にショパンの幻想ポロネーズを演奏し、しばらくあとの2010年にも演奏したのですが、そのさいに興味が目覚めた点がいくつかあり、そこを、先立つ演奏とは異なる奏法にしたのです。そのように変えることが自分にとって自然なことでした。そしてそういった変化が起こることは素晴らしいと思うのです。演奏家が年齢を重ねることで、聴衆にそのような変化をお見せできるとしたら、それは、大きな喜びですね。


毎日の生活
2005年のワルシャワでのコンクール以降、生活のバランスを保つことにとても気をつけています。コンサートのスケジュールと普段の生活との間に、適切なリズムを保つことです。今でもコンサート活動が過剰にならないように注意しています。1シーズン、つまり年間で50回程度に、最多でも55回に抑えています。そのようにして普段の生活の部分を・・・レパートリーを広げるための勉強時間、あたりまえに生活して人間として成長する時間、そしてときには休養の時間を、切り詰めないように。家族や友人と過ごす時間も人生にはとても大切なものです。
そうやってバランスを保つことで、どのような曲と向かい合う場合も、きっとその曲により近づくことができるようになりますよ。
マイブーム
音楽表現に関する哲学を精力的に勉強しています。5月にはポーランドの大学で、哲学のご専門の先生方・学生の方々と、ある議題について討論を行ったところです。哲学を専門とする学生のかたが200名、教授が50名ほど参加されました。
私はその機会に、ステージに設えたピアノでバッハの楽曲の部分をいくつか演奏し、実例を示して議論に参加しました。宗教的概念・思想の抽象的表現について語る場だったのです。
学位論文をすでに書き終えまして、まもなく、最終試験を受けることになります。
とはいえ、心のなかにあるものを言葉で表すより、ピアノの音に乗せて表すほうが、よりしっくりくるのです。私たちの人生の瞬間瞬間の経験や感覚はじつに多様です。それらを余すところなく表現することができれば、と希(ねが)います。


好きな日本食は?
お味噌汁がとても好きです。それから、しゃぶしゃぶも大好物です。私だけでなく、家族もみんな、しゃぶしゃぶは、大好きです。

第2回は、日本公演プログラムについて語ります。
インタビューの第2回はこちらから
通訳:高橋美佐

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心に響く、深遠なる音楽
ラファウ・ブレハッチ ピアノ・リサイタル
2017年10月10日(火) 19:00 東京オペラシティ コンサートホール

詳しい公演の情報はこちらから