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ポッペアの戴冠 あらすじと相関図

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プロローグ
 天上界。運命の神(フォルトゥナ)と美徳の神(ヴィルトゥ)が「美徳とは、信じる者もいない落ちぶれた神」「運命など、邪なる夢想に過ぎない」と貶しあう。愛の神(アモーレ)が現れて「自分は子供の身体であるが、一度口を開けば世界が変わる」と告げる。運命の神も美徳の神もその主張を認める。

第1幕
 ローマ。武将オットーネが妻ポッペアの館に帰り着くと、屋敷の外に皇帝の衛兵たちがいることに気づく。オットーネは「不実な妻よ、ネローネを抱いて眠るのか」と嘆く。衛兵たちは、皇后オッターヴィア様もお気の毒と語りあう。そこに皇帝ネローネとポッペアが登場。ポッペアが甘えると、ネローネは「すぐ戻る」と約束して去る。ポッペアは小アリア〈希望がやってきて〉で喜ぶ。乳母アルナルタは、「皇后さまはお気づきです」と忠告。でも、ポッペアは気にしない。乳母は「正気ですか?」と諫める。

 ネローネの宮殿。オッターヴィアがアリア〈蔑まれた皇后〉で愛されぬ苦しみを口にすると、乳母が「新しい殿方をお選びになれば?」と助言。皇后はそれを拒む。哲学者セネカが皇后をなだめようとすると、小姓が割って入り「哲学者は言葉で人を惑わす」と言う。皇后はセネカに「人民が私の側に付くように」と頼む。独り佇むセネカの前にパッラデの神が現れ、「お前はもうすぐ死ぬ」と予言する。

 入れ替わりにネローネが現れる。ネローネは師セネカに「予はポッペアと結婚する」と宣言。セネカが反抗すると、皇帝は「お前が正しかろうが間違っていようが、構わない」と言い切る。

 ポッペアの寝室。ネローネは彼女を抱き、皇后の座を与えたいという。するとポッペアは「セネカが私の進路を妨げます」と告げ口。ネローネは役人を呼びつけ、「今日、セネカに死を!」と命令する。屋敷の外ではオットーネがアリア〈我に返れ〉で嘆く。するとポッペアがバルコニーに現れ、「貴男は不運な方。私は皇帝の命に従うのみ」と言い放つ。アルナルタは武将に同情し、オットーネは「ポッペアに先手を打ちたい」と考える。そこに、ポッペアの侍女ドゥルジッラが姿を見せ、彼にまとわりつく。オットーネは相手をしながらも、ポッペアが忘れられない。

第2幕
 ローマ郊外。セネカの家。セネカの前にメルクーリオ神が現れ、「残念ながら最後の時が近づいた」と告げる。宮廷からの使者が訪れると、セネカは彼に「皇帝の命は言われずとも分る」と述べる。友人たちはアンサンブル〈セネカよ死ぬなかれ〉で懇願するが、セネカは「無実の者の血が死への道を朱に染めるように」と辞世の言葉を言い置く。

 王宮の庭。小姓が若い女官[ダミジェッラ]を口説く。王宮では廷臣ルカーノがネローネと共に、「セネカが死んだ今、愛の歌を歌いましょう」と声を合わせる。別室では、オットーネが嘆いていると皇后が現れ、「そなたの剣が私への忠義を示す。ポッペアを殺せ」と命じる。オットーネが迷うと皇后は怒り、「女装して近づき、殺せ。出来ぬなら皇帝に『そなたが私に乱暴しようとした』と訴える」と脅す。別の部屋ではドゥルジッラと小姓、皇后の乳母が語り合い、その後にオットーネとドゥルジッラが鉢合わせ。オットーネは、彼女の衣裳を借りて妻を殺害すべく決意する。

 庭園。ポッペアは愛の神(アモーレ)に祈り、寝床で横になる。アルナルタがアリア〈お休みなさい〉を歌う。すると愛の神が出現し「不用意にも眠っている」と語りながらポッペアを見守る。オットーネが女装して現れ、妻を殺そうとするが愛の神(アモーレ)に遮られる。ポッペアとアルナルタは飛び起き、「ドゥルジッラに襲われた」と勘違いしつつ、曲者を追いかける。

第3幕
 ドゥルジッラは「オットーネが私のものに!」と喜ぶ。しかし、アルナルタが「あの女こそ犯人」と叫び、ドゥルジッラを逮捕させる。彼女は、武将への愛のため罪を被ることにする。ネローネは死刑を宣告。しかし、オットーネが「自分が罪を犯した」と告白する。皇帝は二人を追放し、「皇后とも離別する。彼女を小舟に乗せて海に流せ」と命じ、ポッペアと共に「もはや邪魔は入り込まない」と喜ぶ。

 王宮ではアルナルタが「ポッペア様が皇后に。自分の地位も上がる」とはしゃぐ。一方、オッターヴィアはローマ追放を嘆く(アリア〈さらば、ローマよ〉)。ネローネとポッペアが姿を見せ、臣下の一同がポッペアにひざまずく。愛の神(アモーレ)が皇帝と新しい后に言葉を寄せ、ネローネとポッペアは喜びの二重唱〈ずっとあなたを見つめ〉を歌って幕となる。

岸 純信(オペラ研究家)

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