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ヤツェク・カスプシックのインタビュー[ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団]

弦の伝統を受け継ぐワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と、新世代を担うソリストたちの熱き共演 ポーランドを代表するオーケストラであり、創立当時から偉大な指揮者のもとで演奏を行ってきたワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団(以下ワルシャワ・フィル)は、ショパン国際ピアノ・コンクールの本選でファイナリストたちと共演することでも知られている。
現在の音楽芸術監督は世界各地のオーケストラを指揮している実力派のヤツェク・カスプシック。オペラを得意とし、ツィメルマンやアルゲリッチとの度重なる共演でも知られ、若い才能との共演にも意欲を示す。
「日本のニューイヤー・コンサートでフレッシュな才能に出会うのはとても楽しみです。ホジャイノフとリシャール=アムランはよく知っており、可能性を秘めた演奏には大いに期待しています。牛田智大、千住真理子との初共演もとても楽しみで、何か新たな発見があるのではないかと心が高揚する思いです。私はショパン・コンクールでもそうですが、新たな才能に出会うのが本当に好きなのです」

 マエストロ・カスプシックは、ワルシャワ・フィルについてはこう語る。
「ポーランドといえば、ショパンがもっとも有名でピアノ音楽が盛んな国と思われていますが、ヴィエニャフスキをはじめとする弦楽器の長い伝統があり、確固たる流派が存在します。そうした伝統を受け継いでいるのがワルシャワ・フィルの弦楽器セクションです。とても流麗で深みのある、情感豊かにうたうような響きを特徴としています」

 2018年はポーランドの独立100周年にあたるメモリアルイヤー。カスプシックはこれを記念し、今回のプログラムを決めたという。
「パデレフスキはピアニストであり作曲家であり、ポーランドの初代首相を務めた人でもあります。ですから、2018年の記念の年の幕開けとなる日本公演ではパデレフスキの《序曲》をオープニングにもってきて、ショパンのピアノ協奏曲第1番へとつなげます。さまざまなソリストによるショパンをどうサポートするか、これが私のもっとも楽しみな面です。ドヴォルザークの《新世界より》も新春にふさわしい交響曲であり、日本のみなさんにワルシャワ・フィルの響きを存分に楽しんでいただけると思います。とりわけ弦楽器の美しい音色が堪能できる作品ですし…」

 2020年のショパン・コンクールでも、カスプシック&ワルシャワ・フィルはファイナリストたちと共演する予定である。
「次回のショパン・コンクールも、日本人をはじめとする新鮮な才能がワルシャワの秋を熱くしてくれます。ツィメルマンによく“どうやって各ファイナリストの特徴を瞬時につかみ、ピタリと寄り添う演奏ができるのか”と質問されますが、それは何のコツや秘密もないのです。各自の音楽を聴き、それを最大限生かし、彼らがいかに自由に弾けるかを考える。それだけです。私の長年にわたるオペラの経験がものをいい、歌手や共演者に合わせることができるようになったのでしょう。それを日本公演でも発揮し、ソリストとオーケストラが一体となった演奏をしたいと思っています」

 新春を彩る伝統の響きと若き才能との音の融合、記憶に残るコンサートになりそうだ。

伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)
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ショパンの国ポーランドの名門オーケストラが贈る名曲の夕べ
ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団 ニューイヤー・コンサート
2018年1月15日(月) 19:00開演 サントリーホール
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