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キミン・キムのインタビューその2[マリインスキー・バレエ]

ウィーン国立バレエ団の「海賊」公演のほか、連日の取材もあったのに、疲れを見せず、爽やかな微笑みを絶やさない好青年のキミン。「ワンピース」など日本のコミックも大好きで、お寿司も大好物。「海賊」での踊りは「ドラゴンボール」のスーパーサイヤ人みたいだった、と言われて「スーパーサイヤ人大好きだよ」と笑うお茶目な一面もありました。日本での「海賊」公演の手ごたえ、そして11月~12月のマリインスキー・バレエの来日公演への意気込みを語っていただきました。
ウィーン国立バレエ「海賊」でのキミンさんのパフォーマンスは、センセーショナルで、観客の反響も日本ではなかなかみられないほど熱狂的でした。この公演を終えてのお気持ちはいかがですか。
公演の稽古期間が6日しかなかったので、その期間で新しい振付を覚えなければならないのは難しいと思っていました。幸い、ウィーン国立バレエの皆さんがゲストを歓迎してくれ、またマニュエル・ルグリと仕事をすることができたのが何よりも嬉しかったです。バレエ界のレジェンドであるルグリさんは、短い時間の間に僕が理解しやすいように教えてくださったので、心配は無用でした。ウィーン国立バレエという一流のバレエ団にゲスト出演できたこと、好きな日本で無事に踊って成功できたのは本当に嬉しいことでした。

日本のお客様が大きな拍手で迎えてくださったことについては感謝しかありません。3年前にマリインスキー・バレエの来日公演で日本の舞台に立ちましたが、その前の中国公演で怪我をしてしまい、自分が見せたいものを見せられなかったという悔いがありました。今回は万全の体調で、お客さんに喜んでもらえるパフォーマンスができたのが嬉しく思います。

ルグリ版の「海賊」はパートナーリングが難しい作品ですが、特に2幕の寝室でのパ・ド・ドゥはリフトがたくさん登場します。どうやってこのパートナーリングを美しいものに見せることができたのでしょうか。
パートナーリングで一番大事なのは、相手を邪魔しないことです(笑)。技術的な面でいえば、稽古をしっかりやればできるとルグリさんも説明してくれました。コツとしては、パートナー同士で目と目でお互いを見ることです。お互いを目で見ている時のエネルギーは、観客にも伝わります。難しいテクニックが盛り込まれているパ・ド・ドゥでももちろんお互いの目を見るのですが、ソロの場面でも、自分が跳躍をしている時でもできるだけパートナーの目を見ようと努力しています。それが、他のシーンにおいてもとても役に立つのです。今回のパートナー、マーシャ(マリア・ヤコヴレワ)もルグリの教えをしっかりと受けたダンサーで、パートナーリングも難しいとは感じませんでした。またお互いロシア語を話すのでコミュニケーションも取りやすかったです。
11月のマリインスキー・バレエの来日公演では、「ドン・キホーテ」と「白鳥の湖」に主演されますね。
「ドン・キホーテ」のバジルは愉快なキャラクターだけど、カリスマ性もあります。子供の時から好きなバレエだったのですが、ミンクスの音楽が人の心を揺さぶるものを持っていて、最初から最後まで集中できるし、踊りもそれに合わせて盛り上がることができます。「白鳥の湖」はひたすら美しく、ダンスよりも先にチャイコフスキーの音楽が素晴らしく感動を与えます。特に一幕2場の白鳥が登場するシーンは、最高の音楽であり、振付だと思っています。
母が音楽家だったので子供の時からクラシック音楽を聴いて育ち、音楽を聴きながら知らず知らずのうちに踊り始めていました。その頃から幅広い種類の音楽を聴いていましたが、今でも一番好きなのはクラシック音楽です。ブラームスもモーツァルトも好きですが、一番好きなのは、プロコフィエフとショスタコーヴィッチです。「ロミオとジュリエット」はとても大切にしている作品なので、ぜひ日本の皆さまにも僕のロミオを見せたいと思っています。

来日公演のパートナー、ヴィクトリア・テリョーシキナと、ナデージダ・バトーエワはどんな方ですか。
マリインスキー・バレエのバレリーナたちは、プリンシパルだろうとコール・ド・バレエだろうと皆親切な人ばかりです。テリョーシキナさんは、ぼくと「ドン・キホーテ」を日本で踊るのは初めてのことなので、二人ともとても楽しみにしています。彼女はバレエ団でもトップの一人で、劇場を出てもスターらしい華やかさを持っていますが優しい方ですし、リハーサルでも本番でもパートナーをとても尊重してくれます。バトーエワさんは、今シーズン初めて白鳥を踊りました。来日公演ではぼくと初めて「白鳥の湖」を踊ることになります。彼女はとても一生懸命で熱心な人で、舞台の上では大きなエネルギーを発揮しているので、今から舞台の上で共演する姿が目に浮かび、とても期待しています。
日本公演への意気込みを教えてください。
今回ウィーン国立バレエの公演ではとても満足のいくパフォーマンスができました。マリインスキー・バレエの来日公演までの6か月の間に、さらに成長できるように頑張ります。その成長した姿を日本のお客さんへプレゼントしたいと思います。ぜひ観にいらしてください。

取材・文:森 菜穂美




美しく、輝かしい感動がよみがえる・・・
マリインスキー・バレエ

11.28[水] 18:30 「ドン・キホーテ」ヴィクトリア・テリョーシキナ/キミン・キム
11.29[木] 14:00 「ドン・キホーテ」アナスタシア・マトヴィエンコ/ティムール・アスケロフ
12.5 [水] 18:30 「ドン・キホーテ」レナータ・シャキロワ/フィリップ・スチョーピン
12.2 [日] 18:00 「マリインスキーのすべて」
12.3 [月] 18:30 「マリインスキーのすべて」
12.6 [木] 18:30 「白鳥の湖」ヴィクトリア・テリョーシキナ/ウラジーミル・シクリャローフ
12.7 [金] 18:30 「白鳥の湖」エカテリーナ・コンダウーロワ/ティムール・アスケロフ
12.8 [土] 12:00 「白鳥の湖」ナデージダ・バトーエワ/キミン・キム
12.8 [土] 18:00 「白鳥の湖」オクサーナ・スコーリク/ザンダー・パリッシュ
12.9 [日] 14:00 「白鳥の湖」アナスタシア・マトヴィエンコ/ウラジーミル・シクリャローフ
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