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「白鳥の湖」初日 テリョーシキナ、シクリャローフ、ホーレワのインタビュー[マリインスキー・バレエ]

ツアーも後半にさしかかったマリインスキー・バレエの来日公演、12/6の『白鳥の湖』の東京初日では、カンパニーの看板スターであるヴィクトリア・テリョーシキナとウラディミール・シクリャローフが見事なオデット/オディールとジークフリート王子を踊り、会場から万雷の拍手喝采を浴びていました。二人とも、ハイレベルな回転とジャンプに加え、抒情的でロマンティックな演技も求められ。場面ごとに異なる表情を見せなければならない難しい役。すぐに楽屋に戻りたいシクリャローフを「じゃあ二言(!)だけ」と捕まえてのペアでのインタビューになりました。

今夜のお二人は完璧でした! シクリャローフさんは2016年からミュンヘン・バレエでもプリンシパルを務められていますが、そのことで踊りに関して新しいバランスが生まれましたか?
シクリャローフ「今日のような舞台では、マリインスキー・ダンサーとして踊るだけです。チャイコフスキーの音楽は偉大な歴史であり、ロシアの宝であり…そして何より今夜は、素晴らしいパートナーと踊りましたので、僕の役割はただひとつ。彼女の邪魔をしないように、全力でいい踊りをしてもらうということでした」

たくさんの相手役と踊られる中で、シクリャローフさんにとってテリョーシキナさんはどんな存在なのでしょう?
シクリャローフ
「とても親しい人」
テリョーシキナ「彼の『白鳥の湖』の初演のパートナーを踊りました。私の方は既に何度も白鳥を踊っていたけれど、彼はマリインスキーに入団したばかりでとても若く、今のような立派なパートナーではなかったのです。当時の私は自分のことだけを考えて踊ればいいのではなく、ずっと彼の心配をしながら踊っていました。今は技術面で心配することもなく、二人でストーリーについて物語ることが出来るようになりましたね」
シクリャローフ「彼女は僕の白鳥デビューを支えてくれたのです」
テリョーシキナ「彼は特に、日本のお客さんにとって『完璧な王子』ですよね。この役にとって理想的なものをすべて持っています。
王子役を踊るために生まれてきたダンサーだと思います」

ジャンプもとても高く、グラン・ジュテは空中に止まっているように見えました。着地もストレスがなく、シクリャローフさんは舞台でリラックスして踊れる特別なコツを知っているのではないかと思ったのですが…。
シクリャローフ
「楽なことはひとつもないんですよ!(笑)ジャンプだけでなく、すべてが大変なことばかりです。その間、僕がずっと考えていることは、今日観に来てくださったお客さんに「最高のステージを観た!」と思っていただくこと。初めて見たお客さんにも感動してほしいし…僕自身にはたくさんの『自由』はないんです」
テリョーシキナ「美しく見えるダンサーほど、外見の美だけに頼らず、つねに最高の舞台を見せる努力をしているものなのです。今日は特別な白鳥のストーリーが語れたと思います」
(シクリャローフから、もう戻らなければならないので最後の質問を、というリクエスト)

では、見事なストーリーを見せていただきましたが、王子は白鳥と黒鳥を本当に間違えたのでしょうか? それとも新しく表れた黒鳥に魅了されたのでしょうか?
シクリャローフ
「それはとても二言では語れません!(笑) 別の長いストーリーがあるんです。チャンスがあれば、後で語ります!」

テリョーシキナのオディールの見事な役作りについても聴きたかったけれどタイムアウト。悪女というより、「悪者っぽい」演技をすべて洗い流して、女神のような表情で踊っていた彼女は、ミステリアスな透明感で観客を魅了していました。テリョーシキナとシクリャローフのゴールデン・ペアは最終日の12月9日にもう一度観ることが出来ます。円熟味を増してなおフレッシュな、至福のペアです。

今回の来日ツアーで大活躍! 『ドン・キホーテ』では森の精の女王、マリインスキー・ガラでは『眠れる森の美女』のローズ・アダージョと『パキータ』のヴァリエーションを踊り「あのすごい子は誰?」と大きな話題になっているマリア・ホーレワ。『白鳥の湖』では1幕でフィリップ・スチョーピンらと王子の友人役を踊り、ワガノワ仕込みの正確で上品な演技で観客を魅惑しました。ルックスはあどけないのに、とてもしっかりとした信念をもった18歳です。

マリインスキー・バレエに参加してどれくらい経つのですか?
「去年の7月に入ったので1年と5か月ですね。今、ファースト・ソリストです」

ツアー前半のほぼすべての演目に出られていて、どの踊りも充実しています。
「私が踊っているレパートリーは、まだそれほど大きな役ではないのですが、その中でも『パキータ』の第2ヴァリエーションは大きな役に入りますね」

ファースト・ソリストだから、この先どんどん大きな役がつきそうですね。日本は初めてですか?

「3回目です。ワガノワ・バレエ学校の公演で2回ほど来ました。日本に関わることすべてが好きです。本当にエンジョイしているんですよ。お客さんが素晴らしい反応をしてくださって、客席からサポートしていただいている気分なんです。とても踊りやすいですよ」

私たちも楽しんでいます! バレエを離れて趣味などはありますか?
「デザート作りが趣味です。レモン・レーキやニンジンのタルトが得意なんですよ。自分で作って自分で食べるのですが、毎日たくさん踊るので体型には影響ありません」

ホーレワさんの作るレモン・ケーキはとてもお洒落な味がしそうです。王子の友人役では8日も出られますね。
「はい。7日がお休みで8日に出演します」

楽しみにしています。頑張ってください!


小田島久恵(音楽ライター)



美しく、輝かしい感動がよみがえる・・・
マリインスキー・バレエ

12.7 [金] 18:30 「白鳥の湖」エカテリーナ・コンダウーロワ/ティムール・アスケロフ
12.8 [土] 12:00 「白鳥の湖」ナデージダ・バトーエワ/キミン・キム
12.8 [土] 18:00 「白鳥の湖」エカテリーナ・オスモールキナ/ザンダー・パリッシュ
12.9 [日] 14:00 「白鳥の湖」ヴィクトリア・テリョーシキナ/ウラジーミル・シクリャローフ
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