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伊藤悠貴~本邦初 オール・ラフマニノフ・プログラムによるチェロ・リサイタルに寄せて~

「第17回 齋藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞し、3月にリサイタルを開催する伊藤悠貴よりコメントが届きました。ぜひご覧下さい!この度2019年3月29日(金)に東京・紀尾井ホールにて、オール・ラフマニノフ・プログラムによるチェロ・リサイタルを開催させていただく運びとなり、光栄に思います。
本公演は、28歳の昨夏、憧れの地・ロンドンの殿堂ウィグモア・ホールにて史上初の開催となったオール・ラフマニノフ・プログラムによるチェロ・リサイタルの日本公演であり、本邦初の企画ということも重なり喜びも一入です。

私にとってセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)は音楽家を目指すきっかけになった存在であり、最も大切にしている作曲家です。これまで多くの楽曲を研究・演奏してまいりましたが、大作「チェロ・ソナタ」に至っては私が「生まれ変わったらこの曲になりたい」と公言しているほど思い入れの強い作品です。
ラフマニノフは、生涯で書き上げた作品のうち一番気に入っている曲を訊かれると、必ず「合唱交響曲『鐘』作品35」と「徹夜祷 作品37(無伴奏合唱曲)」と答えていましたが、研究を重ねれば重ねるほど、彼が一番大切にしていたものは「歌」なのだと確信します。

今回のリサイタルでは、ラフマニノフの「歌」を最大のテーマとして臨むとともに、作風の変遷をお楽しみいただきながら、彼のあまり知られていない一面も知っていただく機会となることを願い、彼が1917年12月にロシアを離れるまでの期間の中での初期・中期・後期からそれぞれ作品を取り上げます。
セミョノヴォやオネグの地、正教会の鐘… ラフマニノフ音楽の基礎となる「歌」からは、まるで彼が愛した風景や音が思い浮かんでくるようです。
そんな作曲家だからこそ、管弦楽やオペラ作品はもちろん、ピアノ作品、室内楽作品も「歌」に満ち溢れたロマンティックな作風となったのでしょう。

ウィグモア・ホール公演が終演してすぐに、「日本の皆さまにもこのステージをお届けしたい」と思ったことを覚えていますが、こんなにも早く実現することになり、お力添えをいただいたたくさんの方々に心からの感謝を申し上げたいと思います。
決して「最後のロマン派」ではなく、常に時代の先端を歩み続けた作曲家ラフマニノフ。
平成30年度は私にとってラフマニノフに始まり、ラフマニノフに終わる年となりそうです。

2019年2月5日には小澤征爾、堤剛両先生が永久選考委員を務めておられる「第17回齋藤秀雄メモリアル基金賞」を受賞させていただき、ますます本公演に向けて身の引き締まる思いです。

皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

伊藤悠貴

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The Romantic ~ラフマニノフに寄り添う甘い一夜~
伊藤悠貴 チェロ・リサイタル
2019年3月29日(金)19:00 紀尾井ホール
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