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チャイコフスキー国際コンクール 現地レポート Vol.2

6月17日(月)から6月29日(土)までロシアで開催中の「第16回チャイコフスキー国際コンクール」の現地レポートをお届けします!Vol.2はピアノ部門に出場の藤田真央の第1次予選について。ぜひご覧下さい!チャイコフスキー国際コンクールピアノ部門の、第1次予選が行われています。
今回のコンテスタントは25人中23人が男性。しかもロシア人やロシアで勉強している人が多いため、パワフルな重量級サウンドを鳴らすピアニストが次々登場します。あぁ、これこそがチャイコフスキー・コンクールなのだと感じる演奏を、一日中聴くことになります。

第1次予選2日目、この日もトップバッターからロシア系のピアニストが続く中、夜の部最後の奏者として、日本の藤田真央さんが登場しました。
ここモスクワの聴衆には、地元ロシアのコンテスタントを熱心に応援している様子が見受けられます。そんな中、藤田さんがにこやかにステージに登場したときの客席は、「ふーん、次は若い日本人か」という雰囲気でした。ロシア人の人気ピアニストが出てきたときと比べて、拍手の量も少ないのではないかと感じたほどです。

しかし、ここから想像を超えた展開となります。
藤田さんがバッハの最初のフレーズを弾いた瞬間、聴衆の耳がすっと引き寄せられていくのがわかります。「あれ?この日本人、ずいぶん楽しそうにバッハを弾いているな、しかも音が生き生きしているぞ」という心の声が聞こえてくるようです(想像ですが)。
1曲目からブラボーの声がかかり、続くモーツァルトのピアノ・ソナタK330へ。これで決定的に、ほとんどの聴衆が虜になっていたと思います。キラキラとしたみずみずしい音で奏でられるモーツァルトで、今日1日の疲れが吹き飛んでいくようです。
このあとも真央ワールド全開。チャイコフスキーのドゥムカ、ショパンのエチュードOp.25-11、ラフマニノフの絵画的練習曲Op.39-5。そしてフィナーレとなったリストの超絶技巧練習曲第10番。巧みに音の質感と色を変えながら、伸びやかに超絶技巧作品を弾ききる様子に圧倒されて、聴衆は大盛り上がりのスタンディングオベーション、最多となる4回ものカーテンコールがありました。
「特別な関心はありません」という様な状態からスタートした客席のあの変貌ぶりは、正直、これまで体験したことがないほどでした。こちらは、終演後の藤田さんです。明朝からの再びの練習を前に、つかの間リラックスした表情。
夜遅い演奏順だったので、待ち時間を持て余してしまい、舞台に出るまでは緊張したようです。バッハは緊張を抱えたまま弾いたものの、モーツァルトあたりからはものすごく楽しんでいた模様。あのステージで、あの客席の雰囲気を感じられただけでも十分だと、とても嬉しそうでした。実際、藤田真央さんの今夜の演奏はモスクワの聴衆と審査員の記憶にずっと残るのではないかと思います。

6月20日の第1次予選最終日、すべての演奏が終了した後、深夜0時(日本時間21日午前6時)には2次予選に進むコンテスタントが発表される予定です。

高坂はる香(音楽ライター)
Twitter:https://twitter.com/classic_indobu
ピアノの惑星:http://www.piano-planet.com/

Vol.3もお楽しみに…

モスクワからの現地レポートVol.1~Vol.6はこちらから
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第16回チャイコフスキー国際コンクール 出場者リスト(英語サイト)
https://tchaikovskycompetition.com/en/contestants.bak1/

音楽ジャーナリスト、浅松啓介さんによるサンクトペテルブルグからの現地レポートはこちらから
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