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チャイコフスキー国際コンクール 現地レポート/サンクトペテルブルグ Vol.2

現在、ロシアで開催中の「第16回チャイコフスキー国際コンクール」。チェロ部門ファイナルの様子をサンクトペテルブルグから、お届けしています!Vol.2は6月26日に行われた第2日目です。ぜひご覧下さい!(サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー 大ホール)

昨日に続きチャイコフスキー・コンクール・チェロ部門、ファイナルの第2夜がサンクトペテルブルグ・フィルハーモニー大ホールで行われた。

今日の1人目はコロンビア出身、サンチアゴ・カニオン=ヴァレンシア。
音にセピア色を感じる美しさがある。その特色ある音色が課題曲であるチャイコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」に、ほんのりと独自の色を与える。
アップテンポの箇所など丁寧でいて、スピード感のある見事な演奏だ。
自由曲のショスタコーヴィチの「協奏曲第1番」は、ロシア人も驚く音楽性を披露した。特にショスタコーヴィチに対するロシア人のもつ「冷たさ」や「空虚感」といったイメージに共鳴する演奏をすることは、ソ連時代や戦争を経験していない外国人にとって難しいことである。その意味でロシア人の琴線に触れる演奏になったことは、本当に驚くべきことだ。それが顕著に現れたのはカデンツァだった。
聴衆が彼のショスタコーヴィッチを受け入れた瞬間はとても感動的だった。数度のカーテンコールに呼ばれたことが、その成功を物語っているだろう。(サンチアゴ・カニオン=ヴァレンシア)

今日の休憩時間は若干長く45分ほど。休憩中に舞台裏からゲルギエフが現れ、ホールの中を通り審査員控え室へ。内容はもちろんわからないが審査員らと歓談していたようだ。

2人目はロシア出身、アナスタシア・コベキナ。
こどもに物語を語って聞かせるかのような音楽づくりが特徴だ。音楽の中にあるいくつもの散りばめられた色々なキャラクターを、絵本を読んで聞かせるかのように演じ分ける。全体に柔らかく優しさを感じるのは、きっと人柄が出てのことだろう。「ロココ」がこうした印象をさらにかきたて、ファンタジックなチャイコフスキー・サウンドを聞かせた。
自由曲エルガーの協奏曲も、様々なキャラクターが色彩豊かに優しさの中で弾き分けられ、その世界観が聴衆を魅了した。木管群が1小節早く出てしまうミスがあったが、それも物ともせず崩れずに弾ききった。同様に多くのブラボーを得ていたのが印象的だった。

浅松啓介(音楽ジャーナリスト)

Vol.3もお楽しみに…

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第16回チャイコフスキー国際コンクール 出場者リスト(英語サイト)
https://tchaikovskycompetition.com/en/contestants.bak1/

音楽ライター、高坂はる香さんによるモスクワからの現地レポートはこちらから
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感動再び!輝く新星たちの響演!!
第16回チャイコフスキー国際コンクール 優勝者ガラ・コンサート
2019年10月8日(火)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
公演詳細はこちらから
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巨匠ゲルギエフ&ロシア芸術の殿堂 マリインスキー歌劇場が総力を結集して贈る
マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019
マリインスキー歌劇場 チャイコフスキー・フェスティヴァル2019 特設サイトはこちらから