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『アンナ・カレーニナ』出演ダンサー インタビュー

『アンナ・カレーニナ』東京公演に先立ち、出演者インタビューを行いました。
ダリア・レズニク(アンナ役)、イーゴリ・スボーチン(ヴロンスキー役)、セルゲイ・ヴォロブーエフ(カレーニン役)に、作品への思いや役作り、エイフマン作品を踊る難しさなど、大変興味深いお話を伺いました。

■ ダリア・レズニク/アンナまずは先立つびわ湖ホールでの『アンナ・カレーニナ』公演の成功おめでとうございます。
ありがとうございます。最初は客席が静かで手ごたえがわからなかったのですが、最後の拍手喝采をいただいてうまくいったのだと思いました。とてもうれしかったです。

『アンナ・カレーニナ』というバレエはダリアさんにとってどんな作品ですか?
エイフマン・バレエに入団して最初に頂いた役でした。身体的にも、精神的にもとても難しい作品です。特に感情面が、アンナの人生や悲劇を、自分を通して経験することが難しいです。世界中が知っている偉大な作品でもありますよね。あらゆる人にとって重要な意味を持つバレエだと思います。

アンナは美しく高貴で知的な女性。何もかも持っていたはずなのに、なぜ彼女のヴロンスキーへの愛が、悲劇を生むほどの破壊力を持ってしまったのでしょうか。
まさにアンナが持っていなかったものこそが、愛、熱情でした。結婚して子供もいたけれど、愛を知らなかった。ヴロンスキーと出会って愛を知り、家族も息子も、周囲の目も、周りの意見も忘れてしまったのです。彼女を破滅させたのは女性の熱情です。子供と熱情を両天秤にかけて選ぶことができなかった。だからこそ彼女は悲劇的な末路をたどります。
そんなアンナの熱情をどう演じられるか楽しみにしています。エイフマン作品は技術的にも心理的にも踊るのがとても難しいと思います。どのように役に入り込んでいますか?
舞台上で流れる音楽が、大きな助けになっています。音楽を通じて役に入っていくことができます。もちろん、身体を折り曲げるようなエイフマンさんの振付も。これは心、感情も壊れていきます。身体の折れ曲がりを通して、主人公アンナの感情を表現できます。

エイフマン作品を踊る難しさとは?
技術的にも、難しいデュエットなどがありますが、ダンサーであると同時に俳優でいなければならない点です。エイフマン作品では、常に感情の高揚や爆発があります。最後に日本の観客の皆さんに一言を願いします。
『アンナ・カレーニナ』の振付だけでなく、アンナの運命や物語を見てみてください。アンナの内面がどう爆発するのか。原作のあらすじを追うのではなく、一人の女性であるアンナを見てください。

ありがとうございました。東京公演のご成功をお祈りしています。


■ イーゴリ・スボーチン/ヴロンスキー大津公演のご成功おめでとうございます。東京観光はされましたか?
ありがとうございます。渋谷のハチ公などを見てきました。でもずっと雨で・・・まるで雨と一緒にツアーをしているみたいです(笑)。

日本公演からどんな印象を受けましたか?
来日は二回目ですが、日本のお客様は、静かですよね。自制されているというか、礼儀正しさを感じます。それが最後に割れんばかりの拍手で、とても嬉しいです。あたたかく迎え入れてくれることにいつも感謝しています。

イーゴリさんにとってエイフマン・バレエの『アンナ・カレーニナ』はどんな作品ですか?
バレエ作品でありながら、同時にドラマでもあります。三角関係を演じるのは面白いです。毎回、イーゴリ・スボーチンとしてではなく、アレクセイ・ヴロンスキーとして彼の人生をステージ上で生きるようにしています。毎回異なる、新しい作品を生きています。毎回新たな感覚、満足を得ています。ドラマ的に何かより多くを達成できたりします。技術的なことではなく、感情をいかに伝えるかを大切にしています。技術面よりも、やはり感情表現の追求が難しいのでしょうか?
例えばジャンプを成功させるとか、そういうことを克服するのはできます。でも感情面は、ドラマティックに演じることはとても難しいです。完璧にできるようになったとはもちろん言えませんが・・・。マイヤ・プリセツカヤが出演する映画や、アメリカ映画、トルストイの原作を読んで研究しました。もちろんそれぞれ手が加わっていますが、それぞれを比べ、エイフマンさんがさらにどのような見方をしているのか考えました。

そして自分なりの解釈をやはりされている?
もちろんです。エイフマンさんの解釈に加えて、いつも何か自分のオリジナルなものを追求しています。いつもこのような相互的なプロセスがあります。

カレーニン役も踊られたということですが、ヴロンスキー役とカレーニン役はどう違いますか?
カレーニンを踊ったのは一回だけで、今のところはヴロンスキーをメインに演じています。ヴロンスキーは愛人というポジションですが、カレーニンはさらに抑制され、同時に高圧的な役柄です。政府でも高い地位にいますし、妻の裏切りに耐えるのは辛いことです。アンナがカレーニンの元を去ったとき、苦悩のモノローグがあります。テクニック的には上手く踊れても、観客が信じるような感情を出し切るのはとても難しいです。どのように役になりきりますか?
ここのところは、本番前は感情を抑制して準備しています。半日くらいは静かにあまり人とも話さないようにしています。反対に、にこにことおしゃべりして楽しくしていたい気分の時もあります。メイクをした自分を鏡越しに見ることも役に立ちます。

ありがとうございます。本番のご成功をお祈りします。


■ セルゲイ・ヴォロブーエフ/カレーニン今回カレーニン役を日本で演じられるのは二回目だそうですね。
はい。新国立劇場でも踊りました。

東京観光はされましたか?
観光らしい観光は…皇居も行ってみましたが閉まっていて守衛さんを見てきました。銀座を散歩して、豊洲も行きましたが閉まっていました。

バレエ『アンナ・カレーニナ』はどのような作品ですか?
一番良い質問です!これはエイフマン・バレエの代名詞であり、他にも素晴らしい作品はありますが、やはり一番と言っていいでしょう。

テクニックももちろんですが、俳優としても高い要求がされると思います。どのような役作りをされていますか?
ドラマトゥルギーを伝えるのはとても難しいです。みんな最大限その役に没頭します。本を読んで、映画を見て…もちろん私の話ではありませんが…

ご自身ではどうされていますか?
私はエイフマンさんを全面的に信頼していますし、彼が何を求めているかわかるのです。それにこたえるだけです。
カレーニンはどんな役ですか?
ヴロンスキーも踊りましたが、カレーニンは私にとってより身近な役です。私自身家庭的なのです。子供も4人います。気持ちの面で、より近いと言えます。ヴロンスキーは表面的な人間で、欲望に忠実なところがあります。カレーニンは家庭的で、厳しい人生を送る人物です。

原作よりもバレエのカレーニンの方が、より苦悩し同情を誘う役柄になっていますよね。
観客の共感を得られれば良いなと思いますよ。何でこんな素晴らしい夫からアンナが去ったのかと、よく驚かれます。それでいて、カレーニンがより感情を抑え、家族関係でも節度ある人物だということを伝えられるようにしています。やはり政治的な人ですし、社会的に控えめな人です。アンナはまさにこの日々の変わらない生活にうんざりして、より激しい感情を追い求めてしまうのです。エイフマン作品では、クラシックにはない複雑でアクロバティックな踊りがたくさんありますね。 皆さんロシア・バレエの基礎をお持ちですが、踊るのは大変だと思います。
はい、エイフマンさんはいつもバレエでお決まりの動きを避け、新たな形、新たなラインを模索しています。危険もありますが、いつも限界を超えないように気を付けています。リハーサルに大きな時間を割き、たくさん練習を積み重ねます。こういった要素はとても効果的です。でももちろん、基礎はロシア・バレエです。世界中のバレエ学校からダンサーを集めていたら、きっと実現できないでしょう。

興味深いお話をありがとうございます。東京公演のご成功をお祈りします。
アリガト!

取材・文:梶 彩子

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ロダン ~魂を捧げた幻想」と「アンナ・カレーニナ」の使用楽曲のプレイリストを公開中!
エイフマン・バレエ 使用楽曲プレイリストはこちらから



21年ぶり待望の来日!世界に衝撃をあたえ続ける
エイフマン・バレエ 日本公演 2019

7.20 [土] 17:00 「アンナ・カレーニナ」
7.21 [日] 14:00 「アンナ・カレーニナ」
会場:東京文化会館
(問)ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212

エイフマン・バレエ 日本公演2019 特設サイトはこちらから