寺田悦子&渡邉規久雄 デュオ・ピアノ・コンサート四手連弾の宇宙Ⅲ 《シューベルト 奇跡の1828年》
- ピアノ
- 日時
- 2023年6月25日(日) 14:00
- 開場 / 終演予定
- 13:15 / 16:00
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チケット詳細Ticket Information
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曲目・演目Program
- ロンド イ長調 D951
- アレグロ「人生の嵐」 D947
- 幻想曲 へ短調 D940
- 弦楽五重奏曲 ハ長調 D956 〔 ヒューゴ・ウルリッヒによるピアノ連弾版 〕
- シューベルト:軍隊行進曲 D733 第2番 ト長調 Op. 51-2
- シューベルト:軍隊行進曲 D733 第1番 ニ長調 Op. 51-1
公演によせてMessage
シューベルト最晩年の傑作群に迫る
コンサートのサブタイトル「奇跡の1828年」とは、シューベルトの死の年のこと。彼はこの年11月19日に、31歳の生涯を閉じた。死を見据えたこの1年間に彼が成し遂げた仕事こそ、まさに“奇跡”と言えよう。ピアノ曲だけでも最後のソナタ3曲や今回のプログラムにある連弾の数々、長大な弦楽五重奏曲、その他交響曲、歌曲、宗教曲など多数。自身「作曲をするために生まれてきた」と語っているように、彼は純粋に音楽のためだけに生きた作曲家だった。
寺田・渡邉デュオは語る。「私たちが30数年前に連弾を始めた時、最初に弾いたのがシューベルトの《幻想曲》でした。連弾のオリジナル作品は当時需要が高かったこともあって、シューベルトも沢山書いています。その中でも《幻想曲》は全ての連弾曲の中で最も崇高な楽想と劇的効果を持った作品で、最初からすっかり魅せられました。ほとんど間を置かずに書かれた《ロンド》や《アレグロ》もこれに劣らず、叙情性と優れた構成力を持った傑作です。更にこの年の夏に書かれた大作《弦楽五重奏曲ハ長調》は編成がヴァイオリン2,ヴィオラ1,チェロ2と珍しいせいかあまり演奏されませんが、今回4手ピアノで再現することで是非知っていただきたい名曲の一つです。この連弾編曲版は録音を探しても無い、他のデュオが弾いているのを聴いたこともない、もしかしたら“日本初演”になるかもしれません。このように最後の年の作品をまとめて弾いてみると、死と生、諦めと希望、夢と現実等シューベルトの揺れ動く心境が、目まぐるしい転調と共に私たちの胸に迫ってきて、特別な感慨と緊張感を覚えます」
お二人にとってシューベルトは最も共感できる作曲家、共通の感性と言葉を持った作曲家で、それ故「連弾の宇宙」シリーズの“核”ともしてきた。シューベルト最晩年の傑作を集めた本コンサートで、お二人はシューベルトの深遠の音楽宇宙を描き尽くしてくれるだろう。
音楽作家 ひのまどか
透明感のある音色と豊かな情感で聴衆を魅了し続ける寺田悦子と、シベリウスをライフワークとして演奏活動の中心に据える渡邉規久雄。ソリストとして活躍する二人によるデュオは、2台ピアノや連弾のオリジナル作品、いろいろなスタイルからの編曲作品、そして2022年11月に藤岡幸夫指揮東京シティ・フィル定期演奏会でヴォーン・ウィリアムズを演奏した2台ピアノのための協奏曲まで、カラフルでエキサイティングな世界の醍醐味を余さず伝えます。《四手連弾の宇宙》シリーズではこれまでベートーヴェン、メンデルスゾーン、シューマンの代表的な作品を取り上げ、今回のシューベルトの後にも、モーツァルトやブラームスなどの作品を演奏予定です。
プロフィールProfile
寺田悦子 Etsuko Terada (ピアノ, Piano)
16歳でウィーンに留学。在学中に東京でオールショパン・プログラムでデビュー・リサイタルを開いた寺田悦子は、ウィーン音楽大学を最優秀賞で卒業後に渡米。ジュリアード音楽院大学院、インディアナ大学等で研鑽中の1977年、ルービンシュタイン自身が審査した第2回ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクール第3位受賞で注目を集め、翌1978年第6回リーズ国際ピアノ・コンクール入賞、日本ショパン協会賞、飛騨古川音楽賞などを受賞。東京・名古屋・大阪など国内各地でのリサイタルやN響をはじめとする日本の主要オーケストラとの共演はもちろん、「プラハの春」などの国際音楽祭出演、イスラエル・フィル、ヘルシンキ・フィル、ドレスデン・フィル、北BBC響等数多くの海外オーケストラとの共演、英国、ドイツ、フィンランド、ロシア、ラトヴィア、アメリカ、メキシコ、パナマ、ペルーでのソロ・リサイタル、ニューヨークのカーネギーホールでの演奏等、国際的に活躍してきました。日本音楽コンクール、東京音楽コンクール、全日本学生音楽コンクール全国大会、ピティナ全国大会等数多くのコンクール審査員、ドイツやオーストリアで演奏とマスタークラスを行うなど後進の指導にも積極的です。CDにショパン作品集「ノアンⅠ」「ノアンⅡ」、渡邉規久雄とのデュオ・ピアノ「春の祭典&ラフマニノフ」(レコード芸術特選盤)など。
渡邉規久雄 Kikuo Watanabe (ピアノ, Piano)
北欧、特にフィンランド音楽に造詣が深く、中でもシベリウスを生涯のライフワークとして演奏活動の中心に据えている渡邉規久雄。2003年から2019年まで5回にわたったシベリウスのピアノ音楽全曲シリーズがすべてCD化され、シベリウス生誕150年記念の2015年にはNHK-BSプレミアムのクラシック倶楽部『シベリウスの室内楽の世界』に出演、東京と大阪で行ったオール・シベリウス・プログラムでのリサイタルはNHK-FMで放送されるなど、シベリウス・ピアノ音楽の第一人者として活躍してきた長年の功績は、2015年12月にフィンランド・シベリウス協会から歴史と伝統ある《シベリウスメダル》が授与されるという栄誉に結実しました。1974年インディアナ大学を成績優秀賞で卒業、1976年同大学院を修了。1976年7月のデビュー・リサイタル以降、ショパンのポロネーズ全曲、シューベルトの最後の3曲のソナタなどによるリサイタル、ラトヴィアの首都リガやヘルシンキ、東京、大阪、名古屋等での寺田悦子とのデュオ・リサイタル、国内はもとよりサンクトペテルブルグ、モスクワ、ハバロフスクなどでのオーケストラとの共演など精力的に演奏活動を行っています。CDに「シベリウスのヴァイオリン作品集Ⅰ・Ⅱ(ヴァイオリン:佐藤まどか)」など。武蔵野音楽大学ピアノ科特任教授、大阪ザ・フェニックスホール音楽アドヴァイザー。
主催・協賛
- 主催
- ジャパン・アーツ
- 後援
- 国際ピアノデュオ協会、公益財団法人 日本ピアノ教育連盟、日本ショパン協会、公益財団法人 日本フィルハーモニー交響楽団