「蝶々夫人」を歌う~プッチーニ没後100年によせる
愛と平和への祈りをこめて Vol.14

森麻季 ソプラノ・リサイタル

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【インタビュー】森麻季 バーミンガムでの《蝶々夫人》について語る

文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業対象公演

文化庁 劇場・音楽堂等における子供舞台芸術鑑賞体験支援事業対象公演

(対象:公演当日、小学校1年生~18歳以下。)
こちらでご案内する公演は、子供たちが劇場・音楽堂等において本格的な実演芸術を鑑賞・体験等する機会を提供する取組を文化庁支援のもとで行われるものです。子供無料招待席を設け、広く募集いたします。また、保護者等同伴者のチケット代は一般価格の半額になります。
この貴重な機会に、ひとりでも多くの子供たちが本物の舞台にふれて、舞台芸術のすばらしさをご実感いただければ幸いです。

森麻季 ソプラノ・リサイタル
2024年9月16日(月・祝) 14:00開演 東京オペラシティ コンサートホール
応募期間:2024年7月1日(月)11:00~2024年7月31日(水)18:00
抽選結果:2024年8月5日(月)配信予定
・公演当日小学校1年生以上18歳以下、無料
・保護者等同伴者、S席一般価格の半額(S席6,000円⇒3,000円)
・席種はS席のみです。お座席は選択いただけません。
応募受付を締切ました。

チケット詳細Ticket Information

チケット発売情報

  1. ① 4月20日(土) 10:00a.m.~発売 ジャパン・アーツぴあオンラインチケット WEB
  2. ② 4月27日(土) 10:00a.m.~発売 一般 

    TELWEB
  3. ③ 8月15日(木) 10:00a.m.~発売 学生 

    TELWEB
  • WEBインターネットで購入可
  • TELジャパン・アーツぴあコールセンター 0570-00-1212

※先行発売などで満席になった席種は、以降販売されない場合がございます。

チケット残席状況

残席あり / × 売り切れ

特別割引
  • ◎シニア・チケット=65歳以上の方はシニア料金でお求めいただけます。
     S席¥5,400 A席¥4,500
  • ◎車椅子の方は、本人と付き添いの方1名までが割引になります。(ジャパン・アーツぴあコールセンターでのみ受付)
その他プレイガイド
チケット購入にあたっての注意事項

こちらからご一読ください

曲目・演目Program

  • 山田耕筰:この道 
  • 團伊玖磨(生誕100年):ひぐらし
               舟唄(片恋)
  • 山田耕筰:からたちの花
  • フォーレ(没後100年):ノクターン第4番 変ホ長調 作品36(ピアノ・ソロ)
              「レクイエム」より “ピエ・イエズ”
              祈り
              夢のあとに
              リディア
  • ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ(ピアノ・ソロ)
  • プーランク(生誕125年):愛の小径
  • ミヨー(没後50年):ロンサール「4つの歌」より “神様が護ってくださいますように”
* * *
  • プッチーニ(没後100年):『蝶々婦人』ハイライト
    “海にも陸にも春風はそよぎ”
    “昨日私は1人きりで”
    “あの方は大きな心で〜ある晴れた日に”
    “それではこの子は?〜お前の母さんがお前を胸に抱いて”
    “見ててごらん、可愛い坊や〜白い旗の軍艦が〜あの桜の枝を揺すって”
    《蝶々夫人》より(ホジャイノフ編曲): ハミングコーラス (ピアノ・ソロ)
    ”誇りをもって生を全うできぬ者は誇りをもって死ぬ”
  • プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」よりムゼッタのワルツ「私が街を歩けば」
  • 菅野よう子:花は咲く

公演によせてMessage

弛まぬ努力で獲得された人を元気にする美しい平和の歌声

 森麻季の歌は人を元気にする。戦争に、震災に、残念なことも多い世の中、森の歌からは元気をもらえる。そして、歌声を浴びながら平和の尊さを知らされる。なぜだろうか。それは彼女の歌が平和そのものだからだと思う。
 平和を体現する歌。それは平和を築くのと同じくらい、つくり上げるのが大変だ。アーウィン・シュロット、ジョイス・ディドナートに次ぐ成績でプラシド・ドミンゴ主宰のオペラリアに入賞し、1998年には日本人ではじめてワシントン・ナショナル・オペラに出演した森。そこでは《リゴレット》のジルダを、アンナ・ネトレプコとダブルキャストで歌ってもいる。
 しかし、この順調な船出は、彼女のキャリアの一端にすぎない。森麻季がいまあるのは、その後の弛みない努力と前進があったからである。
 駆け出しのころから、美しくやわらかい声はもちろん、曲を造形する力や正確な音程は群を抜いていた。そしていまも、とびきりの叙情性が求められる役や、至難の技巧を凝らすべき役を、みずみずしさを失わない声を自在に操舵し、飛翔させながら、鮮やかに歌う。最近歌った《ジュリオ・チェーザレ》のクレオパトラや《魔笛》のパミーナはその一例だ。
 こうしてデビュー時とあまり変わらないレパートリーを、活き活きと歌う力を維持できるのは、並大抵のことではない。
 だが、いまの森の歌は以前よりずっと、心の深いところに届く。歌の力が聴き手の心の奥底に直接呼応する。だから魂を揺さぶられる。そうした歌の力が、声を保ちながらさらに技術を高める不断の努力に支えられていることは、いうまでもない。
 森麻季は最近、《蝶々夫人》のタイトルロールもレパートリーにした。彼女の声には劇的にすぎる、と思う向きもあろうが、じつは蝶々さんは、一般に思われているよりもずっと繊細に歌われるべき役だ。森にはそのことを読みとる力と、自分の声に引き寄せて歌う力が兼ね備わっていた。だから、無理のない歌唱で聴き手の涙を誘う。
 こうしたすべては、妥協なく真摯に芸術と向き合ってきた賜物である。言うは易く行うは難い点は、平和を守ること同様だが、森麻季はそれをやってのけている。だから、その歌を聴くと元気になれる。山田耕筰の「この道」も、没後100年を迎えたプッチーニのいくつかのアリアも、やはり没後100年のフォーレも、同50年のミヨーも、平和への架け橋のように聴こえるに違いない。

香原斗志(オペラ評論家)

プロフィールProfile

森 麻季 Maki Mori (ソプラノ, Soprano)

東京藝術大学、同大学院独唱専攻、文化庁オペラ研修所修了。ミラノとミュンヘンに留学し、P.ドミンゴ世界オペラコンクールはじめ、多数の国内外のコンクールに上位入賞。ワシントン・ナショナル・オペラ《 後宮からの逃走》でアメリカ・デビュー。その後、ルイージ指揮ドレスデン国立歌劇場《ばらの騎士》、ノセダ指揮トリノ王立歌劇場《ラ・ボエーム》に出演し、国際的な評価を得る。2015年兵庫県立芸術文化センターオペラ《椿姫》は連日スタンディング・オベーションとなる。鈴木優人指揮、バッハ・コレギウム・ジャパンと共演した歌劇《ポッペアの戴冠》(2017)、歌劇《リナルド》(2020)、歌劇《ジュリオ・チェーザレ》(2023)、歌劇《魔笛》(2024)は各紙で絶賛された。2022年《椿姫》Bunkamuraシアター・オペラ・コンチェルタンテでヴィオレッタを熱演し喝采を浴びる。2023年BBCプロムスにデビュー。コンサートではアシュケナージ、小澤征爾等の著名指揮者や国内外の主要オーケストラと共演し成功を収める。今年は、イギリス・バーミンガムにて歌劇《蝶々夫人》のタイトルロールを予定。安宅賞、ワシントン・アワード、五島記念文化賞、出光音楽賞、ホテルオークラ賞受賞。国立音楽大学客員教授、東京音楽大学特任教授。

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山岸 茂人 Shigeto Yamagishi (ピアノ, Piano)

東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学大学院(音楽学専攻)修了。在学中に安宅賞受賞。古典から近代にわたるイタリア歌曲を嶺貞子氏に、ドイツ歌曲を佐々木成子、ライナー・ホフマン各氏より学ぶ。ピアノを川口恒子、渡辺健二、高出紘子の諸氏に、また、音楽学を船山隆、本田脩の各氏に師事。声楽の伴奏者としては演奏家から常に深く信頼され、これまで著名な歌手と数多く共演を重ねる。現在、東京藝術大学声楽科伴奏助手、二期会イタリア歌曲研究会ピアニスト。

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主催・協賛

主催
ジャパン・アーツ

文化庁文化庁 劇場・音楽堂等の子供鑑賞体験支援事業

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