チケット詳細Ticket Information

チケット発売情報

  1. ① 9月21日(土) 10:00a.m.~発売 ジャパン・アーツぴあオンラインチケット WEB
  2. ② 9月28日(土) 10:00a.m.~発売 一般 TELWEB
  • WEBインターネットで購入可
  • TELジャパン・アーツぴあコールセンター 0570-00-1212

※先行発売などで満席になった席種は、以降販売されない場合がございます。

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曲目・演目Program

  • フランツ・シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(ソナチネ) 第2番 イ短調 D 385 Op.137-2
  • レオシュ・ヤナーチェク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
  • アルベルト・ヒナステラ:パンペアーナ 第1番 Op.16
  • エドヴァルド・グリーグ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第3番 ハ短調 Op.45
  • グリーグ(アンドリュー・ムーア編):農夫の歌

公演によせてMessage

孤独で切ないシューベルトのイ短調ソナタは、限りなく優美で神秘的。
繰り返し挑戦してもつかめないが、どうしようもなく惹き付けられ何度も弾きたくなる。今回もプログラムに入れた。

ヤナーチェクの物語的で特異な世界は、他のどの作曲家にも似ていないところがとてつもなく魅力的。しかしシューベルトとヤナーチェク2つの曲の世界観は親密であると感じる。

ヴィルトゥオーゾ曲で一番好きなヒナステラのパンペアーナは、ラヴェルのツィガーヌに似た形式で、アルゼンチンの草原に住むガウチョの激しいエスプリ、厳しい生活を表現していて心を揺さぶられる曲。父が土産にくれた楽譜で、シカゴに留学中のリサイタルで初めて弾いた。

グリーグはノルウェーの自然が生んだドラマティックな世界。美しい満天の星空や、小さな小川が突如として山の頂上から降り注ぐ滝になる壮大な景色。森の中でトロールたちが戯れていて、不可思議な世界へ誘われるような妖しい感覚。10代の頃、父がJan Söderblom (ヴァイオリン) とソナタ3番のCD録音をし、私は譜めくりを担当した。グリーグの世界を豊かに浴び、すっかり魅了された。

ピアニストの有吉亮治さんは音に凄く魅力を感じ、呼吸感、和声感が優れておられ、言葉よりも音楽で通じ合える素晴らしい芸術家。彼の存在はこのリサイタルの開催を決断するひとつのキッカケだった。

50歳になる節目に今までの集大成と、新しい一歩となるような演奏をお贈りできれば幸いです。

ヤンネ舘野

エッセイessay

 昨夏ヘルシンキの実家で、1975年の音楽の友Music Calenderを見つけた。1月私が生まれた日に、私の誕生の事が記されていて、一瞬で50年前の情景が目の前に現れた。生れる前から音楽の中で生きてきた。ジャンルを問わず音楽は好きだ。そして寄り道や回り道の末に音楽家の道を選んだ。素晴らしい先生方、大切な仲間、温かいサポーター、貴重なチャンス、面白い音楽それぞれとの出逢いが、今の私を作っている。感謝の言葉は尽きない。
 数年前から50歳の時にリサイタルをしようと考え、プログラムも少しずつ考えていた。私は何事も決定することに時間がかかるが、今回のプログラムはスムーズに決まった。やりたい気持ちが溢れていたように感じる。
 シューベルトは、病や貧困のため大変な人生を送った孤独な人。あちらの世界を見たような、天国と地獄のどちらも知っているような、独特の世界を持っている。優美で神秘的なこのソナタは、難曲だが何度も挑戦したくなる。有吉亮治さんのシューベルトのCDを聴いて、いつか一緒に演奏できることを願っていた。
 ヤナーチェクはどの作曲家にも似ていないところ、そして、ヨーロッパとアジアのどちらにも通じるところが特徴のひとつ。ドラマティックだけれど、切ないシューベルトのソナタと、激しさはあるけれど、内向的で親密なヤナーチェクのソナタ。2つの世界観は似ていてとても魅力的。人の内面を語るような2曲を並べて弾くことにした。
 ヒナステラのパンペアーナ第1番は、シカゴ留学時に父からの土産で楽譜を入手、学生リサイタルで弾いた思い出の曲。アルゼンチンの草原地帯パンパと、そこで牛などの世話をするガウチョを表現している。激しいエスプリ、厳しい生活など南米の文化が伝われば嬉しい。私はアルゼンチン・タンゴやピアソラが好きで度々演奏するが、ヒナステラは、ピアソラの先生であったことも興味深い。
 10代の頃、父のグリーグ作品の録音セッションの時に譜めくりを担当し、グリーグの世界を存分に浴び、すっかり魅了された。ヴァイオリン・ソナタ第3番はグリーグのソナタの中では一番心揺さぶられる美しい曲。50歳のリサイタルでやりたいと思っていた。美しい満天の星空や、小さな小川が突如として山の頂上から降り注ぐ滝になる壮大な景色。森の中でトロールたちが戯れていて、不可思議な世界へ誘われるような妖しい感覚を表現しているようだ。フィンランドとノルウェーとは似たようなところがあるが、フィンランドは平地で湖が多く、ノルウェーは海と山のコントラストが激しい。ノルウェーの大自然が生んだグリーグの世界。
 有吉亮治さんとは呼吸が合い、一緒にハーモニーが作りやすい。和声感が素晴らしい。会話なしでもハモれる。有吉さんも自分のサウンドを持っているのが伝わってくる。我々2人のケミストリー(化学反応)が面白いので、それを楽しんでいただきたい。
 この先も新しいことに挑戦し、新しい世界を見つけ、クリエイティブに、もっともっと進化し続けていきたい。次の半世紀に向けて一歩、踏み出す。

ヤンネ舘野 ヤンネ舘野

プロフィールProfile

ヤンネ舘野 Janne Tateno (ヴァイオリン, Violin)

5歳でヴァイオリンを始める。ヘルシンキ音楽院にてシルッカ・クーラ、オルガ・パルホメンコ、ルーズベルト大学シカゴ芸術大学音楽院で森悠子の各氏に師事。室内楽を森悠子、イエルツィ・ゲベルト各氏に師事。オウルンサロ音楽祭(フィンランド)に、オーケストラのコンサートマスター、室内楽奏者、バロックやタンゴ奏者として10年にわたり出演。シカゴでユーシア弦楽四重奏団(2001年インディアナでのフィショッフ国際室内楽コンクール1位)の第2ヴァイオリン奏者として活動。2005年丹波の森国際音楽祭シューベルティアーデたんばのメインアーティストとして招聘される。2008年山形交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者になる。2011年、2022年東京文化会館にてリサイタルを行う。2015年ヘルシンキにてウィルヘルム・ケンプのヴァイオリンコンチェルトを演奏。山形交響楽団と12年にモーツァルト、2020年にシベリウスのヴァイオリンコンチェルトをソリストとして共演。2020~2022年に相馬泉美氏と、2022~2024年には大宅さおり氏とベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲演奏会を完遂。2023~2024年相馬泉美氏とシューマンとブラームスのヴァイオリンソナタ全曲演奏会を完遂。2024年南フランスにてセヴラック音楽祭に出演。これまでに京都市交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、川崎室内管弦楽団など多数のオーケストラに第2ヴァイオリン客演首席奏者として出演。またソリストとして大阪チェンバーオーケストラ、東京エラート室内管弦楽団、山形交響楽団、長岡京室内アンサンブル、東京ユヴェントスフィルハーモニー、ラ・テンペスタ室内管弦楽団と共演。現在ヘルシンキを拠点とするラ・テンペスタ室内管弦楽団のコンサートマスターと音楽監督を務める他、山形交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者、森悠子主宰長岡京室内アンサンブルのメンバーとして、またバロックヴァイオリン演奏、アルゼンチンタンゴ演奏など幅広い活動を展開。横浜でアンサンブルMIDORIを結成し自主企画室内楽コンサートシリーズを続ける等プロデュースも行う。録音CD『Janne Plays Sibelius』『Monologo via Corda ~独絃哀歌』。

オフィシャルウェブサイト
jannetateno.com
プロフィールページ
https://www.japanarts.co.jp/artist/jannetateno/
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有吉亮治 Ryoji Ariyoshi (ピアノ, Piano)

東京藝術大学卒業後、文化庁新進芸術家海外研修員及びローム ミュージック ファンデーション奨学生としてジュネーヴ高等音楽院に留学。日本音楽コンクール第1位をはじめ、カントゥ国際コンクールなど国内外のコンクールに入賞。これまでに清水嘉子、谷康子、田辺緑、迫昭嘉、パスカル・ドゥヴァイヨン、ジャン=クロード・ペヌティエの各氏に師事。在学中より日本ショパン協会主催例会リサイタルをはじめヨーロッパ各地、中東ヨルダンなど国内外で演奏活動を行うほか、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、東京交響楽団などと共演。室内楽においてはラ・フォル・ジュルネ、東京・春・音楽祭、ヴィオラスペースなどに出演し著名演奏家と共演。またピティナ、全日本学生音楽コンクール、日本音楽コンクールなどの審査員も務める。現在、桐朋学園大学音楽学部准教授。

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主催・協賛

主催
ジャパン・アーツ
後援
フィンランド大使館
協力
舘野泉ファンクラブ
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