巨匠インバル、渾身のマーラー!
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 指揮:エリアフ・インバル ピアノ:アリス=紗良・オット
ピックアップ
■ アリス=紗良・オット 公演に向けてのメッセージ(2019年6月)
■ 【掲載情報】エリアフ・インバル「ぶらあぼ 6月号」(2019年6月)
■ 東京都交響楽団 2019年3月演奏会情報 公演情報(2019年3月)
チケット詳細Ticket Information
① 2月9日(土) 10:00a.m.~発売 夢倶楽部ネット会員
② 2月10日(日) 10:00a.m.~発売 夢倶楽部会員
③ 2月14日(木) 10:00a.m.~発売 ジャパン・アーツぴあネット会員
④ 2月16日(土) 10:00a.m.~発売 一般
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曲目・演目Program
モーツァルト:ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K. 467 (ピアノ:アリス=紗良・オット)
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
- パガニーニ:大練習曲より第5番S141R3B「狩り」(アリス=紗良・オット)
公演によせてMessage
インバリッシモ!
インバルのリハーサルは実務的だ。「もっとピアニシモで」「ここはエスプレッシーヴォ!」など指示は簡潔で具体的。叱咤激励はほとんどない。しかし、聴かせどころやオーケストラが演奏しにくいところを一切見過ごすことなく、ピンポイントで指摘していくので、気を抜けない。リハーサルが終了するとオケのメンバーは非常に疲れるそうだ。
それだけに、彼が振るとどんなオーケストラでも「インバルの音」がする。各パートが隅々まで嗚り始め、がっしりとした音で重厚な響きが立ち上がる。それでいて俊敏な運動性を備え、バランスにも目配りが利いている。細部への徹底した追究による、音楽の神髄への肉迫。これぞ「インバリッシモ」。
インバルには大作が似合う。中でもマーラーは格別だ。東京都交響楽団とは2012~14年にマーラー・ツィクルスを行い(同響とは1994~96年に続く2度目のツィクルスだった)、日本のオーケストラ史に残る成果を上げた。ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団との前回(2017年)来日でも交響曲第1番《巨人》と第5番を演奏、高い評価を受けた。今回も第1番と第5番が採り上げられるが、手慣れたレパートリーでも常に楽譜に向き合い真摯な試みを欠かさないインバルのこと、共演を重ねたオケとの自在な興趣が期待される。
一方、彼はヨーロッパでオペラ指揮者としても令名が高い。名門フェニーチェ劇場(ヴェネツィア)でシェフを務めたことも知られるが、日本ではその実力に触れる機会が少ない。ゆえに今回、ワーグナーが演奏されるのは貴重だ。シンフォニックな響きの中で展開されるカンタービレを堪能したい。
ツアーに同行するアリス=紗良・オットは10代半ばでデビュー、19歳でドイツ・グラモフォンと専属契約を結んだ才媛。契約10周年を迎えた2018年、最新アルバム『ナイトフォール』の収録曲を携えたワールド・リサイタル・ツアーを行い、清冽な演奏で新境地を拓いた。協奏曲伴奏も上手いインバルとの珠玉のモーツァルトは聴き逃せない。
友部衆樹(音楽ジャーナリスト)
全国公演日程National performance
- 日時
- 2019/7/10(水)
- 会場
- 東京芸術劇場 コンサートホール ★
- お問い合わせ先
ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
★:アリス=紗良・オット出演
プロフィールProfile
エリアフ・インバル Eliahu Inbal (指揮者,Conductor)
イスラエル生まれ.エルサレム音楽院でブァイオリンと作曲を学び、その後レナード・バーンスタインの推薦によりバリ音楽院に学んだ。26歳のときにカンテッリ指揮者コンクールで1位を獲得して以来、世界中で一流オーケストラを指揮している。フランクフルト放送響、ベルリンコンツェルトハウス管、チェコ・フィル、東京都交響楽団の首席指揮者を務めた。現在も名誉指揮者として籍を残すフランクフルト放送響の任期中(1974-90)、多数の受賞(ドイツ批評家賞、ディスク大賞)を誇る録音、特にマーラーとブルックナーの解釈で国際的に称賛された。1990年、フランス政府よりフランス芸術文化勲章オフィシエに叙せられる。2001年2月、ウィーン市より有功金章受章、2006年、フランクフルト市よりゲーテ名誉章、およびドイツ連ゲーテ名誉章、およびドイツ連邦共和国より有功勲章を受章。
アリス=紗良・オット Alice Sara Ott (ピアノ,Piano)
世界で最も多忙なピアニストの一人であるアリス=紗良・オットは2018年「ドイツ・グラモフォン」でのメジャーデビュー10周年を迎えた。8月にはニュー・アルバム「ナイトフォール」が全世界で発売され、このアルバムにフィーチャーしたリサイタル・ツアーが世界各地にて行われた。また、ピアニストとしての活動の他、クリエイティブな才能を発揮し、世界の様々なブランドと協力な関係を築いている。これまでに、マゼール、テミルカーノフ、アシュケナージ、パーヴォ&ネーメ・ヤルヴィ、ノセダ、ドゥダメル、オロスコ=エストラーダ、チョン・ミョンフンなどの世界の名指揮者たちと、オーケストラでは、ロサンゼルス・フィル、ロンドン響、シカゴ響、ワシントン・ナショナル響、ベルリン放送響、ケルンWDR響、ロイヤル・フィル、ウィーン響、ドレスデン・フィルなどの名門オーケストラと共演を重ねている。
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 Konzerthausorchester Berlin
1952年創立。旧称ベルリン交響楽団(Berliner Sinfonie-Orchester)。ベルリンのコンツェルトハウス(旧シャウシュピールハウス)を本拠地とするオーケストラ。2006年に現在の名称となった。(1966年、西ベルリン(当時)に創立されたペルリン交響楽団(Berliner Symphoniker)とは別団体。)クルト・ザンデルリンクの首席指揮者在任期間中(1960-77)に欧州の名門オーケストラとしての存在を確たるものとした。ザンデルリンク以降の首席指揮者にギュンター・ヘルビッヒ(1977-84)、クラウス・ペーター・フロール(1984-92)、エリアフ・インバル(2001-06)等がいる。2010年にオーケストラ・アカデミーを創立し、次世代の演奏家の育成にも力を注いでいる。2019年のクリストフ・エッシェンバッハが首席指揮者に就任。
主催・協賛
主催:ジャパン・アーツ
後援:ドイツ連邦共和国大使館
協力:ユニバーサル ミュージック