2014/6/16
ニュース
【インタビュー】堀内康雄 7/15ジョイント・コンサートに向けて
バリトン堀内康雄がいざなう、男声のアリア、二重唱ならではの聴きどころ
日本を代表するバリトンとして国内外で活躍中の堀内康雄。来る7月には新進の西村悟とジョイント・コンサートを開く。ヴェテランの彼が「後輩に胸を貸す」意気込みを率直に訊ねてみた。
「火曜日のマチネ(昼間)って、どういうお客さまが来て下さるのだろうと思うと、自分でもすごく楽しみです。西村さんはいま最も輝いている若手ですね。美しくどこまでも伸びるテノールは必聴でしょう!今回はモーツァルトの《コシ・ファン・トゥッテ》やヴェルディの《リゴレット》《椿姫》、プッチーニの《トゥーランドット》からの名アリアとイタリア近代歌曲を中心に曲を選びましたが、せっかくの男声同士のステージですからオペラの二重唱ももちろん歌いますよ。テノールとバリトンのデュオには名曲が多いです!」
今回歌う二重唱はいずれも「友情」がキーワード。ビゼー《真珠とり》のおおらかな響きは、幼馴染のナディールとズルガが声を合わせるフランス・オペラ屈指の名旋律。また、プッチーニ《ラ・ボエーム》の二重唱では芸術家志望の青年たちが恋の記憶を爽やかに語り合い、ヴェルディ《ドン・カルロ》では王子と侯爵が永遠の同志として熱く誓い合う。
「僕はヴェルディ音楽院で勉強し、イタリアを始め欧州各地の歌劇場に出演してきましたので、やはりイタリア・オペラへの出演依頼が多いのですが、そういえば、ミラノに住んで初めて来たフランスオペラの仕事は《真珠とり》のズルガ役でした。持ち声が明るく響きも柔らかいので、フランスものにも向いているよと言われることは時々あります。イタリアものとは求められるフレージングが違いますが、イタリア語のようにはゆかない発音の『もどかしさ』が、また美しいんですよ。一方、イタリアを代表するヴェルディのオペラで、いまの僕が一番肝心と思うのは実はフレージングです。人物像にどうやって現実味を持たせられるかと追求しながらも、滑らかで美しいレガートを聴かせ、それが極めて男性的でなければなりません。西村さんと二人で、曲負けしないよう精一杯歌います!」
聞き手:岸 純信(オペラ研究家)
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前田建設グループ Presents
アフタヌーン・コンサート・シリーズ
甘く雄々しき男声の魅力に酔いしれる
西村悟(テノール)&堀内康雄(バリトン) ジョイント・コンサート
[公演日程]
7月15日(火) 13:30 東京オペラシティ コンサートホール
出演者:西村悟 Satoshi Nishimura (テノール / Tenor)
堀内康雄 Yasuo Horiuchi (バリトン / Baritone)
河原忠之 Tadayuki Kawahara(ピアノ / Piano)
鮫島有美子 Yumiko Samejima(ナヴィゲーター / Navigator)