2014/9/2
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ティーレマン指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 シーズン・オープニングコンサート
カリスマ指揮者クリスティアン・ティーレマン率いるドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)が本拠地でシーズン開幕。2月に日本でも披露されるブルックナー:交響曲第9番が披露された。
ドイツはすっかり秋。小雨が降る中、長年このシュターツカペレを聴き続けていると思われるファンが続々とゼンパーオーパーに集まってくる。オープニングということで期待感はいつも以上だが、今回はとりわけグバイドゥーリナのヴァイオリン協奏曲をクレーメルがどう聴かせるのか、そしてティーレマンが得意のブルックナーでどんな世界を描き出すのか、開演前の客席はすでに高揚感に満ちている。
コンサート前半、グバイドゥーリナの協奏曲第2番はハープ2台、ピアノ、チェレスタ、チェンバロ、さらに打楽器6名を要する大編成の33分の曲。
2007年にムターが初演し、ゲルギエフ&ロンドン響でレコーディングもされている作品。シュターツカペレ・ドレスデンにとっては、今シーズンのレジデントコンポーザーであるグバイドゥーリナと、レジデントソリストのクレーメルという黄金の組み合わせ。
難曲だが難解ではないこの作品を聴衆は温かく受け入れ、クレーメルの衰えを知らないテクニックに大きな拍手が送られた。
そして後半のブルックナー9番は、一段と緊張感ある密度の濃い時間となった。
弦16型フル編成のオーケストラから生み出される、厚みと柔らかさを兼ね備えた弦楽器セクションはこの楽団独特の音色。管楽器の厚みある響きも心地よく、オペラで鍛えられた木管楽器のアンサンブルも美しい。
ティーレマンのトレードマークである長い指揮棒に、反応する内声部もクリアーで、どのようなブルックナーを描き出したいかまでが明確に客席まで伝わってくる。
マエストロ ティーレマンの棒さばきは魔術的で、指し示された楽器が、あたかも息を吹き込まれたかのように歌い出すのだ。覚悟していないと、聴いている人が体ごとさらわれそうな感じの、吸引力ある演奏だった。
60分もかかるシンフォニーなのに、聴きとおしても時間を感じさせないような体験。最後の音が空間に溶け込んでいき、どれほどの時間が経ったのだろう。ブラボーの声とともに満場の聴衆は我に返り、ステージに立つティーレマンとドレスデン国立歌劇場管弦楽団に盛大な喝采を贈った。
このあとドレスデン国立歌劇場管弦楽団は、ブルックナー9番を携え、ミュンヘン、ベルリン、フランクフルト、ケルン、ドルトムントというドイツ国内ツアーに出かける。日本には来年2月来日の予定だ。
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揺るぎない頂点の響き
クリスティアン・ティーレマン指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
2015年02月23日(月) 19時開演 サントリーホール
2015年02月24日(火) 19時開演 サントリーホール