2014/10/7
ニュース
クリスチャン・ツィメルマン 故郷の新ホール杮落とし公演で熱演
クリスチャン・ツィメルマン 故郷の新ホール杮落とし公演でブラームスの協奏曲を披露
10月1日、クリスチャン・ツィメルマンの出身地、ポーランドのカトビッツェ市(シレジア地方の首都)に新しいコンサートホールがオープンしました。杮落とし公演では、ツィメルマンが地元のポーランド国立放送交響楽団(リープライヒ指揮)とブラームス:ピアノ協奏曲第1番 二短調を演奏。待ち焦がれた新ホールのオープニングと祖国が誇る名匠の演奏に、人々は熱烈な拍手を贈りました。 11月のマリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団との共演に、大きく期待が高まります。
新ホールの建設の話があがったのは5、6年前のこと。 6歳のときからカドヴィッツェにてヤシンスキ教授のもとで学んだツィメルマンは、このホールの設計と建築に熱い情熱を注いできたのです。 ポーランド国内の音響設計技師や建築家を日本に招いて各地の優れたコンサートホールを見学させ、自らも優れた音響設計家に要請した結果、ポーランドの40歳台の若手建築家コニール氏と永田音響設計の豊田泰久氏とのコンビにより1,800席の豊かな響きを誇るシューボックス型の大ホールが完成しました。今後、ヨーロッパの最高水準のホールとして注目される事でしょう。
日本よりひと足早い、晩秋のカトヴィッツェ。しぶきをあげる噴水とともにライトアップされた新しいコンサートホールに、正装した人々が次々とやってきます。
コンサートの第1部は、ルトスワフスキ、ペンデレツキ(本人来場)、キラール、グレツキのポーランド4作品を、リープライヒ指揮ポーランド国立響が演奏。 カトヴィツェ市長、ポーランド国立放送総裁から、温かなお祝いのスピーチが寄せられました。
第2部は、ツィメルマンがブラームスのピアノ協奏曲第1番を披露。火の玉のような名演奏に、会場の人々は釘付けとなります。第1楽章が終わると、聴衆が魂をまるごと持っていかれてしまったような雰囲気になり、しばらくしてから拍手が沸きあがる、といった稀有な光景が見られました。ツィメルマンは身体ごと演奏曲に没頭し、指揮者もオーケストラもそれに鼓舞され巻き込まれていくような、壮絶な演奏が繰り広げられました。 演奏を終えて喝采を受けるツィメルマンはとても素敵な笑顔で、今後文化の発祥となるこの本拠地に遂にホールが完成したことを喜ぶ様子が伝わってきました。
第3部には、ベートーヴェン第9が演奏されました。
クリスチャン・ツィメルマンとヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の日本ツアーは、11月21日より始まります。
———————————————–
ツィメルマンとの奇跡の共演!!
王者の風格、巨匠&世界最高峰の楽団!
マリス・ヤンソンス指揮 バイエルン放送交響楽団 ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン
2014年11月24日(月・休) 14時開演 サントリーホール
2014年11月25日(火) 19時開演 サントリーホール