2015/2/10

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【解説とコメント】舘野泉 聴きどころを語る

公演迫る! ベルリンでの感動をふたたび!
舘野泉 聴きどころを語る

[プログラム]
※出演者の希望により当初の曲順から変更となっております。(2015年2月)
バッハ/ブラームス編曲:シャコンヌ 二短調 BWV1004より
スクリャービン:左手のための2つの小品 前奏曲と夜想曲 Op.9
エスカンデ:「音の絵」より (三手連弾/舘野泉と平原あゆみに捧げる) 共演/平原あゆみ
      夢想(ルソー)
      砂に埋もれた犬(ゴヤ)
      空の青(カンジンスキー)
光永浩一郎:「サムライ」 ~左手ピアノ独奏のための(舘野泉に捧げる)
吉松 隆:NHK大河ドラマ「平清盛」より 遊びをせんとや・海鳴り
coba:記憶樹  (舘野泉に捧げる /「舘野泉 左手の文庫助成作品」)

バッハ/ブラームス編曲:シャコンヌ 二短調 BWV1004より
「弾いていると精神が研ぎ澄まされて、身体がそれに動かされていくのを感じる」この長大なシャコンヌは、深い精神性と豊かな幻想性をそなえ、バッハの芸術の最高峰に位置する作品のひとつ。バッハの原曲に非常に忠実な編曲となっており、左手のピアノからひろがる音楽の世界には、これ以上削ぎ落とせない音楽のエッセンスが詰まっていて、ブラームスがいかにバッハの音楽を崇敬していたかが伺える。 

スクリャービン:左手のための2つの小品 前奏曲と夜想曲 Op.9
ショパンの影響を受けたロマンティックな情趣があふれている。左手だけで演奏するなんて、ちょっと面白いなと思って、70年代からアンコールで演奏してきた作品でもある。弾いていて手が一本であるか二本であるか忘れてしまうほどの大きな音楽の力を感じさせる曲であり、ラヴェルの『左手のためのピアノ協奏曲』と並んで、左手のために書かれた代表的なピアノ曲として名高い。 

音の絵(三手連弾) 共演:平原あゆみ
いくつかの連弾曲は、いずれもテーマが子守唄や祈りといった、癒し系の優しい作品であり、もっと演奏者二人がバトルするような激しさと、スリルのある作品がほしいと思った。エスカンデは、アルゼンチン生まれの作曲家。ブエノスアイレスで20年、オランダで20年作曲の勉強をして、40歳から京都に住んでいる。彼が書いてくれた左手のためのソロ作品は、パッションに溢れていてエキゾチックな魅力もあり、是非彼に書いてもらいたいと思った。4つの絵がモチーフになっているが、作曲のはじめからイメージとしてあったわけではないという。どきどき、わくわくするような音楽がピアノから溢れ出す素晴らしい作品。6月には、小山実稚恵さんと演奏するのも楽しみにしている。(談)
≪6月3日公演情報≫
舘野 泉 左手の文庫(募金)応援プロジェクト 舘野 泉 ピアノリサイタル
2015年06月03日(水) 19時開演 東京オペラシティ コンサートホール
公演の詳細はこちらから

サムライ
1月から、日経新聞夕刊毎週木曜日掲載の「あすへの話題」というコラムを書いている。2月5日掲載のタイトルは「サムライは行く!」。この作品は、熊本在住の作曲家・光永浩一郎さんのピアノソロ曲で、数年前に戴いたが、すぐには演奏できなかった。たくさんの新作を抱えていたからだ。そんなある日、ピアノの上に置いておいた「サムライ」の楽譜を何気なしに弾いてみると、「ぐさっ」ときた。やられたと思った。胸にこみあげるものがあった。華やかで力強く、深い精神性に「サムライ」を感じた。
昨年6月のベルリン・フィルハーモニー・カンマーザールホールにて行ったリサイタルでも演奏した。「Samurai」に静かに耳を傾ける聴衆を感じた。演奏を終えて湧き上がった拍手--ベルリンの聴衆にも“サムライ魂”が通じたように思える瞬間であった。(談)

NHK大河ドラマ「平清盛」より 遊びをせんとや・海鳴り
記憶樹
2012年放送のNHK大河ドラマ「平清盛」のテーマ曲を弾かせてもらった。~遊びをせんとや生まれけむ~ピアノの一音からはじまり次第にオーケストラが熱を帯びてゆく壮大さをもち、吉松隆のロマンをも感じさせる作品である。それを、ピアノ1台で弾けるように、吉松さんが演奏会用に書いてくださった。吉松さんは本当に優しい方である。この2曲は、演奏会でのリクエストも多く、全国各地で演奏している。特に「海鳴り」は、 “平清盛の生涯”が封じ込められているような作風で、ドラマの総集編のようでもある。

「記憶樹」は、Cobaさんが左手のために最初に書いてくれた作品。情熱にあふれ、作品への熱い想いが感じられる。音楽はとにかく、熱い!この曲も演奏会でのリクエストが多いが、私自身も気に入っていて、これまで70回くらいは演奏しただろうか。どこでも心に強い印象を残すようだ。昨年の6月のベルリンでのリサイタルでは最後の締めくくりに演奏し、スタンディング・オベーションとなった(およそ700名)のは、とても嬉しかった。(談)
※ベルリンでの演奏 https://www.japanarts.co.jp/blog/blog.php?id=1070

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前田建設グループ Presents
舘野 泉 「奇跡の左手

2015年2月20日(金) 13時30分開演 東京オペラシティ コンサートホール

公演の詳細はこちらから

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