2015/7/28
ニュース
フィンランド放送響 首席フルート奏者、小山裕幾に聞く
2014年12月より、フィンランド放送交響楽団で首席フルート奏者を務める小山裕幾に、お話を伺いました。
首席指揮者ハンヌ・リントゥはどんな指揮者でしょうか?
2011年震災の直後、多くの外国人演奏家が来日を控えた中、ハンヌは「キャンセルする理由がみつからなかった」と来日して指揮をしました。日本にとても親しみを感じて下さっています。彼は求めていることを我々に伝えるのがとても上手く、マエストロの指揮によって場面、場面がいつも明確に浮き彫りになります。
フィンランド放送響は、オーケストラの雰囲気が良いそうでうね。
私がいる木管セクションでは、休憩中も和気藹々と他愛もない話をしています。隣で演奏する首席オーボエ奏者のヨルマとは歳がかなり離れていますが、年齢差を感じないくらい仲良くしています。彼とはITや経済の話をすることも多いですね。彼はプログラミングが得意で、北欧の雑誌の月間プログラム賞を取ったこともあります。
私はひと月に一度のペースでバーセル音楽院に通っているのですが、ソロクラリネットのクリストファーとは同じ学校で学んだこともあるので、共通の話題にも欠かないですね。
小山さんは、日本で慶應大学理工学部を卒業されたのちに、音楽家への道に進まれましたね。ヨーロッパでの毎日は如何でしょうか?
大学では、管理工学を学びました。いきなり音楽の道に進む前に、視野を広げるために別の事を勉強してからでも良いと考えました。2014年12月にフィンランド放送響に本採用となり、今はヨーロッパでとても楽しく過ごしています。FRSOは、2~3ヶ月の夏季休暇、冬は2・3週間のクリスマス休暇、2月にはスキー休暇といたったお休みがあり、オーケストラメンバーは家族との時間も十分に過ごせるようです。フィンランドの冬は日照時間が短く、中には鬱状態になる人もおり、そのような意味でも配慮がなされているのでしょう。
最後に、フィンランド放送交響楽団の特徴をお聞かせください。
フィンランド放送交響楽団は、ありとあらゆるシベリウスの曲を演奏しています。オケの音にはシベリウスが楽譜に残した繊細な様子が現れていると思います。特に弦楽器の音からは、北欧の独特なひんやりとした冷たい情景が浮かんでくるようです。
ありがとうございました。11月に日本で再びお目にかかれることを楽しみにしています。
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シベリウス生誕150周年記念
母国の名門オーケストラで聴く、ザ・ベスト・オブ・シベリウス!!
ハンヌ・リントゥ指揮 フィンランド放送交響楽団
2015年11月04日(水) 19時開演 サントリーホール