2012/11/18
ニュース
ソフィア国立歌劇場17日「トスカ」公演レポート
各地で公演を重ねてきたソフィア国立歌劇場ですが、いよいよ大詰めで、「トスカ」は東京文化会館で、そして明日の福岡で「カヴァレリア・ルスティカーナ」と「ジャンニ・スキッキ」で千秋楽を迎えます。
18日の最終公演は先日の「カヴァレリア・ルスティカーナ」でサントゥッツァとトゥリッドウをたっぷりの声量で好演したラドスティーナ・ニコライエヴァがトスカに、そしてコスタディン・アンドレーエフがカヴァラドッシです。
今回、大評判の舞台ですが、幕があくと天井から巨大な十字架が覆い、みるものを圧倒します。
この十字架はドラマ全体のキーを担い、特にクライマックスのトスカの絶唱では、衝撃的な効果を発揮します。
なかなか観ることのできない舞台美術と合致した演出で今日は最後のチャンスです。
17日は佐藤しのぶ演じるトスカの最終日でした。
トスカが愛するカヴァラドッシを救うために、野獣と化したスカルピア(ゲオルギエフ)と対峙するシーンは手に汗を握るほどの緊迫感でした。そして続いて「歌に生き、恋に生き」のトスカの絶望感には胸がつまされ、最後の「スカルピア、神の御前で!」の叫びはまさにドラマティッックで心を鷲掴みにされました。
プッチーニの「トスカ」は音楽に寸分の隙もなく旋律美にあふれて、劇的で、完璧なオペラです。
名作中の名作で、何度聴いても観ても心揺さぶられますし、初めてのオペラにもうってつけです!