2015/11/26
ニュース
11/22マリインスキー・バレエ「ロミオとジュリエット」大阪公演レポート
来日中のマリインスキー・バレエの「ロミオとジュリエット」を、11月22日(日)に大阪・フェスティバルホールで観た。このラブロフスキー版「ロミオとジュリエット」は、マリインスキー劇場(当時はソ連時代でキーロフ劇場と呼ばれた)がプロコフィエフに作曲を依頼して創り上げ、1940年に初演したもの、この劇場で脈々と受け継がれてきたものへの期待大きく劇場に向かった。
この日のジュリエットはマリーヤ・シリンキナ、ロミオはフィリップ・スチョーピンと2人とも若くフレッシュなダンサー。この演目は動きの美しさはもちろん、深みのある演技も要求されるので、ベテランダンサーが素晴らしいことも多いのだが、初々しく新鮮な魅力をともなった2人の踊りは、シェイクスピアがロミオ16歳、ジュリエット14歳の男女の物語として描いたストーリーに自然に合って期待以上の出来だった。
2人ともバレエのパが正確でとても美しい、さすがマリインスキーの主役と納得。そして加えて、シリンキナは愛らしい顔だちで、1幕の登場では無邪気な子どもそのもののチャーミングな魅力。それが舞踏会でロミオと出会って、恋のときめき覚えると、花びらを思わせるような軽さを持った踊りでそれを表現、バルコニーシーンでは押さえきれないほど盛り上がる気持ちを可愛らしさをともなったなめらかな踊りで表した。スチョーピンも恋心で羽が生えたような軽やかで美しいジャンプ、気持ちが躍動するのがそのまま現れたようなジュテ・アントゥールナン、2人のパ・ド・ドゥは、どんな愛の言葉を並べられるよりも恋愛初期特有の高揚感に溢れ、観ている私たちを幸せな気持ちで包んでくれた。
また、後半は、パリスとの結婚を両親に言い渡されて悩んだ末に、神父の元を訪れて相談、仮死の薬を……とジュリエットの見せ場が続くわけだが、シリンキナは、苦しみの中で強い意志を持ち成長していく姿を感受性豊かに繊細に表現。これからに期待できるプリマだと感じた。
菘 あつこ(すずな あつこ)[舞踊ジャーナリスト]
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東京公演開幕!!
世界のバレエの至宝。ロシア芸術の都サンクトペテルブルグの高貴な華
マリインスキー・バレエ<キーロフ・バレエ>2015年来日公演
⇒ 詳細はこちらから
「ジュエルズ」
11月26日(木) 18:30 文京シビックホール大ホール
「愛の伝説」
11月27日(金) 18:30 東京文化会館
11月28日(土) 13:00 東京文化会館
「ロミオとジュリエット」
11月30日(月) 18:30 東京文化会館
12月1日(火) 18:30 東京文化会館
12月2日(水) 13:00 東京文化会館(平日マチネ公演)
「白鳥の湖」
12月4日(金) 18:30 東京文化会館
12月5日(土) 12:30 東京文化会館
12月5日(土) 18:30 東京文化会館
12月6日(日) 13:00 東京文化会館