2016/1/6

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インタビュー:ドミトリー・シシキン(第6位)

 最近、大きな国際コンクールで、ロシアの名ピアニスト、ヴィルサラーゼ女史門下の優れたピアニストに遭遇しないことはありません。しかも彼らはだいたい個性的で自由な感じ……。ヴィルサラーゼさんが、いかに生徒の自由な音楽性を尊重して育てているのかがわかります。シシキンさんもそんなヴィルサラーゼ門下のピアニスト。すでに何度も来日しているそうです。ショパンは「エレガントでスタイリッシュ」と語っていましたが、そんな理解が見事に音楽化されたショパンで、ワルシャワの聴衆を魅了しました。

─コンクールに向けての準備でとくに心掛けたことはありますか?
 実は、真剣にレパートリーを準備しはじめたのはコンクールの1ヵ月前なんです。今年はチャイコフスキーコンクールもありましたし、夏の間は体調を崩していてあまり準備ができなかったこともあって。新しいレパートリーばかりだったのですが、先生のレッスンを受けるタイミングもなく、自分で作品を仕上げていくのは大変でした。いずれにしてもこうしてショパンに向き合うことができたのは良い経験でしたね。
 今僕は、モスクワ音楽院でヴィルサラーゼ先生のもと学んでいますが、ヴィルサラーゼ先生がすばらしいのはもちろんのこと、そのアシスタントの先生方もみんなすばらしい方ばかりで、僕の音楽づくりを大いに助けてくれました。

─ショパンのピアノ協奏曲をオーケストラと演奏するのは初めてだったそうですね。どのようなイメージで演奏されていたのですか?
 長い物語を感じていました。絵画的な世界と、物語をイメージしていたので……いわば、頭の中で映画のようにストーリーを展開させていたという感じです。

─こちらも聴きながら物語を思い浮かべていましたよ!それも、スタイリッシュで何か近未来のロマンティックな物語を。ところで、ショパンの人柄については、どのように理解していますか?
 現代とは時代が違いますから、簡単には言えませんが、彼の音楽は美しく、エレガントでとても印象的です。愛情や、多くの感情がこめられていると思います。彼の魂は特別です。

インタビュー・文:高坂はる香

*ガラ・コンサート会場で販売されるプログラム冊子には、インタビューの別バージョンが掲載されます。ぜひご覧ください。

2016年1月に開催する【ショパン国際ピアノ・コンクール 入賞者ガラ】公演では、入賞者たちがカスプシック指揮ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と来日し、若い入賞者たちの情熱をそのままお届けいたします。
2016年1月28日(木) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
2016年1月29日(金) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール

公演の詳細はこちらから

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