調べてみました。聞いてみました。 Vol. 3 聖トーマス教会合唱団のQ&A

調べてみました。聞いてみました。第3回は聖トーマス教会合唱団についてのQ＆Aです。聖トーマス教会合唱団についての疑問を聖トーマス教会合唱団ゼネラル・マネージャーのシュテファン・アルトナーさんに回答していただきました。(2012年公演プログラム掲載)

問1:合唱団には何歳から入団できますか？
10歳から入団でき、18～19歳まで団に在籍することができます。

問2:入団試験のようなものはありますか？
はい、あります。通常、入団希望者は、適性試験と入団試験を受けます。両方に合格した者が入団を許可されます。

問3:日本人の少年も入団することが可能ですか？
もちろん可能です。ただそれには、試験に通るだけの音楽的な能力と、聖トーマス教会付属の学校への入学を、ご本人またはご両親に約束していただくことも必要です。

問4:卒団(卒業)するのはいつですか？
一般的には、団員が「アビトゥーア」(ドイツの大学入学資格)を取得した時です。

問5:卒団(卒業)後、団員たちはどのような進路に進むのですか？
特に決まった進路というものはありません。医師、神学者、法律家、メディア・デザイナー、音楽家など、様々な職業に就きます。

問6:団員には、セーラー服を着ている少年と、スーツにネクタイ姿の青年がいますが、この違いは何ですか？
セーラー服(19世紀末から続いている、伝統的なドイツの学制服)を着ている少年たちは、ソプラノ、アルト等の高音パート、濃紺のスーツに、J. S. バッハ家の家紋入りネクタイを締めた青年たちは、テノールやバス等の低音パートを担当しています。

問7:付属のトーマス学校には女の子もいるようですが、合唱団との関係は？
合唱団団員たちは、聖トーマス教会付属の学校に在籍し、600名ほどの一般の生徒たちと一緒に学んでいます。この学校は、合唱団にとって良い教育の場であるというだけではなく、それ自体がドイツの名門進学校です。そして、当然のことながら、合唱団の団員の中には、この(共学の)学校で、最初のガールフレンドができる者もいるわけです。合唱団の団員たちは、特別に組まれた音楽の授業を受けますが、一般の生徒でも、同じように音楽への興味のある者は、女の子であれ男の子であれ、こうした授業を一緒に受けることができます。

問8:合唱団員は全員が寄宿舎で生活しているのですか？
はい、全員が寄宿舎で共同生活をしています。

問9:1日のスケジュールを教えて下さい。
寄宿舎の規則から抜粋して、時間割を紹介しましょう。

時間割

月曜日～木曜日
06：30　起床
06：55　朝食
07：30　学校の始業
13：20　昼食
14：35　宿題の自習、音楽の個人レッスン、練習など
18：45　夕食
19：10　宿題の自習(月曜日と火曜日)

金曜日
午前中は月～木の時間割と同じ。
午後は練習(リハーサル)
18：00　モテット(本番)
19：15　夕食

土曜日
08：00　起床
08：30　朝食
12：00　昼食
15：00　モテット(本番)
18：00　夕食

日曜日
07：30　起床
07：55　朝食
以後、リハーサル室でのウォーミングアップ(リハーサル)
09：30　ミサ(本番)
12：00　昼食
18：00　夕食

消灯時間
月曜日～金曜日、日曜日
4～6年生　 20：15
7～8年生　 20：45
9年生　　　 21：45
10年生　　 22：30
11～12年生 23：30

問10:1週間の活動はどうなっているのでしょうか。
毎週3回、聖トーマス教会で歌わなければなりません。金曜日18：00モテット(アカペラ)、土曜日15：00モテット(ゲヴァントハウス管弦楽団との共演)、日曜日09：30礼拝(「カントライ」と呼ばれる通常の半数の合唱団員による合唱)です。詳しくは、ホームページをご覧ください。英語の説明もあります。

問11:年間の公演数はどれくらいですか？
1年間に約100回の公演を行います。内容は、聖トーマス教会でのモテットや礼拝の他、ライプツィヒ、ヨーロッパ、世界各地におけるコンサートや、メディア制作(CDやDVD)などがあります。

問12:バッハ以外にもレパートリーはありますか？
はい、あります。私たちは聖トーマス教会で、グレゴリオ聖歌から現代の音楽まで、800年にわたる時代の音楽を歌ってきました。

問13:ツアーはどれくらい実施されますか？
比較的大規模なツアーは、ドイツ国内、国外とも、それぞれ1年に1回の割合で行うようにしています。回数に限りがあるのは、彼らに高水準の学校教育を受けさせねばならないからです。

⇒調べてみました。聞いてみました。 Vol. 1 聖トーマス教会合唱団「マタイ受難曲」

⇒調べてみました。聞いてみました。 Vol. 2バッハのスペシャリストに聞く

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人類最高の音楽遺産
聖トーマス教会合唱団＆ゲヴァントハウス管弦楽団
J.Sバッハ『マタイ受難曲』

2016年03月09日(水) 18時30分開演 サントリーホール
2016年03月11日(金) 18時30分開演 東京芸術劇場 コンサートホール

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