2016/10/5

ニュース

  • Facebookでシェア
  • Twitterでツイート
  • noteで書く

来日直前!マレイ・ペライアニュース

10月に3年ぶりのリサイタル・ツアーのために来日するマレイ・ペライア。前回のリサイタルでは、すでに“巨匠”と呼ぶにふさわしい風格を持ちながら、音楽の奥底にあるエネルギーをすべて燃焼させる情熱的な演奏で、会場中の称賛を集めました。大きなブラボーと割れんばかりの拍手、心を震わしながら立ち上がるスタンディング・オベーションの様子は、今なお鮮明に思い出すことができます。心に深く沁み入る美音と、内に秘めたパッションを持つマレイ・ペライア。以前行なったインタビューとともに、近況をご報告いたします。

<マレイ・ペライアに聞く>
ベートーヴェンのソナタに対する想いをお聞かせいただけますでしょうか?
ベートーヴェンのソナタに関しては、私は終わりのない歩み、努力を続けています。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲の譜面を見直し、ヘンレ原典版として出版するという壮大なプロジェクトを行いましたし、ベートーヴェンのソナタは常に私のレパートリーの中心にある作品です。
私は、これまで演奏してきた作曲家に今後もこだわり続けます。≪ハンマークラヴィア≫は以前も演奏しましたが、今回改めて向き合い世界各地で行うリサイタルで弾きこんでいます。

ピアノの奏法は、根気よく修錬を積むことで体得され、才能ある演奏家にとっても大変な技術です。一体どうすればそのような領域に達することができ、テクニックを長年維持することができるのでしょうか?
練習の虫なのです。練習することにすべての秘密があると…。大事なのは。音楽が好きだと言う事。まずこの対象に向ける愛がなければなりません。私は音楽をこよなく愛しているからこそ、その熱意が湧くのです。ですから、なぜたくさん練習できるか?というその理由は、第一に音楽への愛があるからです。若い演奏家を指導するときには、「聴きなさい、ご自分が好きな曲を、とにかく、聴きなさい。心にいま燃えているその炎を、保ちなさい。」と言います。そう することで、いま続けている技術面の練習に、上達が見られるはずなのです。単なる技術を超えたその人独特の何かが加わってきます。技術のうえに生き生きとした表情が出てくるのです。
ピアノを弾きこなすことは、本当に難しいです。できたはずのことができなくなって、また同じ練習をやり直すことだって珍しくありません。失いかけては取り戻し、また無くしそうになって、取り戻し…その繰り返しでいいのです。

<マレイ・ペライアに寄せられる賛辞>
♪ニューヨーク・タイムズ(アンソニー・トマシーニ/2016年5月)による批評から
リンカーンセンター「Great Performersシリーズ」公演

≪ハンマークラヴィア≫(ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調Op. 106)は、圧倒的に複雑な曲であることは周知の事実であり、そのために充分なテクニックが必要とされることも明白である。(中略)マレイ・ペライアは、生き生きとした演奏を披露すると同時に、壮大なアプローチは感動的だった。ゆったりとしたパッセージでは、この曲のなめらかなハーモニーと混ざり合う内声部に明瞭さと叙情性があり、短いスケルツォには、茶目っ気だけではなく優雅さときらめきがあった。特筆すべきは、やはり雄大でゆっくりした楽章で、スケールとともに、軽快さときれいに紡がれた金線細工のような繊細さが備わっていた。驚くほど複雑な対位法の流れを明瞭にするのにふさわしい速度に抑えた演奏だった。(中略)≪ハンマークラヴィア≫の前にハイドン、モーツァルト、ブラームスのよく知られた曲を並べることで、ペライアはこの曲を歴史的に位置づけた。落ち着いた繊細な演奏によるハイドンで始まり、モーツァルトのエレガントで明瞭な演奏、後期ブラームスでは揺れ動く音の流れから叙情への飛翔がみごとに表現されていた。

♪フィナンシャルタイムズ(2015年6月)から
マレイ・ペライアが大勢の忠実なファンに愛され続けているのは、彼には名声をえたアーティストにありがちな、“これ見よがし”なところが微塵もないためだ。その謙虚さは演奏にもにじみでている。彼はスタンドプレイとはまったく無縁であると同時に、そのさりげなさが崇高な美を生みだしている。

▼画像をクリックするとPDFでご覧頂けます▼

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –
心に深く沁み入る、敬虔なる美音
マレイ・ペライア ピアノ・リサイタル
2016年10月31日(月) 19:00開演 サントリーホール
公演詳細はこちらから

ページ上部へ