2016/11/24

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西村悟(テノール)にコンサートの聴きどころを聞く

12月のアフタヌーン・コンサートは、出演は男性のみ!テノールの西村悟さんに聴きどころを語っていただきました。
そして、イタリアにお住まいの西村さん。カファレルにも思い出が詰まっているそうで…イタリアの魅力もたくさんお話いただきました。

西村さん、背がとても高いですね!すごく素敵です。
西村「183センチあります。」

もっともっと大きく見えますね。

西村「オーラでしょうか(笑)!?高校生までバスケットをやっていましたけど、選手の中では小さい方ですよ。」

バスケット選手時代から『声がいいね』ということで、歌を始められたのですか?
西村「いえいえ、そんなことはないです。歌は、大学を目指したときから始めました。バスケットでインターハイに行けなくて…バスケットが終わってしまって、いよいよ進路を決めよう、という時期になったんです。当時、バスケットはプロ・リーグがなくて、大学でも続けるかどうか…と。
それじゃあ、変わったことをやろう!と思って。音楽の先生になろうと決めました。だけど、全然違う世界ですからね。まったくわからないわけです。そこで、どうやって音大に入るのか方法を調べて、初めて、高校3年生の時、音大の夏期講習に参加しました。だけどその時は、オペラの「オ」の字も知らなかったんですよ(笑)。」

才能があったのですね!
西村「才能どうかはわからないですが…それからは、本当にのめりこみました。面白くて仕方なくって。スポンジが水を吸うように、色々なことが苦にならなかったんです。音楽の歴史を勉強するのも、とても楽しくて仕方なかったです。」

もともと、歌がうまかったんですね。
西村「どうでしょうか…だけど、カラオケは好きでしたね。ミスター・チルドレンの歌を真似て歌ったり(笑)。音楽は好きだったんですよ。小さいころは、ピアノも習ってました。だけど、人生は色々ありますね。」

音大に入られて、プロになろうと思われたのですか?
西村「僕は、日本大学芸術学部(日芸)出身なのですが、日芸時代についていた先生から『芸大(東京芸術大学)を目指してみたら?』と言われたことがありました。それがきっかけで、大学院を受けてみようかと考え始めて、勉強して、試験を受けたら入れたんですよ。
そこで初めて、「ひょっとしたら…(プロを目指すかもしれない)」という気持ちが芽生えました。それまでは、高校3年生からの夢を追いかけていて、『音楽の先生』になることが目標だったですね。だけど、芸大の大学院に入って、本気で歌にのめりこみました。大学生のとき以上に舞台で歌うことも増えて、それが、楽しくて仕方なかったんです。そして、「ああ、極めたいな」と思いました。それで、イタリア声楽コンコルソ(というコンクール)で優勝して、初めてイタリアのボローニャに留学しました。」

今も拠点はイタリアですね。
西村「はい、今はヴェローナです。だけど、家族は日本にいますから、イタリアと日本を半分ずつくらいで過ごしています。」

進まれた先すべてで成功していますね。
西村「あはは…(笑)。そうですよね。かっこいい言い方をすると『歌わされている、導かれている』という感じですね。自分で言うのも何ですが…。自分でそこへ進んでいるということではなく、なぜか、うまい具合に周りの皆さんに助けられて、そこへ向かって行って、上手くいっているんですね。だからこそ、その分、責任もあるなと強く感じています。」

西村さんは、カファレルのチョコレートはご存知でしたか?
西村「カファレルのチョコレートには思い出があるんです。
2010年、指揮者の佐渡裕さんのオーディションを受けるため、初めてトリノに行ったんです。ところが、佐渡さんを前に、とっても緊張してしまって。すると、佐渡さんが「奥様にどうぞ。」とプレゼントを下さったんです。それが、カファレルとの出会いでした。佐渡さんが、「カファレルのジャンドゥーヤだよ。これはトリノでしか買えない有名なチョコレートなんだ。」と教えてくれたんです。そこから、カファレルのチョコレートは、僕にとっても妻にとっても、大きな思い出の一つになりました。イタリアのチョコレートって独特な美味しさですよね。ですから、(イタリアにいる)海外の人たちにも人気です。ヘーゼルナッツが混ぜ込んであって、本当に美味しい。佐渡さんに初めていただいて、とっても好きになりました。今でもよく食べています。

イタリアでのカファレルはどうですか?
西村「高級なイメージですね。どこででも手に入るわけではなくて、お店に行って購入する、特別な感じがあって良いです。そうそう、ヴェローナにもお店がありますよ。美味しいし、かわいらしい。それに高級感もありますね。僕は、コーヒーも大好きなので、カファレルのチョコレートと一緒に楽しんでいます。それに、赤ワインと一緒に楽しむのもおすすめです!少しやわらかい歯ざわりもとても気に入っています。」

カファレルは、ジャンドゥーヤをはじめ、100年以上の歴史があります。
西村「“職人さん”なんですね。イタリアらしくて気持ちが良いです。長い間、大切にされている感じがします。パッケージがレトロなところも、雰囲気があって好きですよ。前回のアフタヌーンでも、レトロで素敵なデザインのチョコレートが販売されたんですよね。お客様も喜ばれたでしょう。12月のコンサートでは、僕もお客様にカファレルの思い出話を披露したいな。平野さんが住む、ウィーンのスイーツ話と一緒に、盛り上がりたいです。」

イタリアの生活は、日本と比べるといかがですか?
西村「イタリアに行くと、時間がたっぷりあるような気がします。日本だと、なぜかせわしなく時間に終われてしまうんです。ところがイタリアだと、一日の時間がいつもより長くなったような気持ちになります。ですから、集中して色々なことに取り組めます。しっかり勉強したい、入れ込みたい、という時にイタリアに行くと、不思議なことにうまくいくんです。」

ヨーロッパでの活動は?
西村「10月末に、スペインのバルセロナでメンデルスゾーンの交響曲『讃歌』を、大野和士さんの指揮で歌ってきました。ヨーロッパ・デビューでした。」

イタリアの好きな食べ物、飲み物は?
西村「ワインが好きです。イタリアのワインは良いのがたくさんありますよ!もちろん、ワインの王様・ピエモンテ州の“バローロ”や、他にもたくさん美味しいワインがあります。特に、北イタリアは良いワインがたくさんありますね。高すぎないのに、美味しいワインに出会えます。何だか、ワインの話をしてると、飲みたくなっちゃいますね(笑)!それから、パスタも美味しいです。でもね、日本の方が美味しい…と思うことがあります。日本はレベルが高いですよね。それに比べると、イタリアは味が“直球”。日本には“深み”があります。出汁の文化が、イタリアの本場に勝ると思う時もあるんです。それにしても、日本は何でも美味しいですよね。食には困りません。」

ところで、トリノ王立歌劇場の人たちとも共演されていますね。
西村「昨年9月に、歌劇場からヴァイオリニスト、チェリスト、そしてコレペティと呼ばれるピアニストの三人と、ソプラノの市原愛さんと僕の5人で、日本ツアーをしました。その時のコンサートが大好評だったので、来年7月に再び来日公演をするんです。このトリオが、本当に楽しい!とにかく“イタリア人らしい”イタリア人なんです(笑)。
本格的なオペラの引越し(来日)公演だと、チケットが何万円もかかりますよね。だけど、彼らの演奏だけで、オペラの“良さ”が充分体感できるんです。初めて聴く人にもおすすめです。まさに、オペラの良いトコどり!コンパクトな編成ですが、全然物足りなさがなくて、オペラのおもしろさや醍醐味がぎゅっと詰まったコンサートです。
オペラを知り尽くしたトリオとの演奏は刺激的で、格別です。でも、演奏していない時は、ずーーーーっと三人でしゃべってる(笑)。さすがイタリア人ですね。」

昨年は、トリオと一緒に小学校にも行かれたとか?
西村「ツアーの一環で、福岡の小学校にアウトリーチのために行って、6年生の授業に参加しました。小学生の反応がとても良かったです。一緒に歌ったんですよね。イタリア人に「これはこういう意味だよ」とか教えながら。小学生にとって印象深い文化交流ですよね。
本場の演奏を聴く機会がたくさんはないでしょうけど、その中に、僕みたいに音楽を目指す人が出てきたらいいな。」

イタリアの地域性はどうですか?
西村「まず、北イタリアの人たちはとってもまじめな性格なんです。時間も守るし、楽譜のこととも来日前にやり取りしたのですが、すごく丁寧に準備してくれて。何より、とても良い人たちです。それから、イタリア人って“郷土愛”がとても強いと思うんですよね。応援するスポーツ・チームとかもそうです。あまり別の地域のチームを応援することがないですね。とにかく、自分が住む地域や街に誇りを持っていることをすごく感じます。トリノは、経済もよく機能していて、まじめに働きますし、潤った街だと感じます。整備されていますし。ヴェローナに比べると賑わっている印象があります。ヴェローナは、夏は盛り上がりますけど…。」

歌劇場はどうですか?
西村「ヨーロッパの劇場ならではの建物ですね。外見は古くて、シンプルなんですが。中に入ると、とても素晴らしいです。(中は)とても現代的ですよ!」

コンサートの聴きどころを教えてください。
西村「盛りだくさんの内容で、皆さんにはきっと満足いただけると思います。男だけのコンサートは珍しいんです。前回も男だけのコンサートに(アフタヌーンで)出演したんですが、とっても盛り上がりました。」

共演の平野さんとは、出身大学が一緒ですね。
西村「はい。平野さんとは学年が離れていますが、同じ、日芸出身です。平野さんは素晴らしい歌声ですし、それにトークも楽しい方です。
男だけの今回のコンサートは、“男のだましあい”というテーマで繰り広げます。オペラって、大概は、ヒロインと男性が恋に落ちて、そこに割って入ってくる別の男性(この場合、ほとんどは低い声質の歌手。今回は平野さんがその役割)とのドロドロなストーリーも多いんです。今回は、なかなか聴く機会のない曲がたくさん聴けますよ。」

河原さんのピアノとトークも楽しみですね。
西村「本当に素晴らしいピアニストです。一人でピアノを弾いているのに、オーケストラのような音がしますよ!」

様々な言語で歌詞を覚えるのは大変ですね。
西村「暗譜するのは大変ですが、“眠っていても歌える”くらい覚えないと…。音符に(歌詞が)乗っていると、不思議と頭に入ってくるかな。音程がないと、覚えるのはちょっと大変かもしれません。オペラの場合は、歌詞を覚えるだけでなく、演技も動きも必要ですからね。たくさん人が出てきますが、全員、動きが決まっていますよ。」

最後に、楽しみにされているお客様に一言お願いします。
西村「12月8日、東京オペラシティでお待ちしています。
YasushiSatoshi”。男と男の騙しあいというテーマでお贈りします。出演者は男性のみ!珍しいコンサートですから、ぜひ足をお運び下さい。」

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★「カファレル」オフィシャル・ホームページはこちらから
 ⇒ http://www.caffarel.co.jp/
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カファレルPresents
甘く雄々しき男声の魅力に酔いしれる昼下がり!!
西村悟(テノール)&平野和(バス・バリトン) デュオ・リサイタル
2016年12月8日(木) 13:30開演 東京オペラシティ コンサートホール
公演詳細はこちらから

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