2018/3/20
ニュース
鈴木優人で聴く ウィーン少年合唱団オルガンとの特別プログラム!
2018年5月3日・4日サントリーホールにて、ウィーン少年合唱団と共演する鈴木優人にインタビューをしました。
「天使の歌声」と呼ばれ、世界中の人々に愛されているウィーン少年合唱団は、今から500年以上も前の1498年に誕生しました。この年、ハプスブルグ家出身の神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン1世が、ウィーンの王宮礼拝堂のために管弦楽団と聖歌隊を創設させました。その中に6人による聖歌隊があり、これがウィーン少年合唱団の原点となったのです。この王宮礼拝堂付属少年聖歌隊には、シューベルトや指揮者のリヒター、クラウスが、ハイドン兄弟はたびたび補欠メンバーとして参加していました。
ともに活動した作曲家には、イザーク、モーツァルト、サリエリ、ブルックナーがいて、彼らのために作曲し、ブルックナーはオルガンで伴奏もしました。そして、現在も、ウィーン少年合唱団は、オルガン伴奏による王宮礼拝堂の日曜日のミサに出演しています。今回、サントリーホールで2日間だけ、オルガンを使用する特別コンサートが実現。ご出演いただく鈴木優人さんにお話をうかがいました。
以前、ブルックナー組のみなさんとご一緒しています。クローズドのコンサートで、会場はサントリーホールでした。今回もサントリーホールで、Aプログラム、Bプログラムともに、前半で伴奏させていただきます。ハイドン組との新しい出会いがとても楽しみです。合唱にかかわる仕事や伴奏は頻繁にやっておりますので、今回のウィーン少年合唱団とのお話をいただいたとき、「ぜひやりましょう!」とすぐにお返事しました。
少年合唱団とはいえ、彼らはプロの合唱団です。鈴木さんが同じプロとして、たとえば彼らから学びたいこと、彼らに教えたいことなどは、ありますか?
どういう人をプロと呼ぶか?ですが、それは、「一緒にちゃんと仕事ができる」ということだと思うんです。その意味で彼らのプロフェッショナルな意識はとても高いです。前回ご一緒したときに、子供らしく楽しみながらやっている中にも、感じたことです。そして彼らを支えるまわりの大人のみなさんのご尽力ですね・・・あの長いツアーを、子供たちと一緒にやり遂げるのは、並大抵ではないはずです・・・体力や健康維持への配慮も含めて、尊敬します。このような活動が可能になっているということ自体、すごいことだなあ、と感じます。またそのようなことを、あえて私が言わずとも、誇り高き彼らはもう十分わかっていると思いますよ。
具体的に、一緒にいるときどんな感じでしたか?
とても統率が取れていて、先生(カペルマイスター)のおっしゃることにすぐに反応して、音楽的には、直さなければいけないところはすぐに直してくれる、と思いました。彼らはほんとうによく察知して、音の合わせがうまいなあ、という記憶があります。
彼らの技術は素晴らしいのですね。
それからもうひとつ、サントリーホールのオルガンが近年、半年の工事期間中に改良された点があるんです。パイプの中も掃除してきれいになった、ということもありますし、さらに・・・「リモート・コンソール」という言葉をご存知でしょうか?この仕組みが新しくなりました。通常、メインのキーボードはオルガンの機構のそばにあります。ですが、それを舞台上に電気信号で繋いで、舞台上に鍵盤を置いて弾くことができるようにしたもの、これがリモート・コンソールなのですが、それが今回の改修で、とても良いものになったんですよ。発音のタイムラグの問題の解決につながるだろうと期待しています。サントリーホールのクリスマスコンサートですでに使ってみたので、感触は掴んでいますから。更に、舞台上では、みんなに近い位置で弾くことができますので、より室内楽的に互いの息づかいを感じながら演奏ができるでしょう。
そしてもちろん、リモート・コンソールも、ケース・バイ・ケースで・・・
そうですね。たとえばバッハの重厚な曲を演奏するような時は、通常の鍵盤前の位置がよい場合も多々あるわけです。でも今回は、ウィーン少年合唱団とのコミュニケーションを優先したいと思っています。彼らの近くで彼らの声を楽しみながら参加したいんです。
一般の観客からしますと、オルガニストの座る位置が遠くて、姿が見えなかったり、弾いているお顔が見えないのは残念です。
顔だけでなく、じつは脚がどれだけ忙しく動いているかということも、みなさん、ご存知ないですよね(笑)。作品によっては、「こんな忙しいことしてたのね!」と言われます。上半身は動かさずに、脚だけが動きますので、近くで見ないとわからないんですね。とはいえ、今回の演目には「足ペダルがオリンピックみたいな曲」はないですけれど(笑)リモート・コンソールがあれば、観客のみなさんとも距離がだいぶ近くなりますね。
さて、今回のウィーン少年合唱団との演目はぜんぶ異なる作曲家の作品ですね。フックス、ハイドン、モーツァルト、グノー・・・など。
とても面白いリストをいただいています。じつは私も初めての曲がいくつかあります。合唱の美しさが映える曲や芸術監督でもあるヴィルトさんが書かれた作品「慈悲ー許しー内なる平和」などは、私自身も作曲をしますので、とても興味を感じています。また、モーツァルトの「汝により守られ」は、素晴らしい曲です。
みなさんがAプログラム、Bプログラムのどちらに来られても、その前半で演奏します。演奏会のはじめのほうで、オルガンの音色を楽しんでいただいて、気分を盛り上げるお手伝いをしたいと思っています。
▼画像をクリックするとPDFで詳細をご覧頂けます▼
⇒ https://www.japanarts.co.jp/artist/MasatoSUZUKI
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ウィーン少年合唱団2018年来日公演
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