2018/9/7
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【イベントレポート】湯山玲子さんによる《カルメン》 ヤバいです!カルチャー文脈から見たオペラトーク
来日まで1ヶ月を切ったブルガリア国立歌劇場。その公演に先立ち、9月6日に恵比寿のアート・カフェ・フレンズで、湯山玲子さんによる「《カルメン》ヤバいです!カルチャー文脈から見たオペラトーク」が行われました。会場にはたくさんのお客様がいらして、とても盛り上がりました。
湯山さんは、「ポール・マッカートニーとビゼーは似ている!すごいんですビゼー!」。 そしてもう一つすごいのは「カルメンは現代性がある!」と厚く語られていました。彼女はただの自由な女じゃない。仕事ができない不思議ちゃんではなく、本当の魔性の女は男を滅ぼす。今回、カルメンを演じるナディア・クラスティヴァは特に低音がすごい。カルメンを演じるために生まれてきたような人!カルメン演じるナディアは“ナチュラル・ボーン・暴れんぼう”という感じだそうです!声、本当に素敵なんですよ。と絶賛されていました。
「今回の演出はものすごく攻めていて 、舞台は盆舞台なのですが、カルメンとホセとミカエラのみ、舞台に乗れるんですね!まるで日本の『能』のような演出!!そう、まさに『能』なんです。絶対に注目してほしいのが第5幕!本当にやばい!!」と湯山さん。
オペラを観る際は、自由に感情移入していただいて、自分の心を動かされたもの、自分の人生と照らしあわせてビビッときたものを探すべき!この《カルメン》も、背景を知った上でどう感動するかを探す楽しみがあるんですよとおっしゃっていました。
後半は現地プレミエ、日本公演を指揮する原田慶太楼と湯山さんの対談!既に楽屋ですっかり意気投合してお話が盛りあがっていたお二人。
今回のプロダクションのフランス語のセリフの台本は原田慶太楼さんが作成したそう!演出のプラーメン・カルターロフは最初映像系の演出の方だったので、今回の演出もテレビを見ている様な、次のカット次のカットと観れる。オペラを初めて観る方でもすごく楽しく観れると思う!と原田さん。
今回カルメンを演じるナディアは、フランス語を流暢に話すこともあり、シラブルを大事に物語を語っている!と原田さんも絶賛されていました。
最後に、お互いの《カルメン》の役の中で何になりたいかというお話で、「故郷で母親のような存在ということで男性にとってのアキレス腱という存在で、『ベルサイユの薔薇』の役に例えたら“ロザリー”。男社会の中で生き抜くミカエラのどす黒さ、こういう女性はモテる!」とおっしゃっていた湯山さんでしたが、「ミカエラ」になりたいとのこと!原田さんは自由なところが自分に似ているという「カルメン」でした。
ブルガリア国立歌劇場来日公演《カルメン》は10/5、10/6東京文化会館にて、ぜひご期待ください!!
<湯山玲子>
日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師。自らが寿司を握るユニット「美人寿司」、クラシックを爆音で聴く「爆音クラシック(通称・爆クラ)」を主宰するなど多彩に活動。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなど、カルチャー界全般を牽引する。著書に『クラブカルチャー』(毎日新聞社)、『四十路越え!』(角川文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『ベルばら手帖』(マガジンハウス)、『快楽上等!』(上野千鶴子さんとの共著。幻冬舎)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(KADOKAWA)などがある。
湯山玲子公式サイト:http://yuyamareiko.blogspot.com/
<原田慶太楼>
2015年9月からアメリカのメジャー、シンシナティ交響楽団とシンシナティ・ポップス・オーケストラのアソシエイト・コンダクターという重要なポジションに就任した逸材。
2010年タングルウッド音楽祭で小澤征爾フェロー賞、2013年ブルーノ・ワルター指揮者プレビュー賞、2014年・2015年米国ショルティ財団キャリア支援賞を連続受賞。
現在の活動拠点であるアメリカでは、アリゾナ・オペラのアソシエイト・コンダクターとリッチモンド交響楽団のアソシエイト・コンダクターおよび同ユースオーケストラ音楽監督、フェニックス・ユース・シンフォニー音楽監督などを務め、オペラやオーケストラ公演に活躍中。
原田慶太楼のページはこちら⇒https://www.japanarts.co.jp/artist/KeitaroHARADA
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ブルガリア国立歌劇場
「カルメン」
10月5日(金)18:30/10月6日(土)15:00 東京文化会館
「トゥーランドット」
10月8日(月・祝)15:00 東京文化会館
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