2018/10/5
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樫本大進のインタビュー[プラハ交響楽団]
2019年1月にピエタリ・インキネン指揮 プラハ交響楽団と共演する、ヴァイオリニスト 樫本大進のインタビューぜひご覧ください。
今年7月のリサイタルでもブラームスを取り上げたように、ブラームスをやりたいという気持ちが強くなってきました。今回はピエタリ(・インキネン)の方からの提案で協奏曲をやることになったのです。
ピエタリとは、以前から親しい仲間です。ヴァイオリンの名教師であるザハール・ブロン先生にご指導いただいた同門で、若い頃から僕が先生の住むケルンに行くたびに、彼と一緒に遊んでいました。日本での共演は、2009年に彼が日本フィルハーモニー交響楽団の首席指揮者に就任した時、シベリウスの協奏曲を弾いたことがあります。欧州では何度も共演していますが、日本では久しぶりですね。素晴らしい才能の持ち主で耳もよいので、共演するのが楽しみです。
ブラームスの協奏曲は素晴らしい曲ですが、なかなか大変な曲でもあります。僕は聴いている方が好きかな(笑)。始まってからずっと長いラインが続き、最後まで行くという曲なので、うまく「ゲームプラン」を作らなくてはいけないむずかしさがあるんです。細かく途切れるものならいいけれど、ブラームスの場合は最初からどういうふうに終わるのか、考えておかなくてはならない。考えていても、いつもうまくいくとは限らないし。そういうところはベートーヴェンの協奏曲に似ています。
チョン・ミョンフンさんとシュターツカペレ・ドレスデンの録音もありますね(2007年)
当時は僕もミョンフンさんもゆっくりしたテンポが好きで、たいぶ重たいブラームスになっています。その後何度か、ベルリンフィルのコンサートマスターとして伴奏を経験しました。その時のソリストはフランク=ペーター・ツィンマーマン、アンネ=ゾフィー・ムター、イザベル・ファウストなど、素晴らしい方たちばかり。その経験が今度の演奏にも生きてくるんじゃないかと思っています。
コンサートマスターとして演奏するのとソリストとして演奏するのとでは、ソリストの方がある意味では気楽です。自分のやりたい音楽をやって、終わったらバイバイすればいい。うまくいけばまた呼んでもらえます。でもオーケストラの場合は、どんな指揮者が来ても自分たちの音楽をちゃんと聴かせなくてはなりません。むずかしいことですが、だいぶ慣れてきました。
ソロや室内楽とオーケストラの活動バランスは、今のところ4:6くらいでしょうか。大変な時もありますが、体力的には大丈夫です。よそでのコンサートマスターの仕事ですか? サイモン・ラトルやダニエル・バレンボイムからも誘われましたが、僕としてはベルリンフィルの仕事だけで十分です(笑)。10月の「ル・ポン国際音楽祭」の芸術監督の仕事もありますし、ソロや室内楽の演奏活動をもっと充実させていきたいと思っています。
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古えの楽都プラハの名門オーケストラによる悠久の響き
プラハ交響楽団 ニューイヤー名曲コンサート
2019年1月7日(月) 19:00 サントリーホール
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