2019/2/27
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中野翔太&阪田知樹インタビュー? ~ 中野翔太・松永貴志・阪田知樹 ピアノ・トリオ・スペクタクル
カファレル Presents アフタヌーン・コンサート・シリーズ2018-19後期も、残すところ3月8日の「中野翔太・松永貴志・阪田知樹 ピアノ・トリオ・スペクタクル」公演のみとなりました。
トリを飾るコンサートに出演する、ピアニスト中野翔太と阪田知樹にインタビュー。
コンサートの聴きどころはもちろんのこと、自身も作曲家としての顔を持つ2人ならではの、熱い作曲談義が繰り広げられました。
阪田「はい、アフタヌーン・コンサートということで、親しみやすい、所謂“メインストリーム”の作曲家、ショパンとリストの有名な曲を僕のソロ曲では選びました。」
中野「コンサートの最後で3台ピアノで演奏するのは《ラプソディー・イン・ブルー》です。僕たちは、3人全員が作曲家であり編曲家。楽譜の上では、簡単な振り分けだけをしておいて、あとは実際に音を出しながら作り出していく自由度を残すことにしています。」
阪田「楽譜はあくまでもドラフトだということ。その場限りのイマジネーションや、その日の気分、そしてピアノの音を通した3人のコミュニケーションから生まれる演奏になります。」
中野「3台ピアノでの《ラプソディー・イン・ブルー》は、世界的に観ても演奏されるのは珍しいと思います。本番の舞台上で、新しいものが生み出されると思うので、とても楽しみです。僕は、《ラプソディー・イン・ブルー》は、クラリネット、サックス、2台ピアノ、3台ピアノ、もちろんオーケストラともやらせて頂いていて、演奏したバージョンは多いのですが、この曲の面白いところは、いかようにも組み立てられること。どのようにカットしても曲として成立する。それだけ、部分ごとの完成度が高く作られている曲だと思います。」
中野「僕たちが2台ピアノで演奏するミヨーの《スカラムーシュ》は、阪田さんも思い入れがあると聞いていますが?」
阪田「そうですね、ミヨーはフランスの作曲家なのですが、明るいラテン的な要素が強く出ている曲です。ちょうど、コンサートのスポンサーさんがイタリアのチョコレートブランド(カファレル)ということも、ラテンという意味では丁度良いですね。今回演奏する《リベルタンゴ》もそう。ラテンの香りとアメリカを軸にしたプログラムになっています。」
中野さんは、今回の共演者の松永さんとはどのように出会われたんですか?
中野「ジュリアード音楽院留学時代に、彼がニューヨークに突然現れました(笑)。なんと、セントラルパークで野宿をするつもりで、泊まる場所も決めずにニューヨークに渡ってきたらしいのです。僕の知り合いが、さすがにそれは危ないからやめたほうがいいよと言って、ジュリアードの寮に泊めてあげることになり、それで出会いました。変わった出会いでしたが、気が合って仲良くなり、いまでも良く一緒に演奏しています。」
阪田さんと松永さんは今回が初共演とか。
阪田「はい!楽しみにしています!」
さて阪田さんは、2016年にリスト国際ピアノコンクールで優勝されました。あれから3年が経ちますね。
阪田「あのコンクールは、80年超の歴史があり、様々な名ピアニストが優勝している権威あるコンクールです。素晴らしい審査員の方々による満場一致での優勝だったことは誇りに思いますし、素直に嬉しかったです。あれから、ヨーロッパ・アメリカなど、様々なところでの演奏機会をいただく環境にあり、日々感謝しながら生活しています。いまはドイツを拠点に行ったりきたりです。飛行機を、ある種の自分の“家”だと捉えるようにしています(笑)」
[注:ここから2人の作曲談義が熱くなります!]
阪田「以前、作曲を飛行機の中で試みたことがありました。でも、あの轟音の中で書いた曲は、どこかしら、出来上がった音が汚かったんです。僕は、場所を関係なく作曲は出来るタイプなのですが、飛行機の機内だけはダメでした。あの轟音が、頭の中で鳴らしている音を邪魔するのでしょう。作曲には周囲の環境が影響するんですね。居る場所によって、良いと思うもの(音楽)が違うんだと思います。食べ物や飲み物も一緒で、例えば、緑茶にはこのお菓子が合う、ワインにはこの肉が合う、というのと一緒ですね。」
ここから熱くなる作曲談義は、インタビュー?へつづく・・・
お楽しみに!
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若きヴィルトゥオーゾ3人のピアニズムが舞台の上で迸る
中野翔太・松永貴志・阪田知樹 ピアノ・トリオ・スペクタクル
2019年3月8日(金) 13:30東京オペラシティ コンサートホール
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