2019/6/3
ニュース
エイフマン・バレエ来日記念講演会レポート
2019年6月2日、朝日新聞社読者ホールで、エイフマン・バレエ来日記念講演会が行われました。ご来場いただいた沢山のお客様は、とても熱心に耳を傾けていました。
小説『アンナ・カレーニナ』では、“生と死”、“幸福と不幸”、“都会と農村”のコントラスト、そしてトルストイが生きた時代の社会問題や、当時の状況などがリアリスティックに生き生きと描かれています。
「アンナ・カレーニナ」を観劇するにあたり注目すべき点を挙げてくださいました。
? 心理ドラマの描写。登場人物の心理がどのように変化しバレエで表現されていくのか。
? 小説では、牧歌的で平和な日常を破壊し、機械文明を象徴するものとして描かれている“鉄道”という存在が、バレエではどのように表されているのか。
? アダプテーション(文学をバレエとして翻訳)されているということで、言語がどのように身体を通して表現されているのか。
? 原作では悪者として描かれている夫・カレーニンがどのように表現されているのか。
以上をぜひエイフマン・バレエ「アンナ・カレーニナ」で観ていただきたいとお話してくださいました。
後半は、アジア有数のロダン・コレクションを有する“ロダン館”で有名な静岡県立美術館の上席学芸員、南美幸さんによる、ロダンの77年の生涯と芸術作品の写真や人間関係のお話を交えながらの解説。
革新的と評価されるロダンの代表作《地獄の門》や《カレーの市民》などを取り上げつつ、エイフマン・バレエでも描かれている2人の女性クローデルとローズとの関係や、ロダン晩年の関心事であったダンスの作品について触れ、ロダンの生涯をご紹介くださいました。
最後は、舞踊評論の桜井多佳子さんによる“エイフマン・バレエのいま”についてのお話。
エイフマン・バレエの魅力は、「アダプテーションの面白さ。小説『アンナ・カレーニナ』を読むとバレエが観たくなり、バレエを観ると小説が読みたくなる。「ロダン」についても、彫刻を身体で表現しており、エイフマンがどのように振付をしているのか、観るとあっと驚くような素晴らしさがある。」とのこと。
「このバレエ団は男性184cm、女性173cm以上のダンサーが在籍する世界でも類を見ないバレエ団。その高身長から繰り出される、超絶技巧をぜひ観ていただきたい。エイフマンの作品は、不条理な愛情関係が俗っぽくなく、美しく、切なく描かれており、観たものの心に刺さるような振付になっており、それを高身長のバレエ・ダンサー達が目の前でサーカスを行うかのような難しいリフトや身体の動きで表現していることがすばらしい。」
音楽の使い方もとても効果的で、「アンナ・カレーニナ」は、全編チャイコフスキーの作品を、「ロダン~魂を捧げた幻想」は、ラヴェル、サン=サーンス、マスネなど、誰もが必ずどこかで聴いたことのあるフランス音楽が使われており、両演目とも音楽もとても楽しめるものとなっているので、ぜひ会場で観ていただきたい!とお話くださいました。
たくさんのお客様にご来場いただき、ありがとうございました。
いよいよ来月、エイフマン・バレエが来日いたします!
ぜひご期待ください!
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「ロダン ~魂を捧げた幻想」と「アンナ・カレーニナ」の使用楽曲のプレイリストを公開中!
エイフマン・バレエ 使用楽曲プレイリストはこちらから
21年ぶり待望の来日!世界に衝撃をあたえ続ける
エイフマン・バレエ 日本公演 2019
7.18 [木] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.19 [金] 19:00 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
7.20 [土] 17:00 「アンナ・カレーニナ」
7.21 [日] 14:00 「アンナ・カレーニナ」
会場:東京文化会館
(問)ジャパン・アーツぴあ 0570-00-1212
【全国公演】
7.13 [土] 15:00 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 「アンナ・カレーニナ」
(問)びわ湖ホールチケットセンター 077-523-7136
7.15 [月・祝] 15:00 グランシップ(静岡)中ホール・大地 「ロダン ~魂を捧げた幻想」
(問)(公財)静岡県文化財団 054-289-9000