2020/1/30

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小林研一郎「傘寿記念プロジェクト」記者会見レポート

4月9日に80歳となる指揮者、小林研一郎が1年間にわたり取り組む「傘寿記念プロジェクト」の記者会見が、1月28日(火)都内にて行われました。
今回は、マエストロの夫人で小林音楽研究所代表取締役を務める、 小林櫻子氏も同席致しました。冒頭に、ジャパン・アーツ代表取締役社長の二瓶純一より、マエストロ小林研一郎の活動について紹介致しました。
「小林研一郎さんの国内デビューは1971年の群馬交響楽団での演奏会で、来年は50周年を迎えることになります。小林研一郎さんとジャパン・アーツとの関わりは、1977年に東京都交響楽団が初めての海外公演を行うにあたり、ジャパン・アーツがマネジメントをし、その際の指揮者が渡邊暁雄先生と、小林研一郎さんだったことから始まります。これまでにハンガリー国立響(現:ハンガリー国立フィル)や、モスクワ・フィル、チェコ・フィル、 マリインスキー歌劇場フィル 、アーネム・フィルといった海外オーケストラとの日本ツアー、日本フィルや読売日響はじめ国内オーケストラと共演を重ね、第一線で活躍を続けてこられました。傘寿を記念した『80th祝祭演奏会』シリーズはじめ、今年も多くの公演を控えていますが、元気なお姿を皆様にご覧いただきたいと思います。」

そして、小林研一郎より、傘寿を迎えるにあたっての想いを一言。
「80歳の階段を登りつめた者だからこそ見える景色、輝く世界に期待し、オーケストラの皆様方と、これからも新しい光を見出していきたいと思います。」その後、司会及びジャーナリストからの質問に、マエストロ小林ならではのユニークな言葉で語りました。

Q.4月 祝祭演奏会Vol.2で取り組むチャイコフスキー交響曲全曲演奏は初の試みとなりますが、チャイコフスキー作品への想いは?

小林研一郎(以下小林):ベートーヴェンの交響曲とはまた異なる、チャイコフスキー独特の「苦しみの大叙事詩」を、今までとは全く異なるチャイコフスキー観として皆様に感じていただけるように、演奏できればと思っています。9歳の時にラジオで聴いたベートーヴェンの第九に魅せられ作曲家を志そうと誓った時の瞬間と同じように、チャイコフスキーの世界にものめり込んでいきました。私にとって、この挑戦は人生にとってかけがえのない時間になります。

Q.11月 祝祭演奏会Vol.3<ハンガリー国立フィル日本ツアー>に向けて、演奏するベートーヴェンや、マーラーの「復活」への想いは?

小林:ベートーヴェンの交響曲は今でも常に新しい発見があります。7つの音で彩られ高まる精神、輪廻、縦横無尽に人々の心のひだに入り込む静寂の美…語り出したら止まりません。ハンガリー国立フィルとは、ブタペスト国際指揮者コンクール優勝後からの付き合いで、40年以上、皆さんと心を密にしてきましたが、新しいことをするときはマーラーの「復活」を演奏するという暗黙の決まりのようなものがあり、今回改めて、また新しい気持ちで挑むわけですが、マーラーの作品の「心の真髄」には、僕達の目を覚まさせてくれるような感覚があります。そのくらい、想い入れの強い曲です。Q.毎日元気に過ごすための「秘訣」とは?

小林:父は体育教師で、母も学校の教員でした。肉体的にも精神的にも心豊かな両親のもとに生まれたおかげで、これまで活動してこられました。感謝の念に尽きません。そして何より、女房からの徹底した健康管理!には非常に助けられています。

Q.長年、厚い信頼関係で結ばれた日本フィルハーモニー交響楽団について

小林:卓越した才能に満ちた集団の皆様と、音楽のやわらかさ・普遍性・作曲家とのつながり・行間の宇宙などについて共に考え、歩み、自分を育ててくれたオーケストラ。「命綱」であり「安らぎ」のオーケストラです。これからも、 日本フィルの皆様に一筋の光の道を 照らすことができたら…と思っています。

Q.演奏の解釈は年齢と共に変わるものですか?

小林:作品と向き合うとき、突き詰めていった先に「これだ!」と思った瞬間、また、違う声が。小さな船で大海へ漕ぎ出していって、行ったり来たり。岸が見えずにうろたえている自分との葛藤。解釈は無限にひそんでいて、年齢を重ねても、その繰り返しです。Q.「炎のマエストロ」の愛称について

小林:自分自身が「炎」だと思ったことはないのですが、むしろ、冷静に冷静に、炎に水をかけるような心持ちです。静けさが中心にあるから炎が瞬く。爆発的に燃えた瞬間とは、氷のような時間があったからこそ。心が破裂しそうな、空気に溶けていくような音こそが僕の人生であると思っています。静寂や苦しみのなかに、常識を越えた活火山のような激しい強い思いが演奏に表れた時、「炎のコバケン」だと、皆様がふと感じられる瞬間なのかもしれません。人生100年時代、「希望の星」として先頭に立ち活躍を続ける指揮者、小林研一郎。
これから私たちにどんな新しい世界を見せて聴かせてくれるのか…今後の活躍に、益々目が離せません!

<マエストロ小林研一郎 80th祝祭演奏会>
◆VOL.1 ハンガリー放送交響楽団 日本公演 ※終了
2019年9月1日(日)サントリーホール(名古屋、東京2公演で開催)
東京公演では上皇上皇后両陛下がご臨席になり、たくさんのメディアで紹介されました。
詳細はこちら

【公演延期】◆VOL.2 チャイコフスキー交響曲 全曲チクルス
小林研一郎 傘寿 × チャイコフスキー生誕180周年記念

4月7日(火)19時開演 サントリーホール 公演延期についての詳細はこちら
4月9日(木)19時開演 サントリーホール 公演延期についての詳細はこちら
4月10日(金)19時開演 サントリーホール 公演延期についての詳細はこちら
4月11日(土)17時開演 サントリーホール ソリスト:上原彩子 公演延期についての詳細はこちら
4月12日(日)17時開演 サントリーホール ソリスト:神尾真由子 公演延期についての詳細はこちら
ほか、名古屋、大阪で開催
オーケストラ:日本フィルハーモニー交響楽団

◆VOL.3 ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団 日本ツアー
11月13日(金)19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
マーラー:交響曲第2番「復活」
ソプラノ:市原愛 / アルト:山下牧子 / 合唱:東京音楽大学

11月16日(月)19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール
ベートーヴェン:序曲「エグモント」
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 作品26 *
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調作品92
*ヴァイオリン:千住真理子

上記2公演チケット発売日:4月上旬予定

そのほか、各地で開催予定。
詳細は後日ホームページで発表致します。

そのほかの主なコンサートスケジュールはこちら
https://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=4653

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