2020/4/27
ニュース
Artist Voice – アーティストたちの声 Vol.3
本日は、指揮者の藤岡幸夫、渡邊一正、ヴァイオリニストの川田知子、オンド・マルトノの原田節からのメッセージをお届けします。
アーティストの皆さんには、主に以下の質問にお答えいただきました。 ①今、何を想い、どのようなことを考えているか。ご自由にメッセージを。 ②リラックスの方法(日々どんなことをして過ごしているか、など) |
藤岡幸夫(指揮者)
①先ずは、最前線で闘って下さっている医療関係者の皆様に心から感謝申し上げます。感謝しても仕切れません。また普段我々の生活を支えて下さってる皆様にも心から感謝しております。ありがとうございます!
こんなに長い時間を家で過ごすのは生まれて初めてですが、この時間をいかに有意義に使うか?
近い将来終息した後に、「コロナがあったから○○できたね」をどれだけ増やせるか?を最も重要と思っております。新しい作品他の勉強に時間をたっぷり使い、その他の時間は主に片付けをしております。
また聴衆の拡大のために何ができるか?何か新しい事はできないか?そんな事ばかり考えております。今後、我々クラシック界はどれだけファンを増やせるかが、更に深刻な課題となるでしょう。毎週土曜日の朝8時半からBSテレ東で音楽番組「エンター・ザ・ミュージック」の指揮と司会をしております。よろしければ是非!
②毎日1時間くらいの散歩をしております。後は息抜きに、昭和の映画やドラマを楽しんでいます。昭和特有のエネルギーや活力溢れたアナログな空気感が大好きです。
コンサート活動が停止した今、改めて音楽をやっていられる事がどんなに幸せな事なのか、実感しております。これからもより多くの方々に音楽の素晴らしさを伝えられるように、より一層精進してまいる決意であります!皆様に感謝!!
渡邊一正(指揮者)
①演奏会に向けて自分の緊張感を高め譜読みをする、という日常が当たり前だと思っていました。今回の事態で公演中止や延期が続き、当たり前だと思っていた演奏活動が当たり前でなくなった時、やはり自分にとって音楽とは生活の中でなくてはならないもので、いかに尊いものかという事を思い知らされました。
医療の最先端で、自らの感染のリスクがありながらも、患者さんのために必死で働いて下さっている医療従事者の方々に、心からの感謝の気持ちをお伝えさせて頂きたいと思います。
いつか我々の音楽が必要とされる時期が早く来ると良いなと思っています。
それまで皆さん、STAY HOME!
②それこそ今は家にいるかまたは入院中の母に洗濯物を届ける、という事しか出来ていませんが、自分の趣味である鉄道廃線跡の本をゆっくり読んでいます。その場所へ行った気分になれるので、なかなか癒されます。
宮脇俊三さんの「鉄道廃線跡を歩く」という本、なかなか素晴らしいです!!
川田知子(ヴァイオリン)
①2月29日以降、全ての本番がキャンセルになりました。キャンセルの波は大きく、7月の下旬までに及びます。
世界中の人がStay Home!一丸となってコロナウィルスに対抗しようとしています。感染しないように、十分な対策をして、人と接触しない事を守っていますが、今改めて強く思う事は、普通に電気が付いて、買い物も出来て、美味しいご飯が食べられて、友人の無事を確認出来る、なんて幸せなんだろうと。生きている事に感謝する毎日です。
②基本的に繁忙期の戦闘モードを忘れてしまうくらい本番が無いので(携帯の予測変換も本番という文字がなくなった(泣)リラックスはしています。
これと言って特別な事はしていませんが、休みでないと出来ない事をしています。長いオペラを観たり、楽譜を整理したり。
毎日長めの散歩もしています。皆さん、芸術文化は死にません。必ず再び演奏会が出来る様になります!その時を楽しみにしています!
原田節(オンド・マルトノ)
①14世期のペストは、教会が支配していた中世の時代を克服しようという動き、ルネサンスを生み、ダ・ヴィンチなどの7天才を誕生させました。現在コロナの自粛は、内面と向き合う時間をたっぷり与えられたチャンスかもしれません。この試練のあと、何か大きく良い方向へ変えられなければ、ただ地球滅亡へ突き進むだけだと危惧しています。宇宙からのメッセージに耳を研ぎ澄ます時だと感じています。
②リラックスにはただひたすらに練習、いつ何時出動するか分からない、そのための準備はかかせないのです。 オンド・マルトノは毎日弾いてあげないと音程が狂い湿気にも敏感、人間と同じで日々の暮らしが楽器の命。そして政府やコロナウイルスへの思いは、演奏で心を爆発させれば、街で暴れなくて済むでしょう?!それと今一度音楽に感謝、まだとっても若かった頃、あんなにも影響を受け、人生の羅針盤となった、例えば、ショパンのコンチェルト第二番、ラヴェルの2曲のピアノコンチェルトといった作品に再び取り組んでいます。日々「やらねばならない」音楽に追われるのではなく、忘れかけていた音色や響きの拡がりを再び体感する時間があることにこれも感謝です。皆様おひとりひとりの胸に安堵と希望の星が再び宿ることを祈念しつつ。