2020/4/30
ニュース
Artist Voice – アーティストたちの声 Vol.6
今回は、指揮者の篠﨑靖男、原田慶太楼、ソプラノの安藤赴美子からのメッセージをお届けします。
アーティストの皆さんには、主に以下の質問にお答えいただきました。 ①今、何を想い、どのようなことを考えているか。ご自由にメッセージを。 ②リラックスの方法(日々どんなことをして過ごしているか、など) |
篠﨑靖男(指揮者)
①数カ月前までは、当たり前のように生活をし、指揮をし、自由に海外でも活動しておりました。そして、当然の如く、満足だけでなく、同時に不満も持って生きていました。ところが、今となっては、本当に幸せだった事が良く分かりました。終息後は、不安なく家族と生活をし、自由に友人と会い、指揮を出来る事のありがたさを大切にする自分になっていると思います。そして、どんな音楽でも、たとえ、CMで流れている音楽でも、立ち止まって聴いている自分がいます。自分にとって、人々にとって、これほどまで音楽の存在は大きいのだと良く分かりました。
再び、指揮台に戻った時には、オーケストラの皆様と存分に音楽をしたいと思います。楽しみにしておいてください。それまで、頑張りましょう。
②家の近くに緑が多いので、犬の散歩を兼ねて歩いているだけで、心が落ち着きます。この際、バッハのピアノ曲を弾いてみたり、普段あまり聴く事が少ない室内楽を聴いたりしていますが、トルストイ「戦争と平和」が、今までになく楽しく読める事が不思議です。
今、世界中から音が無くなった時間です。そんな時、ライブストリーミングをしているジャズピアニストを聴いておりますと、「今、演奏してくれている」というのは心に触れてくることに気付きました。生の音楽の意味合いが良く分かりました。ただ、夜に聴いていると、酒量が増えていきます。
安藤赴美子(ソプラノ)
①数ヶ月前、ワーグナー作曲『ニーベルングの指輪』最終章「神々の黄昏」演出稽古中にコロナウィルスが蔓延し始めていました。主催者のびわ湖ホールと関係者一同はこの大きなプロジェクトを前にし苦しみながらも6時間に及ぶ公演を決断し、無観客とYouTube配信で実現した記念すべき上演となりました。その後世界的に信じ難い状況で未だ不安の多い日々です。ほぼ全てが停止している現在、とにかく健康を維持したくさん力を蓄えその時を待ちたいです。この時代の変わり目に私たちが生存する理由、アーティストにどのような影響が起こり今後変化するのか想像ができませんが平和な世の中に向かう事を祈ります。
②昨今、命を考える機会が増えておりますが、近いうちに保護犬を家族に迎えたいと計画しています。私も人の少ない時間帯に公園で心拍数をチェックしながら体を動かしスタンバイです。
自宅ではピアノを弾いてみたり、ラフマニノフ作曲「アレコ」演奏会形式が中止になり、来年予定されているワーグナー作曲「ローエングリン」へ気持ちを切り替えております。
皆さまとにかく今は家で健やかにお過ごし下さいませ。