2013/7/29

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「仮面舞踏会」アメーリア役 オクサナ・ディカのインタビュー(トリノ王立歌劇場)

トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」でアメーリア役を歌う、オクサナ・ディカの電話インタビューをお贈りします。

オクサナ・ディカ

オクサナさんはこれまでにいろいろなマエストロと仮面舞踏会を歌ってこられました。ノセダさんとは、共演されたことがありますか?
―いいえ!まだノゼダさんとはご一緒に仕事をしたことがないんですよ。でも、彼のことはよく知っています。とても好人物で、素晴らしい音楽家。仕事に対してとても真摯で、誰にでも公平で、社交的。歌い手に対しての接し方も素晴らしい方だと思います。マエストロとは12月にMETで共演することになっていて、それが初めて…でも考えてみたら、日本での「仮面舞踏会」が初めての共演になりますね。とても楽しみです。

仕事上で初めての指揮者との共演、不安などはありませんか?
―いいえ!実は私の夫(今回のツアーにも一緒に来日されるガブリエーレ・ヴィヴィアーニさん/レナータ役)は、ノセダと共演したことがあり、いろいろ話を聞きました。とても歌いやすい指揮者だ、と。『日本に向けてリハーサルもたくさんあるだろうけど、何の心配もない、マエストロ・ノゼダとなら極端な話、ぶつけ本番でも大丈夫。ステージでは常に歌手と“一緒”にいてくれる。どんなときにもフォローしてくれる。全く問題ない、だから“大船に乗った気持ちで”ステージに向かえばいい』と。夫以外の仕事仲間からも、同じようなことを言われました。だから何も心配はしていません!わくわくしています!

来日されたことはありますか?
―今回が初めてなの!とても楽しみにしています。日本のイメージですか?人々が親切で、街中は清潔で…いろんな方々から噂は聞いています。そう、日本はまるで別の星だって!もちろんいい意味でね(笑)
私が日本に行くことを聞いた友人たちは、みな羨ましがりますよ。そして、日本の聴衆も素晴らしいって!「どんな指揮者にも、アーティストにも心を閉ざすことなく、一生懸命聞いてくれる。だからこちらも、もっともっと心を込めて歌いたくなる、そんな素晴らしい聴衆だ」と聞いています。そんな皆さんの前で歌えることに、とてもドキドキしています。

オペラ歌手を目指したきっかけをお話しいただけますか?
―私が本格的に歌の勉強を始めたのは、とても遅く、高校を卒業後、18歳の時です。もちろんそれまでも歌を歌うことはとても好きでした。でも音楽の特別教育は受けず、普通の学校に通いました。もちろん、プロのオペラ歌手になるなんてこと、考えたこともありませんでした。
小さい時に両親の希望で民族楽器のバヤンの教室に通ったことがあります。でも、たしか3年で止めてしまいました。それがあえて言うなら、唯一の私の幼児音楽教育でしょうか。
18歳で歌を本格的に勉強してみようと思い立ち、音楽高等専門学校に入り、その後キエフの音楽院、声楽科に入学。2003年か04年に、マルセーユで行われた国際声楽コンクールで3位に入賞して、そこから私のキャリアが始まったと言えましょう。そのコンクールの関係者が私に声をかけてくださり、モンペリエで「トスカ」を歌いました。ちょうど23歳の時です。
それが私の世界デビューでした!

オクサナ・ディカ

いきなり「トスカ」でデビューですか?!
―キャリアを「トスカ」で始めてしまうと、のちのち大変な思いをする、と言われたりもしていますが、私の場合、おかげさまでそんなことはなくこれまで来ました。今私は35歳。ここまでずっと「トスカ」は私のレパートリーの中でも重要な演目で、ずっと歌い続けています。
実はキエフの音楽院の3年生の時に、キエフの歌劇場にソリストとして入団しました。そこでは「パヤッツィ」(レオン・カバッロの道化師)や、チャイコフスキーのマゼッパ、ヴェルディのアイーダなどを歌いました。その劇場では2,3年歌いました。その後は海外にでるようになり、キエフを離れました。

これまでに歌った演目は、イタリアものが圧倒的に多いです。ヴェルディ、プッチーニ…。ロシアの演目は、オネーギンとマゼッパぐらいかな…?
イタリアオペラは、「蝶々婦人」「トスカ」「アイーダ」「ドン・カルロ」「イル・トロヴァトーレ」「オテロ」…

レナータ・テバルディの再来と言われていますが…?
―はい、私も耳にしたことがあります。テバルディは、私が一番目指す、好きな歌手の一人。これまでにたくさんの歌手を聞いてきましたが、テバルディは私にとって特別な存在です。あこがれ、そして目標です。ですから、そんな方と比べていただけるなんて、本当に名誉なことです。そのお言葉に恥じないように、頑張らなければいけませんね。
“再来”と言われるゆえん、もしかしたら体格が似てるから?(笑)
テバルディも私も大柄ですから・・・

日本の皆さんにメッセージを!
―「仮面舞踏会」は、ミラノ・スカラ座でも歌いました。あのようなひのき舞台で歌うことに対して、いつも大きな責任を感じます。
そしてこのたび、日本へ行く機会に恵まれました。今から私の胸は大きな責任感と、期待でいっぱいです。みなさんの前で歌うことが、今から本当に楽しみです!日本の聴衆の皆さんは、とてもアーティストを愛し、ステージと一体になって一生懸命聴いてくださる、と仲間たちから聞いています。客席から大きなエネルギーを得て、それがさらに力となって発揮できる、と。私を待っていてくださる皆さんの期待に沿えるよう、心を込めて歌います!日本でお目にかかりましょう!
みなさん、ありがとう!

どうもありがとうございました。


≪トリノ王立歌劇場 2013年日本公演≫

トリノ王立歌劇場
<「仮面舞踏会」より>
https://www.japanarts.co.jp/special/torino_2013/
 [公演日程] 会場:東京文化会館
 《仮面舞踏会》
 □12月1日(日) 15:00
 □12月4日(水) 18:30
 □12月7日(土) 15:00

 《トスカ》
 □11月29日(金) 18:30
 □12月2日(月) 15:00
 □12月5日(木) 18:30
 □12月8日(日) 15:00

 《特別コンサート“レクイエム”》
 □11月30日(土) 14:00 サントリーホール

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