2013/8/19

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佐藤美枝子インタビュー「愛のドニゼッティ」に向けて

 日本の「ルチア歌い」No.1の佐藤美枝子さんに、錦織 健さんとのデュオ「愛のドニゼッティ」について伺った。

佐藤美枝子

オペラファンに取ってはたまらなく魅力的なプログラムですね。
錦織さんと一緒に考えました。私がルチアを主なレパートリーにしていることから「じゃあ、ドニゼッティで統一しましょう!」ということに。
 第1部はテノールのアリア“人知れぬ涙”が有名な《愛の妙薬》と、コミカルなストーリーで美しい歌が一杯の《ドン・パスクワーレ》から数曲ずつ。第2部は《ランメルモールのルチア》の聴き所が満載です。

第1部は喜劇、第2部は大悲劇です。お客様にどうやって3つのオペラの全体像を伝えますか
第1部は2人のトークを交えて、オペラを聴くのが初めての方にも楽しんで頂けるように、色々工夫します。第2部はコロラトゥーラの技巧を駆使した「狂乱の場」を始め、ベル・カントの魅力を堪能して頂けるプロなので、歌そのもので主人公たちの悲劇を伝えたいです。

佐藤さんはその美声とテクニックを保つために、どんな訓練をされているのですか?
 毎日必ずルチア登場のアリア(“あたりは静けさに包まれ”~“この上ない情熱に心を奪われ”)を歌って、その日の声の調子を確かめます。オペラ公演ではこれがルチアの第1声なのでとても緊張しますし、歌も「狂乱の場」よりも難しい位です。そのプレッシャーに負けない為に始めましたが、今では歌手である限りこの習慣を守るつもりです。

当日のお客様へのメッセージを。
 この3つのオペラは「愛」がテーマですが、愛の形も、恋人たちの人物像も、音楽も、各々異なります。私は音楽が鳴った瞬間役に入り込むタイプなので、表情や動作の変化も見て頂きたいし、何よりも聴き手の琴線に触れる歌唱を行って、終った後皆様に「3つのオペラを観た」と思える様な満足感を味わって頂けるよう、全力を尽します。

インタビュー:ひのまどか(音楽作家)


アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2013-2014 前期 Vol.4
佐藤 美枝子&錦織 健 「愛のドニゼッティ」
2013年9月26日(木) 13時30分開演 東京オペラシティ コンサートホール
[出演]S:佐藤美枝子/T:錦織健/ピアノ:河原忠之
【プログラム】
ドニゼッティ
第1部
歌劇「愛の妙薬」より
二重唱”そよ風に聞けば”/第2幕 アリア”人知れぬ涙”/アリア”受け取って、あなたは私のために”
歌劇「ドン・パスクワーレ」より
アリア”あわれなエルネスト”/カヴァティーナ”騎士はあの眼差しを”/セレナータ ”何というやさしさ”/二重唱”もう一度愛の言葉を(ノットゥルノ)”
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第2部 歌劇「ランメルモールのルチア」より
アリア”わが祖先の墓”/第2幕 アリア”あたりは静けさに包まれ”/二重唱“裏切られた父の眠る墓(愛の二重唱)”/シェーナとアリア”狂乱の場”/アリア”お前は昇天の翼をひろげた”
公演の詳細はこちら

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