2020/11/2

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鈴木優人&BCJ 《リナルド》横浜公演は大成功!明日は東京へ

ヘンデルがロンドンに渡り、大成功を収めたオペラ<リナルド>。
神奈川県立音楽堂での上演は、300年の時を経た今も観る人の心を躍らせてくれました。
こんな楽しいオペラだったのか!と、第一幕の最初からマスクの中では口角が上がりっぱなしです。

今回はセミ・ステージ形式での上演。
駆使された照明、シンプルでも一目で場面がわかる舞台セット、そしてステージ上のオーケストラが一体となり物語を描いています。
序曲が終わると、そこはゲーム好き青年リナルドの部屋。物語は現代と十字軍の時代を行き来します。
ゲームにのめり込んだリナルドは、美しいアルミレーナに本気で恋をしてしまい・・・。
とらわれたアルミレーナを救う戦闘シーン、セイレーンとの遭遇、あっという間に約4時間がたってしまうオペラです。

主役リナルドの藤木大地は、おタク青年と勇敢な戦士を巧みに歌い、今最も旬な国際級のカウンターテナーです。
音楽とともに、舞台姿、演技のすべてが役に溶けこんだ森麻季が歌う「涙の流れるままに」は涙を誘われます。

そして今回、大型若手ソプラノともいえる、優れた音楽的技術と勢いの中江早希によるアルミーダが大人気を博しました。
カウンターテナーのふたり、ゴッフレートの久保法之、エウスタツィオの青木洋也はそれぞれの声質で耳を楽しませてくれ、
バロック作品で大ベテランの波多野睦美による魔法使いは大きな存在感。
アルガンテの加藤宏隆はしっかりとした音楽性で低音部の華やぎを加えました。
セイレーン役の松井亜希と澤江衣里はBCJとの共演を重ねているだけあり、音楽と一体の世界を届けてくれます。

躍動感あふれるバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏は、クラシック音楽というよりも、時にジャズ・セッションのような即興的なところもあり、特に第2幕の終わり、2台のチェンバロによる超絶の掛け合いの様子は聴き手をとらえ、休憩中はお客様が瞳を輝かせていました。
名手揃いのバッハ・コレギウム・ジャパンですが、長年バッハの声楽を伴う作品の演奏を続けている経験に裏打ちされたオペラだと伺えます。
また、バッハの同時代を生きた作曲家ヘンデルが、こんなにも多様で豊かなオペラの世界を描いていたことに改めて気づかされるものでした。

明日は、東京オペラシティ コンサートホールで最後の公演です。
安全には十分に配慮しながら、私たちスタッフ一同、お客様をお迎えしたいと思います。
この秋最高に楽しい、観た後に心が温まるオペラ《リナルド》に、どうぞお越しください。


鈴木優人 プロデュースオペラ Vol.2 歌劇「リナルド」 オフィシャルサイト
https://www.japanarts.co.jp/special/rinaldo/

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