2013/9/12
ニュース
これを聴かずしてチョン・ミョンフンは語れない!
チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団/公演担当者の“ここだけの話”
世界の著名指揮者の中でチョン・ミョンフンほど頻繁に日本を訪れる指揮者はいないのではないでしょうか。今年だけでもフェーニーチェ歌劇場、アジア・フィルハーモニー管弦楽団 、NHK交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と演奏を行います。また海外のオーケストラとの来日も多く、近年は音楽監督を務めるソソウル・フィルハーモニー管弦楽団の他、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団などとも公演を行っています。それぞれの公演は大成功を収めています。
しかし、チョン・ミョンフンの“理想”とする音楽を奏でられる楽団=パートナー。それは間もなく来日するフランス放送フィルハーモニー管弦楽団に他なりません。「客演指揮者と音楽監督の仕事はまったく異なるものだ」とインタビューでも語っています。「客演指揮者は目の前に控えているコンサートを良いものにすることが求められます。まるでお友達のような関係。素敵な夕べ、あるいは何日間かを楽しく共に過ごす…。それでいいのです。」現在、チョン・ミョンフンが責任を持つ楽団は2つ。集中して取り組み、急成長中の母国韓国の若いオーケストラのソウル・フィルハーモニー管弦楽団、そしてフランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団。ソウル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏はマエストロの理想にはまだ少し距離があります。国際レヴェルのオーケストラを目指して日々奮闘中。ソウル・フィルハーモニー管弦楽団にはフランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団のコンサート・マスターを含める5人の主要なプレイヤーがメンバーに加わっています。それはチョン・ミョンフンの“理想”を理解し、実践することが出来るから。「演奏家としても、また人柄もベストと言える方々」と絶大な信頼を寄せています。「私はこの楽団に、職業上の尊敬よりもっと深い、人と人との繋がりを感じています。皆本当に気持ちのいい方たちで、仕事をする上で最高のコンディションを作ってくれます。」フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団こそ彼の理想とする“最も深く、豊かで温かな音色、ほとんど人の声のような音色”を奏でられるオーケストラなのです。
2000年の就任以来13年間の集中的な仕事を通じて、チョン・ミョンフン&フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団は独自の音色を生み出すことに成功しています。それは色彩豊かな軽やかさと強いエネルギーを併せ持つ独特の音色。2014-2015シーズンでの音楽監督退任を発表したこのコンビの来日公演は文字通りの“集大成”。「フランス=自国物との単純な考えではなく、いま一流の楽団ならあらゆる演目が可能であるのを鑑みた上で、『それでもなお』意図したフランス物です。」と力強く語るチョン・ミョンフン。
チョン・ミョンフンの演奏を聴いたことがある方もない方にもお薦めしたい本公演。絶対に外れ無しです。現在のマエストロの“ベスト”が聴けるのがこの公演です。だから本公演を聴かずしてチョン・ミョンフンは語れないのです。
文:フランス国立放送フィル担当者A
チョン・ミョンフン指揮
フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団
2013年9月29日(日) 14:00開演 横浜みなとみらいホール
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」 Op.9
ビゼー:カルメン組曲
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ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
2013年9月30日(月) 19:00開演 サントリーホール
ラヴェル:組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調(ピアノ:アリス=紗良・オット)
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調「オルガン付」 Op.78