2020/2/10

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【国際音楽祭NIPPON2020】《諏訪内晶子と教育への想い》

国際音楽祭NIPPON 2020~
いよいよ音楽祭の開幕が今週末の2月14日と迫った国際音楽祭NIPPON 2020。諏訪内晶子についての連載第4回目は、諏訪内晶子の”コンクール”や“マスタークラス”など教育へについての熱い思いが語られます。

諏訪内晶子 過去マスタークラスの様子

《諏訪内晶子と教育への想い》

2019年6月、かつて私自身が優勝したチャイコフスキー国際コンクールのヴァイオリン部門で、審査員を務めました。同じ審査員席に、1990年当時の審査委員長だったヴィクトル・トレチャコフさんがいらして、「こちら側の席にようこそ」と声をかけてくださいました。実はこれはとても意味のある言葉だったと、審査を終えて改めて気づきました。この、国を挙げて行われる歴史あるコンクールで審査する側に回るまで長く活動を続けられたことの誇り、そして審査する立場の責任感を持たなくてはならないということです。
日本で音楽教育を受け、挑戦した海外のコンクールで評価され、キャリアをスタートできた私には、以前から、自分が育った日本にいつか恩返しをしたいという想いがありました。
国際音楽祭NIPPONのマスタークラスも、その様な思いから若い世代へ向けてのメッセージとして、第1回目から継続して続けています。このマスタークラスでは、通常のレッスンとは異なり、現役の演奏家の指導を受けながら、実際の演奏会と同じように数日間でコンディションを整えることが求められます。受講生に、最後の本番演奏会でどのくらい成長できたかを自ら体験してもらうのが目的です。
子供の頃の私にとって、実際に演奏活動をしている方が経験から教えてくださったこと、具体的にこういう練習が重要だというアドバイスはとても印象的でした。例えば、10歳のときにミシェル・オクレール先生から習った練習方法を、いまだに続けています。
マスタークラスの受講生に伝えたいのは、自分に制限を設けてほしくないということ。今回はスヴェトリン・ルセフ氏と私が講師を務めますが、もしかすると私たちが伝えることは、普段の先生方の指導とはアプローチが違うかもしれません。ですがそこで、いつもとは違った種類の成長を目指してほしいのです。
私は教育機関で教えているわけではないので、日本の次の世代に向けてできることは限られています。ですがこうした機会を通じ、可能なことを続けていきたいと思っています。

取材・文:高坂はる香(音楽ライター)

《諏訪内晶子と室内楽》はこちらから
《諏訪内晶子と子供時代》はこちらから


国際音楽祭NIPPON2020特設サイトはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/special/imfn/2020vol1/

諏訪内晶子のプロフィールページはこちらから
https://www.japanarts.co.jp/artist/akikosuwanai/

諏訪内晶子 & ニコラ・アンゲリッシュ デュオ・リサイタル
2020年2月14日(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
諏訪内晶子プロデュース ベートーヴェン 室内楽マラソンコンサート
2020年3月8日(日)[第1部]13:00/[第2部]16:00/[第3部]19:30 東京オペラシティ コンサートホール
ジャナンドレア・ノセダ指揮 ワシントン・ナショナル交響楽団
2020年3月10日(火)19:00 サントリーホール
諏訪内晶子 室内楽プロジェクト Akiko Plays CLASSIC with Friends
2020年3月11日(水)19:00 紀尾井ホール
諏訪内晶子 室内楽プロジェクト Akiko Plays MODERN with Friends
2020年3月13日(金)19:00 紀尾井ホール
公開マスタークラス 【ヴァイオリン】
2020年3月14日(土)・15日(日)11:00 東京音楽大学 池袋キャンパスA館内教室
★マスタークラス聴講券2020年2/14(金)10:00~発売

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