2013/11/18
ニュース
トリノ王立歌劇場 コンサートマスターのインタビュー
“強いチーム・スピリットを誇る、トリノ王立歌劇場管弦楽団~ノセダと共に構築された、見事な調和”ふたりのコンサート・マスターに訊く。
一人目は、ステファノ・ヴァニャレッリ Stefano Vagnarelli
トリノ王立歌劇場管弦楽団で演奏し、最も誇りに思われることは何ですか?
今月で、劇場勤務27年になります。自分の仕事を愛し続けてきました。 トリノ王立劇場は、とても良い環境です。特にここ7~8年はこのオーケストラで演奏できることをほんとうに誇らしく思いますが、その理由は「夢が形になる」ことをますます実感できる場所だからです。いつも大勢のお客様に囲まれ、どのような演目も演奏する機会に恵まれ、国外のツアーにも積極的です。これ以上、なにを望むことがあるでしょう??
2007年にノセダが音楽監督に就任して以来、オーケストラはどのように変化しましたか?
当劇場オーケストラには数々の美点がありますが、その筆頭がマエストロ・ノセダです。彼は、音楽監督就任と同時に、わたしたち演奏家の能力を見抜いてくれました。なにしろ彼は、働き者です。活力に満ちていながら、目線厳しく、私たち全員を成長させてくれる人です。オーケストラ全体を指導する力はもちろんのこと、彼は、メンバーの一人一人に「あ、自分にすぐれた能力がある。」と信じさせてくれるのです!彼がトリノにやって来たこと、これがすべてを変えました。私たちは、音楽監督への感謝の念に堪えません!
ノセダさんとの仕事で、一番強く印象に残っていることは何ですか?
マエストロとは、数々のすばらしい公演を行ってきましたが、皆が誇りに感じているのは、ヴェルディのオペラ「シチリアの晩祷」を上演したときのことです。イタリア統一・共和国建国150周年の記念行事で、2011年の3月のことでした。情熱的なオペラは私たちの心に特別な感慨を呼び、観客から大きな拍手、批評家からも熱い讃辞を受けました!
もうひとつは、マスネの「タイス」です。これはイタリア国営放送 RAI が DVD を製作しました。とても有名なバイオリン・ソロ「タイスの瞑想」がありりますが、それを担当したときの喜びと充実感は、今も深く心に残っています。
演奏家として、今回の日本公演を通じてお客様に届けたいことは?
2013年の日本公演で私たちが演奏するのはいずれも傑作です・・・「トスカ」は、プッチーニが書いたオペラの中でいちばん美しいと、私は思います。またヴェルディの「仮面舞踏会」は、特に音楽的な厚みに優れ、舞台装置も秀逸ですよ。
2回行うコンサート、ヴェルディのレクイエムとロッシーニのスターバト・マーテル。これらも傑作集の傑作。私たち自身も演奏するたびに喜びを新たにし、心に感動が満ちるのです!!
2010年の初来日公演でも、コンサートマスターとして来日していますね。印象に残っている日本の思い出をお聞かせ下さい。
私自身、すでに数回、日本での演奏を経験していますが、大好きな国です。いちばん思い出に残っているのは、前回のツアー中、あらゆることがキッチリと段取りされていたことです。何から何まで完璧、しかも人柄が皆おだやか。そしてそれは日本の人たちの特質だということを知りました。尊敬しています。
演奏活動以外に、夢中になっていることがありましたら教えてください。
この5年に、二人の子供が生まれました。どちらも男の子です。人生においていま自分はとても幸せです。ですが、小さな子供が二人いると、自分の趣味は持てないですね。その前には、オーケストラの団員でチームを作ってミニ・サッカーを楽しんでいました。サイクリングも好きでした。今は子どもたちが宝物です。自由時間は目下、すべて彼らと過ごしています。
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≪トリノ王立歌劇場 2013年日本公演≫
<「仮面舞踏会」より>
⇒ 公演詳細:https://www.japanarts.co.jp/torino_2013/index.html
[公演日程] 会場:東京文化会館
《仮面舞踏会》
□12月1日(日) 15:00
□12月4日(水) 18:30
□12月7日(土) 15:00
《トスカ》
□11月29日(金) 18:30
□12月2日(月) 15:00
□12月5日(木) 18:30
□12月8日(日) 15:00
《特別コンサート“レクイエム”》
□11月30日(土) 14:00 サントリーホール