2013/11/26

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来日公演直前「トスカ」現地リポート![トリノ王立歌劇場]

11月22日(金)「トスカ」公開リハーサル トリノ王立歌劇場にて

日本公演に向けて出発する2日前。舞台装置と衣装は既に日本に発送されているので、音楽のみのリハーサルが公開された。
 オペラ公演において、オーケストラは、舞台下のオーケストラ・ピットに入り演奏するものだが、この日は舞台上に普段着のオーケストラと合唱がコンサート形式で配置。指揮者ノセダは客席に向かい、稽古について簡単な説明をした。まず音出しの前に、サルデーニャ島の豪雨による犠牲者のため、一分間の黙祷が捧げられた。

 いよいよリハーサル。袖裏に待機する歌手達が、出番に従い舞台に現れる。ノセダは、時折音楽を止め、出演者とともに修正点をやり直す。
 カヴァラドッシ役のマルセロ・アルヴァレスは、始めはやや緊張していたように見えたものの、アリア「妙なる調和」が終わると客席から大喝采を受け、ホッとした様子が伺えた。続いて登場したトスカ役のノルマ・ファンティーニは、リハーサルとはいえかなりの演技を交え、文字通りの熱演であった。特に第二幕のスカルピアとのやり取り、アリア「歌に生き、恋に生き」、さらに幕の終わりでは熱狂的な拍手と「ブラーヴァ!」の連続で、劇場は本番さながらの熱気に満ちた。第三幕のカヴァラドッシの「星は光りぬ」でも、客席は熱い拍手に包まれた。トリノの聴衆が、こんなに熱狂するのも珍しく、当夜のリハーサルは熱演だった。ファンティーニとアルヴァレスは、期待通り第一級のトスカとカヴァラドッシだ。

 オーケストラも、生き生きとした演奏で、ノセダの引き締まった指揮はドラマを効果的に盛り上げている。当夜特に強く感じられたのは、オペラ公演というものは、出演者と聴衆のコミュニケーションにより、最大のパフォーマンスが実現するという事実だった。

野田和哉(音楽ジャーナリスト)


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≪トリノ王立歌劇場 2013年日本公演≫

<「仮面舞踏会」より>
 ⇒ 公演詳細:https://www.japanarts.co.jp/torino_2013/index.html
 [公演日程] 会場:東京文化会館
 《仮面舞踏会》
 □12月1日(日) 15:00
 □12月4日(水) 18:30
 □12月7日(土) 15:00

 《トスカ》
 □11月29日(金) 18:30
 □12月2日(月) 15:00
 □12月5日(木) 18:30
 □12月8日(日) 15:00

 《特別コンサート“レクイエム”》
 □11月30日(土) 14:00 サントリーホール

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