2013/11/29

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高らかに謳われた“人間讃歌”「フィデリオ」

昨日(11月28日)パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィルが待望の「フィデリオ」公演を行いました。
 2006年に、ベートーヴェン交響曲全曲演奏会を行い、センセーションを巻き起こしたこの組合せが、その集大成ともいうべき作品に選んだベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」。
あまり上演機会がない作品ですが、今回はさらに語り手が加わり、看守人ロッコが回想しながら物語を進める、という独特で稀少な舞台になりました。

 このロッコ役をドイツの名優ヴォルフ・カーラーが説得力ある語りで牽引。
活き活きとした弦楽器、さまざまな音色を持つ管楽器セクション、“仲間”と呼ぶドイツ・カンマーフィルは、まさにパーヴォが奏でたい音楽、語りたい物語を、そのまま客席に届けます。

 さらに、陰謀を胸に秘めるピツァロを歌ったトム・フォックス、智恵と勇気あるフィデリオ(レオノーレ)を歌ったエミリー・マギー、透明な声を響かせたゴルダ・シュルツなどなど、充実した歌手たちが説得力ある歌を聴かせてくれました。
 看守人として娘の幸せと少しの蓄財を望みつつがなく暮らしているロッコ。
フィデリオという若者(実は、投獄されている夫フロレスタンを救いたいレオノーレという女性)に出会うことによって、愛と勇気、人間の気高さ、尊さに目覚める…。
そんな、人間の本質を問いかけ、困難に立ち向かう愛と勇気を示した作品です。
人間の精神の気高さ、あらゆる人間の尊さ、平等、生きることの素晴らしさを音楽で伝えたベートーヴェン。
 横浜みなとみらいホールは、交響曲第9番の精神にも通ずる【ベートーヴェン宇宙】になり、喝采とブラボーに包まれました。

 パーヴォ・ヤルヴィ&ドイツ・カンマーフィル「フィデリオ」公演は、11月30日にも行われます。この貴重な、これからも語り継がれるであろうコンサートを、どうぞお聴きのがしなく!


【パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団 公演情報】

【名古屋】
<曲目>ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲、交響曲 第4番、3番
<日時> 2013年11月23日(土・祝)15:00開演
<会場> 三井住友海上 しらかわホール

【武蔵野】
<曲目>ベートーヴェン:歌劇「フィデリオ」序曲、交響曲 第4番、3番
<日時> 2013年11月29日(金)19:00開演
<会場> 武蔵野市市民文化会館 


【お知らせ】次回の来日は、2014年12月!


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