【インタビュー】“作曲家・坂本龍一”の作品をクラシック界の俊英の演奏で＜後編＞

取材／執筆：原典子

　思えば私たちは、これまで坂本龍一の作品を、本人の演奏で聴くことが圧倒的に多かった。しかしこれから“作曲家・坂本龍一”の作品は本人の手を離れ、多くの音楽家の手によって演奏されることになるだろう。

中野：それについては僕もすごく考えるところで、坂本さんの音楽って、ご本人による演奏があってはじめて完成するような部分があるじゃないですか。でも、それを突き詰めてしまうと、今後、坂本さんの作品が演奏されなくなってしまいます。クラシック音楽をやっていると、ときに作曲家を崇めすぎてしまうことがありますが、もっとフラットな感覚でいいのではと思うようになりました

成田：リストやラフマニノフなど、自身がピアニストだった作曲家の作品は多々ありますが、必ずしも本人の演奏が最高というわけではありません。自分は演奏者として、“作曲家がこう言っていたから、その通りに弾かなきゃいけない”という見方ではなく、この作品を客観的に伝えるにはどうしたらいいかという視点で真摯に楽譜と向き合ってきたいと思っています

　坂本が若き音楽家たちに託したものが、着実に芽を吹き、花を咲かせているのをこの目で見届けたい。

－前編はこちら―

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⇒https://www.japanarts.co.jp/news/p8005/

≪公演情報≫
アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2023-2024
若き俊英たちによる “戦場のメリークリスマス”
日時：2023年8月29日(火) 13:30
会場：東京オペラシティ コンサートホール
出演：中野翔太(ピアノ)、成田達輝(ヴァイオリン)、LEO (箏) 【特別出演】
アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2023-2024
若き俊英たちによる“戦場のメリークリスマス”

2023年8月29日(火) 13:30 東京オペラシティ コンサートホール
出演：中野翔太（ピアノ）、成田達輝（ヴァイオリン）、LEO（箏／特別出演）
＜プログラム＞
坂本龍一：
戦場のメリークリスマス　＊ピアノ・ソロ
Parolibre　★
The Sheltering Sky　★
SONATA　★
＊　＊　＊
Andata　＊箏ソロ
M.A.Y in the backyard　☆
Flower is not a flower　★
Peace for Illia　★
ラストエンペラー　★
戦場のメリークリスマス　☆

★＝ピアノ、ヴァイオリン
☆＝ピアノ、ヴァイオリン、箏
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2035/

◆中野翔太のアーティストページはこちらから
⇒ https://www.japanarts.co.jp/artist/shotanakano/
◆成田達輝のアーティストページはこちらから
⇒ https://www.japanarts.co.jp/artist/tatsukinarita/