2014/1/31
ニュース
ザ・フィルハーモニクスを知ろう!
ティボール・コヴァーチ(1st ヴァイオリン)
ティロ・フェヒナー(ヴィオラ)
の2人に聞く!
― ザ・フィルハーモニクスは、2007年に演奏活動を開始されました。きっかけをお話いただけますか?
アンサンブル結成のはじまりは、2006年のウィーン・フィル日本公演のときです。
コヴァーチとコントラバスのラーツが、福岡で大好物のしゃぶしゃぶを食べながら、“リミットなしのアンサンブル”をつくりたいと意気投合。その後、ウィーン国立歌劇場の楽屋カフェでフェヒナーに声をかけ、メンバーを招集し、ピアニストのフランティシェクとヴァイオリンのローマンという素晴しいヤノーシュカ兄弟が加わりました。フランティシェクは、コヴァーチと共に編曲を担っています。勿論、メンバー全員も編曲できますよ。アルバム『オブリヴィオン』には、私達2人によるオリジナル曲“K&K ラプソディ”という曲も収録されています。“K&K”というのは、カイザー帝国を表しています。
― 演奏活動を始めてから、今まで主にどのような取組みをされてきましたか?
結成当初から大切にしているのは、誰かが私達の演奏を聴いたとき「あ、これはウィーン・フィルの音だな」と感じてもらえることです。サウンドとフレージングはウィーン・フィルのもので、しっかりとした技術と共に、今までと違う音楽を表現できるのではないかと考えています。 まだ誰も経験したことのない、日常から離れた音楽を創りだす活動をしています。
― オーケストラで演奏するときとアンサンブルで演奏するときは、どのような違いを感じますか?
私たちザ・フィルハーモニクスは、年間40公演ほどのコンサートを行っています。
先のアイデア出しや練習は、オーケストラのリハーサルと本番の合間を縫って行うので、明け方近くまでに及ぶ事もしばしばですが、互いに尊敬し合うメンバーと新たな可能性を探りながら音楽創りが出来る事に、この上ない幸せを感じます。
オーケストラの曲を、室内アンサンブルで演奏することもあります。それには、単純に編曲するのではなく、私達の演奏だからこそ届けられるものを工夫して編曲しています。
― 今後、どのようなことに挑戦されたいですか?
今、まさに‘ドリーム・チーム’として活動ができているといえます。
これからも広い視野をもち、様々な作品に挑戦したいと考えています。ジャズや民族音楽…エルトン・ジョンの曲などは良いですね。でも、ハードロックやメタル音楽は演奏しないでしょう。常にクラシック音楽を軸にして、芸術性の高い音楽を届けるつもりです。
― ザ・フィルハーモニクスは「自分達はメンバーそれぞれのファンでもある」と宣言し、お互いをソリストとして尊敬しあっていますね。 ティボールさん、フェヒナーさんから見て、各メンバーについて教えて頂けますか?
ティボール・コヴァーチ(1stヴァイオリン/ウィーン・フィルの第2ヴァイオリン首席奏者)←フェヒナー 談。
メンバー皆のボス。彼が演奏すると、これ以上の美しい響きを聴いたことが無いほどの思いにさせられます。家族と一緒に森へ出かけることは、エネルギーを充電するための大切な時間です。自然をこよなく愛しています。筋力トレーニングや、長距離の水泳で鍛えています。
ローマン・ヤノーシュカ(2ndヴァイオリン/兄のフランティクと共にラカトシュ・アンサンブルのメンバー)
彼は、世界一のジャズ・ヴァイオリン奏者ですよ! クラシック音楽の演奏も完璧だし、ジャンルを超え、多面的な音楽家です。とても楽しい同僚で、ボディ・ビルにも凝っていますね(笑)。
ティロ・フェヒナー(ヴィオラ/ウィーン・フィルのメンバー)← コヴァーチ 談
まるで歌うように演奏する、素晴しい室内楽奏者です。ウィーン・フィルのトラベル・マネジャーもしていて、とてもよくオーガナイズされています。人間的にも大変優れていて、皆をひとつにまとめられる優れたリーダーです。プライベートでは、山登りが好き。マウンテンバイクを含め、5大ほど自転車を持っています。
シュテファン・コンツ(チェロ/ベルリン・フィルのメンバー)
演奏活動を通じて、5大陸を股にかけて旅しています。愛のために生きるロマンティストでもあり、ガールフレンドの為にベルリン・フィルへ移籍しました。もうすぐ父親になります!ITにかけても精通し、我々のウェブサイトの構築も彼が行ってくれています。
エーデン・ラーツ(コントラバス/ウィーン・フィル首席奏者)
身体はとても大きいけれど、私達の中で一番速く演奏できるひとです。世界でこんなヴォルトゥオーゾのコントラバス奏者は他にいないのではないでしょうか。そして食べることが大好き。典型的な肉食ですね。私(コヴァーチ)と一緒に、’相撲’ができそうです(笑)。
ダニエル・オッテンザマー(クラリネット/ウィーン・フィル首席奏者)
子どもの頃からクラシック音楽の世界にいたけれど(父エルンストはウィーン・フィル首席、兄アンドレアスはベルリン・フィル首席を務める名門クラリネット一家)様々な構成の音楽をパパッとすぐに演奏できてしまうクラリネット奏者です。サッカーが大好きで、ウィーン・フィルのサッカー・チームではゴール・キーパーです。自身で作ったサッカー・チームでも活躍しています。7月に男の子が生まれたばかりです。
・ヤノーシュカ(ピアノ/弟のローマンと共にラカトシュ・アンサンブルのメンバー)
彼は、抜群のユーモア・センスがある人ですよ。リハーサルをしていても、次から次へと色々なアイデアが出てきます。編曲も上手です。即興演奏も得意です。
― 最後に、日本の皆さんへメッセージをお願いします。
2014年6月の来日公演では、日本の音楽にも挑戦したいね、と話しています。まだまだ思案中ですが・・・。
聴いてくださる方々に、非日常から来る楽しみをお届けしたいと思っています。若い人や、多くの人達に聴いてもらい、私達と共に有意義なひと時を過ごしていただきたいです。お会いできることを、心待ちにしています。
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ウィーン・フィル公認の“7人のヴィルトゥオーゾたち”
ザ・フィルハーモニクス
2014年06月20日(金) 19時開演 東京芸術劇場 コンサートホール