2024/2/29
ニュース
【国際音楽祭NIPPON2024】公開マスタークラス(ヴァイオリン部門)が開催されました
2月26日(月)、27日(火)の2日間にわたり、国際音楽祭NIPPON2024 公開マスタークラス(ヴァイオリン部門)が行われました。
10~21歳の11名が 2日間にわたり、諏訪内晶子、ベンジャミン・シュミット、それぞれのレッスンを受講し、修了演奏会に臨みます。
このマスタークラスは、2人の講師から指導を受ける場が設けられているのが特徴です。
諏訪内、シュミットは、技術的なポイントや、楽譜の裏側にある音楽の捉え方について、様々な視点から語りかけます。
「サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ」
諏訪内:「カプリチオーソってどんな意味か、わかるかな。気がくるくる変わっていきます。
憂鬱な気分ってわかるかな? 憂鬱な気分を表現するには、自分の気分で というよりは、技術的なことが必要になります。」「いま全て同じ弓の使い方になっていますね。一つ一つを変えてみましょうか。右手で音に表情をつけていきます。」
「楽器を“弾く”ことを休んで、歌って、語ってみよう。抑揚をつけて。私に語るようにやってみましょう。」
シュミット:「ここはラテンの雰囲気ですね。ビートを感じて、アーティキュレーションを被せずに、滑舌良く。」「ここからはハ長調、もっとエレガントな感じになります。軽やかに踊るように、トリルをもっと入れてみましょう。カプリチオーソらしい雰囲気を楽しんで。」
「楽器を構える角度によって、音の聞こえ方が全然違います。細かい音を聞かせるには、この角度で。楽器を抱えてこもらないで、開いてお客さんに聴いてもらう、音楽とハートを届ける気持ちで。」
シュミット:「体には関節がありますよね。関節をうまく組み合わせて使うことができると、色々な音が出しやすくなります。柔軟性が出ると、その組み合わせが自在になりますよ。」
「弓で楽器を押し込むのでなく、楽器を持ち上げる感覚を持ってみて下さい。上から下から、両方からの力。釣り合いがとれるように。そうです!」
修了演奏会の後には、
シュミット:「本日こうしてこの場にいられることを、光栄に思います。才能豊かな皆さんを聴きにきて下さってありがとうございます。
日本では若い頃から勉強を始めるのですね。皆さんのビルトゥオーゾな演奏は、まるで20代前半の演奏のようです。
今回、私がヨーロッパで培った知識を共有しました。学んできたことを伝えることは大切なことです。私が頂いてきたインスピレーションを皆さんに伝えた2日間でした。」
諏訪内「私は、9歳から演奏する機会に恵まれました。最初はヴィヴァルディやハイドンから取り組み、13歳から本格的に舞台を踏むようになりました。
この音楽祭では、短期間で2人の先生の意見を聞いて、演奏会に臨む、という経験をして頂いています。舞台の経験を積むことは大切なことです。舞台を踏むことで能力が飛躍的に伸びる ということを体感して頂きたかったのですが…今日の修了演奏会は、皆さん見違えるほどでしたね。」
修了演奏会は、後日YouTubeで配信いたします。
◆近藤 瑠伊
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 より
◆吉田 紫花
ヴィエニャフスキ: グノーの「ファウスト」による華麗なる幻想曲 Op. 20 より
◆中原 梨衣紗
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112 第1楽章 より
◆松岡 実咲綺
ワックスマン:カルメン幻想曲 Op. 25 より
◆的場 桃
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112 第3楽章 より
◆米井 咲絢
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト短調 BWV1001 より
◆大澤 由俐七
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ より
◆松木 翔太郎
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op. 47 第1楽章 より
◆大山 弘翔
サン=サーンス:ワルツ形式の練習曲 No. 6より “カプリス” (イザイ編) より
◆前田 早紀
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ より
◆清水 咲
R.シュトラウス: ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.18 TrV 151 より
ピアノ:小森谷 裕子、林 絵里
《公演情報》
国際音楽祭NIPPON2024 芸術監督:諏訪内晶子
https://www.japanarts.co.jp/special/imfn/