2024/4/26
ニュース
【レポート】住友生命 Presents ウィーン少年合唱団2024年来日公演 記者会見
2024年4月25日(木)午後、サントリーホール ブルーローズ(小ホール)にて『住友生命Presentsウィーン少年合唱団2024年来日公演』の記者会見が開催されました。
登壇者は、住友生命保険相互会社 取締役 代表執行役副社長の角英幸氏、オーストリア駐日大使のエリザベート・ベルタニョーリ氏、ウィーン少年合唱団団長のエーリッヒ・アルトホルト氏、ウィーン少年合唱団シューベルト組カペルマイスターのオリヴァー・シュテッヒ氏、ジャパン・アーツ代表取締役社長の二瓶純一。そしてシューベルト組の皆さんも出席して行なわれた会見の模様をお届けします。
まずは、招聘元のジャパン・アーツ代表取締役社長の二瓶純一よりご挨拶。
「ウィーン少年合唱団は4月27日の宇都宮公演を皮切りに、50日間にわたり全国で26公演(学校公演を含む)のツアーを行ないます。今年来日したシューベルト組の25名は、言葉や文化の違う世界7カ国から集まったメンバーで構成されており、ウィーンのアウガルテンでの共同生活は、現代社会の縮図のようなダイバーシティ(多様性)に満ちたものです。
合唱団の525年にわたる長い歴史のなかでは、戦争の影響を受けたこともありました。第一次世界大戦後に活動が続けられなくなった“宮廷少年聖歌隊”が再結成したのが、今からちょうど100年前の1924年のこと。混迷の時代にこそ、少年たちの歌に耳を傾けて安らぎを感じられるひとときになればと思います」
続いて、特別協賛の住友生命保険相互会社 取締役 代表執行役副社長の角英幸氏よりご挨拶がありました。
「世界中から愛されている伝統と格式あるウィーン少年合唱団を、本年度から特別協賛できることを大変光栄に思っております。住友生命は保険を通じて安心や健康増進というニーズに応えていくことはもちろん、ウェルビーイングに貢献する、なくてはならない保険会社グループになることを掲げています。本公演に来場される皆さまの気持ちが「つながり」、天使の歌声を聴くことで感動の輪が「ひろがり」、一人ひとりのウェルビーイングを高める一助になればと願っております。」
今回の日本公演では、住友生命保険相互会社のサポートにより、新たな取り組みとして“ウェルビーイング”な特別企画が用意されています(実施日と会場は下記をご参照ください)。
次に、オーストリア駐日大使、エリザベート・ベルタニョーリ氏より。
「コロナ禍を経て4年ぶりに来日を果たした昨年に引き続き、今年もウィーン少年合唱団を日本にお迎えできたことを非常に喜ばしく思います。5世紀もの歴史を誇るウィーン少年合唱団はオーストリアの文化に欠かせない存在。そして国と国との文化交流は、友好関係を築くうえで欠かせないものです。今回の日本ツアーは、オーストリアと日本の友好関係をより強固なものにしてくれるでしょう。
2025年の大阪・関西万博において、オーストリアは独自のパビリオンを設置し、“Composing the Future(未来を作曲する)”というテーマのもと、お客さまを未来へとご案内します。そして5月23日のオーストリア建国記念日に、ウィーン少年合唱団が万博会場でコンサートを行なうことを、ここに発表します」
ウィーン少年合唱団団長のエーリッヒ・アルトホルト氏より。
「ウィーン少年合唱団が行なう数多くの公演のなかで、日本ツアーは間違いなくハイライトと言えるもの。メンバーたちにとって、一生忘れられない体験になることでしょう。なぜそれを確信しているかというと、私自身が合唱団のメンバーだった10歳のとき、はじめて体験した海外公演が日本だったからです。伝統を守るだけでなく、未来を担う青少年たちを育てるということは、私たちにとって大きな意義をもちます。
なお、昨年は合唱団の2種類のCDがリリースされました。ひとつはウィーン楽友協会で開催された『ウィーン少年合唱団 525周年記念コンサート』のライヴ録音、そしてもうひとつは1907年から2022年までの録音を網羅した21枚組のCD BOXです」
ウィーン少年合唱団シューベルト組カペルマイスターのオリヴァー・シュテッヒ氏より。
「2012年にシューベルト組のカペルマイスターとして日本を訪れてから、今回で3度目となります。本来はあと1回、日本ツアーの予定がありましたが、コロナ禍で中止となりました。前回から8年間、心待ちにしていただけに喜びもひとしおです。
日本ツアーを体験した合唱団のメンバーたちは誰もが、聴衆の皆さんの素晴らしさに感動します。自分たちを心から歓迎してくれること、音楽を愛し、彼らの歌声を聴くことに喜びを感じてくれていることが、メンバーたちにもしっかりと伝わっているのです。
今回は、“夢みる夜と魔法の世界(プログラムA)”“ウィーン少年合唱団と巡る四季(プログラムB)”という、まったく異なるふたつのプログラムを用意してきましたので、それぞれお楽しみいただけたらと思います」
質疑応答では、会場の記者たちから熱心な質問が寄せられました。
――ウィーン少年合唱団の教育方針について教えてください。
オリヴァー・シュテッヒ氏「まずはメンバーたちに心身ともに健康でいてもらいたい。それが皆さまに良い歌声を届けるための基本だと思います。アウガルテンでの共同生活では、フリータイムも充実するように、メンバーそれぞれの個性に合わせてスタッフが工夫を凝らしています。学習的な面だけでなく、子どもが、子どもでありながら高い意識をもつということが非常に大事なことであると考えています」
――メンバーたちの将来の夢は音楽家に限らず多種多様ですが、その点についてはどのように考えていますか?
オリヴァー・シュテッヒ氏「今ここにいるのは、9歳から14歳の少年たち。将来何になりたいかは、途中で考えが変わることもあります。一般の学校の生徒と比べて、ウィーン少年合唱団のメンバーたちがプロの音楽家の道に進む割合は高いと言えます。歌手だけでなく器楽奏者もいますし、プロ・アマチュアに関わらず、音楽に生涯たずさわる人の数は多いと思っています」
――長い伝統を誇るウィーン少年合唱団ですが、守っていくべきものと、時代に合わせて変えていくべきものについて、どのように考えていますか?
オリヴァー・シュテッヒ氏「プログラムをご覧いただくとわかりますが、伝統的な音楽は引き続きお届けしたいと考えていると同時に、レパートリーはつねに増やしていくべきだとも考えています。何百年も歌い継がれてきたクラシック曲も歌いますが、今回が初演となる曲、ワールドワイドなポップミュージック、また日本で誰もが口ずさめるような人気曲も取り入れます。芸術監督とも話し合いながら、多様性と地域性を踏まえたプログラムをかなりの時間をかけて構築しているのです」
そして最後に、シューベルト組が岡野貞一の《ふるさと》とヨーゼフ・シュトラウスの《休暇旅行で》を歌唱して会見は終了となりました。
岡野貞一:ふるさと
ヨーゼフ・シュトラウス:ポルカ・シュネル《休暇旅行から》
文:原典子(音楽ライター/編集者)
写真:松尾淳一郎
ウィーン少年合唱団2024年 日本公演
【公演期間】2024年4月27日(土)~6月16日(日)
【東京公演日程】
2024/5/3 14:00 サントリーホール Suntory Hall
2024/5/4 14:00 サントリーホール Suntory Hall
2024/6/7 13:30 東京オペラシティ コンサートホール Tokyo Opera City Concert Hall
2024/6/12 13:30 東京オペラシティ コンサートホール Tokyo Opera City Concert Hall
2024/6/14 13:30 東京オペラシティ コンサートホール Tokyo Opera City Concert Hall
2024/6/15 14:00 東京オペラシティ コンサートホール Tokyo Opera City Concert Hall
2024/6/16 14:00 東京オペラシティ コンサートホール Tokyo Opera City Concert Hall
全国公演日程は特設サイトにてご覧いただけます。
【ウィーン少年合唱団2024特設サイト】
⇒https://www.japanarts.co.jp/special/wsk/
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